有機農業とは!?環境保全型農業とは!?どうしていけば良いのか?
この記事のポイント
  • 化学肥料を減らす!
  • 土壌の理化学性の改善!
  • 合成農薬を減らす!

けんゆー

ハイサーイ!


けんゆー

記事リンク付きの感想ツイートや引用記事などは歓迎です!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は「環境保全型農業」について考えていきたいと思います.
一般的に有機農業という言い方もされると思いますけれども,とにかく幅が広いのですよね.
もちろん,日本は縦に長い国であり,気候なども北と南で全く違うわけですから,環境保全の捉え方も色々とあると思います.
ただ,根本的な認識として「土壌や作物のもつ能力を最大限発揮させる」栽培であることには変わりないと思います.
そのために,どうすべきなのか?もしくは,どうしないべきなのか?的なところは常に考えて共有していっても良いと思います.とにかく近年は,政府の「みどりの食糧システム戦略」が発表されてからより一層「有機農業への転換」が求められておりますから,農業者から家庭菜園をされているそれぞれが考えても良いことだと思います.

環境保全型の農業とは!?

今回も「基礎講座 有機農業の技術」という書籍を参考にお話しさせていただいております.
第四章の病害虫に負けない作物づくりというパートを担当する「杉山信男さん」の環境保全型農業をどのように達成していくのか?という技術指南が勉強になりました.彼は,東京農業大学農学部の教授で著書に「トマトをめぐる知の探検」などがあります.面白そうなので,ぜひ読んでいただきたいです.

杉山教授の提言する環境保全型農業をするための3つの技術が勉強になるのですが,それぞれ深掘りしていきます.

  • 化学肥料を減らす.
  • 土壌の理化学性(物理性と化学性)の改善.
  • 合成農薬を減らす.

ということです.
それぞれ,深掘りして具体的な方法論を覗いてみたいと思います.

化学肥料を減らそう!

まず,一つ目は化学肥料を徐々に減らしていこうと言います.
化学肥料はもちろん,適切に使用すれば問題がないですが,ただちょっと多めに使ってしまった場合などは,窒素やリンによる地下水の汚染などが懸念されております.わが国では,この肥料が多用される傾向があるようで,この辺も視野に入れて,徐々に減らせるものは減らしていこうということです.
いきなり,全ての化学肥料を使うな!ということではなく,まずは緩効性肥料にするとか,有機質肥料にするとか,そのようにちょっとずつ作物や畑の状態を見ながら変えていくことも大事だと言われてました.
本書では,緩効性肥料では,CDUIB化成が紹介されておりました.
CDUというのは,Cyclo-Di-Urea,アセトアルデヒド縮合尿素であり,微生物分解性により効果がゆっくり効くのですよね.
使用する粒径によって,無機化速度を制御することが可能のようです.
僕は,化学肥料を使ってないので,強くおすすめすることが物理的にできないですが,このようなものもあります.
また,IB化成というのは,Iso-Butyliden-di-Ureaの略で,すなわち,イソブチルアルデヒド縮合尿素ですね.
加水分解によって,水にゆっくり溶ける緩効性肥料です.

また有機質肥料なども,例えば魚カスや大豆カス,鶏糞なども肥料分として緩効性で良いですし,とにかく肥料の利用効率を考えて,無駄な施肥量を削減することが大切です.

土壌の理化学性の改善.

土壌の理化学性の改善に関しては,作物の生育にとって好適な土壌環境を作っていこうねということなのですが,本書でお薦めしているのが二つあります.一つは堆肥の利用と,緑肥作物の利用です.
堆肥に関しては,窒素分などの効きがかなり緩やかなのですが,連用すると徐々に効いてきます.
そのため,その辺も注意が必要です.こちらは前回や前々回,利き方の部分を詳しく取り上げたので,その辺を参考にしてください.
堆肥の効きってぶっちゃけどうなの?

けんゆー

この辺もきちんと知って利用できていけば良いよね!

合成農薬を減らす.

最後の第3番目は,合成農薬をなるべく減らそうね!ということですが,具体的にいうと,殺虫剤や殺菌剤,殺線虫剤,除草剤などの使用を減らしていこうね!というものです.これらをなるべく減らしていき,病害虫や雑草の被害を防ぐ手立てを講じようね!というものですね.

代替方法なども現在は色々とありますが,例えば,果樹などは物理的な袋がけも虫の被害をだいぶ抑えることができます.
さらに,本書では天敵による病害虫駆除も紹介されております.生物農薬というものですね.
天敵というと,テントウムシやカマキリムシ,クモなどが有名ですが,他にも,スワルスキーカブリダニやミヤコカブリダニ,カブリダニ類も良いですし,アブラバチ,タイリクヒメハナカメムシなども有名です.
合成農薬だけに頼らずに色々な側面から病害虫を対策していく「IPM(Integrated Pest Management:総合的病害虫管理)」という概念があるのですが,そのようなことも大事ですね.
もっと詳しく知りたいよ!という方は,以下の記事も読んでみてください.
(参考:IPM(総合的病害虫管理)の本来の意味!?薬物抵抗性を獲得した虫.

他にも線虫対策などでも,対抗植物を導入するのも良いかもしれないです.
例えば,マリーゴールドやクロタラリア,ギニアグラス,ソルゴーなどもおすすめですね.
ソルゴーなどは緑肥に活用できたりと,そういう側面もあるので,良いですよね.
マリーゴールドの効果!土の中の線虫の密度を下げる!オススメの品種は!?

他にもフェロモン剤でオスとメスの交信を撹乱したり,マルチを上手に使うと,除草剤の利用も減るかと思われます.
そのようなことも念頭に置いて,やってみてください.