- 塩害の影響で植物の浸透圧が狂い水分を吸収できなくなる.
- 植物内部に塩分が流入し,適切な代謝活動ができなくなる.
- 土壌が硬くなり,排水性が低下する.
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
沖縄県でアボカドの栽培をしているのですが,やっぱり気になるのが塩害ですね!
おいらも,令和2年9月の台風9号の被害によって,いくつかのアボカドの木が枯れました.
塩害を受けると,木が枯れるとか漠然とした被害については耳にしたりすると思うのですが,ではなぜそうなるのか!そして,具体的な対策についても記述していこうと思います!
そして自分自身も塩害についてしっかりと理解し,栽培に活かしていきたいと思います.
誰かの参考になれば幸いです.
塩害とは何か!?
塩害とは,その名の通り,塩分による害です.
沖縄では台風などで塩が巻き上げられ,そして風にのって植物にかかります.
他にも海岸近くに住んでいる方であれば,高潮や津波,冠水などといったことで,海水が直接植物にかかる可能性があります.
また,地盤の緩みや沈下,地下水への海水の混入などが挙げられます.
また連作障害でも塩害が起こる場合があります.
肥料中の塩化物イオンが残り,土の中の金属イオンと結合すると塩化ナトリウムになることがあります.
地上と地下による影響がありますので,それぞれ個別に塩害を紹介したいと思います.
葉による影響
基本的に塩というのは植物の生育によろしくないです.
植物の水分不足が発生,そして枯れる,沖縄などではそれが原因で葉焼けなども発生します.
ナメクジに塩をかけると,浸透圧の影響でナメクジの内側にある水分が抜けますよね.
それと同じ現象が葉っぱにもおきます.
つまり,葉っぱに塩がつくと,正常に水分の流入が起きないだけではなく,葉っぱの内側の水分が抜けてしまうのですね.また細胞内に塩分が流入して,適切な代謝活動そのものが困難になる場合があります.
漬物を作るときも,塩水につけておくと野菜内部の水分が抜けてシンナリすると思うのですが,やっぱり塩分濃度の高い液体につけておくとそうなるのですね.
逆に葉野菜を真水につけておくと,水分が野菜側に流れてパリッとしますね!
この記事のポイント 野菜を真水につけるとパリッとするのは,浸透圧のせい! この原理を応用して,漬物やあえ物が作 …
根による影響
土壌についても地上と同様に,塩分濃度が高まると根っこが水分を吸い上げられなくなります.
また,海水が土壌に入ると土が硬くなります.
その結果,排水性が悪くなり,根腐れを誘発します.
対策について
植物に対する直接的な対策については2つあります.
つまり,塩がつかないようにするのと,塩がついたあとの対応です.
また,土壌の改良についてもまとめます.
そもそも塩がつかないようにする
海岸に近い場所や,沖縄などの台風がよく来る場所では,そもそも塩がつかないような環境整備が必要です.
例えば以下です.
- ビニールハウス
- 防風林の徹底.
- 鉢植え栽培(屋内避難).
- 塩害に強い作物を使う.
土壌の塩害濃度がそもそも上がることが考えられるので,塩害に弱い作物は危険です.
塩がついてしまった場合!
日常的には,塩害の被害が出ない地域でも,稀に来る台風などの影響で塩がついてしまった!というときもあると思います.
そんな時は,以下を試してみてください.
- 散水で洗い流す.
- 枯れた葉っぱや変色しだした葉を落とす.
- 直射日光を避ける!
- 早めの作物収穫!
土壌のケア(除塩)
農林水産省の「農地の塩害と除塩」という資料が役に立ちました.
土壌に塩分が蓄積した場合は,簡単に記述すると以下のステップが有効です.
- 土壌中のナトリウムを吸収する石灰系土壌改良材を畑に入れる.
- 真水を使い地下へ流す.その際,耕耘をすると効果的である.
(排水設備や弾丸暗渠があればなお良し!)
塩分は,塩素ClとナトリウムNaが結合して塩化ナトリウムNaClになることで発生します.
石灰系土壌改良剤に含まれるカルシウムが,土壌中のナトリウムと結合して,その結果,ナトリウムを排除してくれます.その結果,土壌中の塩分濃度が下がります.
“植物の塩害についてわかりやすく解説!” への1件のフィードバック