F1品種のタネはどのようにして作られているのか!?
この記事のポイント
  • F1は単なる遺伝のお話しで自然の摂理で起こり得ること.
  • 自家採種は普通にできる.
  • F1品種の種の作り方をサクッと解説!

けんゆー

種の問題について考えていくよ!!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回お話しさせていただく内容は「F1品種の種がどのようにして作られるのか!」ということについてお話ししたいと思います.
前回,F1ということについてお話をさせていただきました.

おさらい

前回のおさらいをサクッとします.

  • F1はFirst Filial Generationといい,交雑第1代目という意味.
  • メンデルの法則で両方の親の性質の優性遺伝が起きる(優れているという意味ではなく,優先的な特徴を引き継ぐ).
  • 形や味,収穫時期が揃い定品質の野菜が作れる.
  • もちろんこれは,自然的な摂理によって成り立つ遺伝のお話です.

注意点

F1品種の種の誤解がいくつかあるので,冒頭で注意しておきます.

  • 自家採種できます.
  • F1品種という理由による人体被害はないです.

というかそもそも,全ての野菜やフルーツは交配をしてできるので,人間が栽培,もしくは自然的に世代更新をしていく中で,いろんな花粉がつく訳です.
なので,どこかのタイミングを切り取れば,全てF1なのです.ただ,両親の情報がわからないので,種の情報が把握できていないだけなのです.
ただ,タネ屋さんのF1品種は,明確に両親がわかるので,種の性質がきちんと把握できているというだけの話です.

スーパーで売ってある野菜はほぼ全てF1品種の野菜です.
トマトやかぼちゃもそうですが,全部種入ってますよね.
特別な処理をされている種無しのスイカなどの品種が出てきているのもありますが,基本的にはF1は種があります.
そのタネを使うと(F2),色形性質が異なるものが20~30%ほど出てくるので,使わない,ということです.

F1品種による危険性ですが,スーパーに売ってある野菜を食べて気分が悪くなった人はほとんどいないと思います.
使用農薬量が多くて人体に被害が出る!など,他の要因で健康被害が出ることがありますが,F1がという理由ではそういったことはありません.

そこで今回は,F1品種の種がどのようにして作られるのか!ということについてお話をしたいと思います.

F1品種の種の作り方.

親となる二つの品種を掛け合わせるだけです.
つまり,ある品種の雌しべに,異なった品種の雄しべの花粉をつけるだけです.

そして,この作業が大変なのですよね.
いくつか方法があります.

  • ある品種の雄しべを人工的に摘み取ってしまう(除雄(じょゆう)).
  • 自身の花粉では受粉しない「自家不和合性」の花を使う.
  • 「雄性不稔」という雄しべ機能が不能となった突然変異株を利用する.

花もいろいろな特性を持った花があり,F1の作りやすさが変わってきています.
両性花といって,一つの花に雄しべと雌しべのあるタイプですね,これはナスとか,まあ,ナス科とかマメ科はそうですよね..

また,雌雄異花といって,一つの株の中に雄しべだけを持つ花と,雌しべだけを持つ花がありますね.
これは例えば,キュウリとか,スイカとか,かぼちゃとか,同じウリ科のズッキーニなどもそうですよね.
毎朝,人工授粉をしていたのが懐かしいです.

さらに,株ごとにオス,メスがあるものもありますね.
人間のようなタイプのものです.
これは雌雄異株と言いますが,例えばホウレンソウとか.
結構これは果樹に多いですよね.キウイ,パパイヤ,イチョウ,ヤマモモとかもそうだったかな.
ホームセンターに行くと,メスの木8本に対して,オスの木一本買ってんね!と張り紙があったと思います.

除雄は古くからやられていた方法です.
開花前に,ピンセットか何かで雄しべを摘出してしまう方法ですね.
決して,遺伝子組み換えのような操作をしているわけではないのです.

自家不和合性というのは,アブラナ科などの野菜でよく見られます.
自家受粉をするのですが,それを何度か繰り返すことによって,自身の花粉では受粉しないようになります.
近親交配による弊害は生物どこでもおきますね.

雄性不稔というのは,雄しべがそもそも機能しなくなるわけですが,これは突然変異体であると言われています.
男性の無精子症などと同様です.生物ではそんなに珍しくもないことです.

このような除雄,自家不和合性,雄性不稔などを利用して,種苗メーカーさんはF1のタネを作っています.

交配種は,優れた形質が出てきやすいのですが,交配種は必ずしも優れているわけではなく,優先的に出てくる特徴が決まってくるので,そこからこの性質が良いよね!というのをいろいろ試行錯誤して作っていくのです.

一度優秀な品種を作ってしまえば,毎年タネを購入する必要がありますので,種苗メーカーさんは潤うというわけです.
F2が確定的に機能しないので,そうなります.F1の種の農家さん側のデメリットはというと,毎年タネを買うというくらいですね.