沖縄県で野菜や果樹につく厄介なドクガ3種.
この記事で紹介するドクガ
  • タイワンキドクガ
  • コシロモンドクガ
  • マエグロマイマイ

けんゆー

ハイサーイ!


けんゆー

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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は,沖縄県の野菜は果樹などにつく厄介なドクガについてシェアします.
僕らは特にマンゴーなどの熱帯果樹を栽培してるのですが,とても厄介なドクガが多いのですよね.なので,今回は,そんなドクガについて解説していこうと思います.
YouTubeで聴きたい人は以下からどうぞ!

タイワンキドクガ

スターフルーツの果実を食害してる様子.

  • 学名:Euproctis taiwana (Shiraki)
  • 英語:Taiwan yellow tussock moth
  • 分類:鱗翅目\ドクガ科

タイワンキドクガはほとんどの果樹や野菜を食害する広食性のドクガです.
特にこのタイワンキドクガは,果樹では,マンゴー,スターフルーツ,パッションフルーツ,インドナツメ,インカナッツ,アセロラなどでよく確認されます.

けんゆー

マンゴーで圧倒的によく見られるね!


沖縄県の圃場では,もれなく出現してます.

特徴なども以下にざっと記載しておきます.

タイワンキドクガの特徴
  • 幼虫は体長約25mm,背中には黄色い帯と中央に細長い赤〜橙黄色の線が入る.
  • 各節にコブ状の隆起があり,多数の刺毛がある.
  • 刺毛の毒の強弱は種や個体により様々だが,ひどい場合は皮膚炎を生じる.
  • 沖縄本島だけではなく,分布は台湾〜奄美まで.
  • 成虫は黄色い翅長13~16mm.
  • 前翅には,不明瞭な白い横線が並行して走る.

被害については以下に示します.

  • 幼虫が大量発生することがある.
  • 主に新梢や花,果実を食害する.
  • 新生がひどく食害されると樹勢低下を引き起こす.
  • 花や果実が食害されると収量低下や品質低下につながる.
  • 初齢幼虫は,葉の表面を食害し,被害を受けた葉は白く枯れ上がる.

沖縄では,タイワンキドクガは年中見られますが,特に4~6月に多いです.

 

コシロモンドクガ

上の写真は,インドナツメの葉につくコシロモンドクガ.花や若い葉を食害する.

グァバの枝を這うコシロモンドクガ.

  • 学名:Orgyia postica (Walker)
  • 英名:Small tussock moth
  • 分類:鱗翅目\ドクガ科

こちらも沖縄では,多くの果樹や野菜につく厄介な毛虫です.
特に,マンゴーやスターフルーツ,アテモヤ,インドナツメ,グァバ,インカナッツ,チャ,カンキツなど,その他多くの果樹につきます.広食性です.

コシロモンドクガの特徴
  • 幼虫は体長約22~30mm.
  • 時期によって,体の色が変わるが,大体は写真のよう.
  • 体の前方に2本,後方に1本,ツノのような毛の塊がある.
  • 背中にも4つの毛の塊(刷毛状)がある.
  • 側方にもそれぞれ2つずつ,白い毛の塊がある.
  • 成虫は,雌雄で形態が異なる.
  • メスは前翅約13mm,黄褐色の蛾.
  • オスは翅が退化して飛べない.体長15mm程度.

被害については以下に示します.

  • 初齢幼虫は風にのって飛ぶ.若齢の幼虫は,群生する.
  • 主に新梢や花,果実を食害する.
  • 新生がひどく食害されると樹勢低下を引き起こす.
  • 花や果実が食害されると収量低下や品質低下につながる.
  • 初齢幼虫は,葉の表面を食害し,被害を受けた葉は白く枯れ上がる.

コシロモンドクガは,一年中発生します.
一世代約30日で,年8~9世代更新すると言われる.
特に発生が多い毛虫です.
沖縄では,5~6月に多いです.

対策など

コシロモンドクガとタイワンキドクガは,特に発生が多いので,ある程度対策はしたほうが良いです.

  • 若齢幼虫の時に補殺する.
  • 成虫は,葉裏や幹に潜んでる場合はあるので,補殺する.
  • ネットをはり,蛾の侵入を防ぐ.
  • 慣行栽培をされる方は,除草は徹底したほうがベター.

 

マンゴーアテモヤの栽培,平成31年3月,一般社団法人沖縄県農業会議(沖縄県経営構造対策推進協議会)の資料より引用.

マイマイガ

アボカドの葉についたマエグロマイマイの幼虫.

上の写真もおそらくマイマイガの近縁種だと思われる.北部で栽培するマンゴーについており,地面に落とした.

  • 学名:Lymantria xylina Swinhone xylina Swinhone
  • 英名:Casuarina moth
  • 分類:鱗翅目\ドクガ科
  • 別名:サカグチマイマイ

マエグロマイマイやマイマイガの類は,特によく見かける毛虫でもないです.
たまに,アボカドの葉やマンゴーの葉で見かけます.ただ,稀に大量発生する場合もあるとのことで注意が必要です.

マエグロマイマイ(マイマイガ)の特徴
  • 幼虫は体長約30mm.
  • 幼虫の頭部には「ハ」の字状の黒い帯がある.
  • 背中には,黒い帯がある.
  • 節ごとに,赤い毛の塊がある.
  • 表面に薄い長い毛がびっしりある.
  • 成虫は,前翅長24~28mm.薄灰色.前翅の中央に鋸歯状の横線がある.

被害については以下に示します.

  • マンゴーやレイシ,アカギなどを加害する.
  • 中国では,モクマオウが加害されてる.

僕たちの圃場では,マエグロマイマイはそこまで大きな被害は観察されてないです.
年一世代の更新なので,そこまでひどく大量発生したこともないですが,稀に大量発生すると聞いてます.5~6月に多く発生します.

いかがだったでしょうか.


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