【クリック!24時間限定公開中】【No.126】今年もあいつがやってくるようだ.塩害とは?耐塩性の高い作物は!?
この記事について

この記事は2022年7月29日のオンラインサロンに投稿された記事だ.
24時間限定公開!オンラインサロンに入ると過去の記事が全て読み放題だ!

おはようございます.
今週も「あいつ」がやってくるようである.

毎回あいつは土日にやってくる.平日はやっぱり忙しいんだろう.

小学校の頃,こいつが平日に来ると,学校が休みになったりしたので,結構好きだったが,今はバナナを薙ぎ倒していく凶暴性があるので,あまり歓迎的ではない.

こやつは,熱帯の太平洋上で発生する低気圧「熱帯低気圧」である.
暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して,雲粒になる.
そのときに放出される熱をエネルギとして台風と呼ばれるまでに発達していく.

黙々モクモクっと.

台風の進行が陸地などで,急速にスピードが遅くなるのは,水蒸気の供給が絶たれることや,地面や建物などとの摩擦でエネルギの消失があるからである.エネルギ学的には「台風」という巨大なエネルギ体をどこかに保存して,良い方向に使いたいと考えられるわけであるが,まだまだその巨大なエネルギをうまく捕まえることができていない.

かつては石油も,地球を汚染する巨大なゴミとしてみられていたが,今ではエンジンという発明品ができ,石油は欠かせない「資源」になった.

いつしか,台風が来たら,エアコンがタダで使えるようになるとか,そういったエネルギ変換を可能とする「エンジン的な何か」が発明された未来では,台風は神からの贈り物とされると思うが,まだまだ災害として位置づけられるだろう.

つまるところ,どの分野においても「エンジン的な何か」を発明できるかどうかで,生活の豊かさは変わってくるのだと思う.

捨てていた何かも,邪魔である何かも,厄介なあいつも,それを価値に変えられる「エンジン的な何か」を発明できれば,それらは途端に「燃料」という資源になるわけである.

今日は,そんな台風から「資源」についてと,「塩害」について書くことにする.

1.雑草を「資源」にする.

雑草も人によっては「邪魔で厄介なやつ」になるが,「自然栽培」というエンジンの上では,十分「資源」となる.雑草は,果樹や野菜を栽培するための土として還るし,土として還るまでは,マルチとして機能する.マルチは,物理的な雨風の圧力を減らせるし,強すぎる太陽光からも守ってくれる.ありがたい.

雑草への感謝の意を表したい.

1−1.動画へのコメントも次の動画の資源となる.

雑草への感謝が本物すぎて,雑草愛護動画を作ってしまった.
草生栽培をお奨めする内容である.
(動画はこちらから「https://youtu.be/l_A0LeBAox8」)

この動画にこんなコメントをいただいた.

「温暖化防止に雑草育ててるって言ったら農業委員会は耕作しないと農地でないって言ってたよ.」

色々な角度からのコメントはとてもありがたい.
雑草愛護団体の団長は,このコメントをも資源にして,このコメントに返信する動画も作れた.
【大事!!】自然栽培,続けていくためにとっても大事なこと!自然栽培をしてる人にも責任はある.
作品と呼べるほど,質は高くないかもしれないが,創作物ができたのは個人的に嬉しい.
資源から何かが生まれるのは,嬉しい.

Youtubeや自己表現というエンジン的な何かがあると,途端に相手からいただく多くの「コメント」も資源に見える.たとえそれが,批判的な要素を含んでいたとしてもだ.

日常にこのような「エンジン的な何か」を増やしていくのは,とても実りのあることだと思われる.ぜひ,皆さんも皆さん自身が持っている「エンジン的な何か」を教えていただけるととても嬉しい.アボカドパーティやZoom交流会などで,ぜひ意見交換したい.

2.塩害とは何か?

台風が来るということで,今回は「塩害」について加しく書いておきたい.
塩害とはなんなのか?なぜ塩によって植物は枯れるのか?
簡単に理解したい人は,こちら「植物の塩害についてわかりやすく解説!」を読んでいただきたいが,今回は,ちょっとだけ深掘りしていく.

2−1.塩害とはどんな害!?どのようなケースで発生するの?

塩害とは,土壌に塩化ナトリウムや塩類が過剰にあり,浸透圧ストレスの影響でうまく水分が吸収できないのと,植物体内へ蓄積された塩が,イオンストレスとなり,植物の生育を阻害してしまうことをいう.

漬物を作るときに,塩を使うと野菜から水分が抜けるが,これは浸透圧ストレスの影響であり,植物も塩分濃度が高いと,水分吸収がうまく働かなくなる.
(浸透圧を理解したい方はこちら→「レタスなどの野菜を真水につけるとパリッとする理由は,浸透圧により水分子が野菜の細胞内に入り膨らむから」)

また,体内に侵入した塩は,葉身で濃縮されて代謝を乱す.これが,イオンストレスや電解質ストレスというものである.
(過剰の電解質(イオン)が共存すると,酵素タンパク質と基質とのイオン結合が壊れて,酵素活性が損なわれるが,これがイオン害の正体である.)

日本は周囲を海で囲まれているため,台風や高波などによって,海水が入ってきたり,もしくは地下水に混入し,土壌中に蓄積し,塩害が発生するケースが多い.

今回の台風でももちろん塩害が発生する可能性はあるが,では塩害はどのようなことで起こるのか?この辺もまとめておく.

塩害は以下のような要因で起こる.

・台風などの強風によって海水を含んだ海風が飛んでくる.
・高波によって海水が内陸に入り込む.
・海岸近くの防風林が排除され,海水が飛散する.
・肥料成分の土壌蓄積などによるもの.
・過度な乾燥による地表面からの水分蒸散により塩類集積.

上の4つは,日本で起きやすいが,5番目の塩類集積などは,例えば,ベトナム,フィリピン,インドネシアなどの海沿いの国,もしくは高潮が常に襲ってくるバングラディッシュ,他にも乾燥気候のイスラエル,イラク,イラン,オーストラリア,メキシコなどでよく見られる.

肥料のことや,水分蒸散によって塩類集積が発生する件について軽く追記する.

2−2.肥料成分の過剰によるもの.

アルカリ金属(ナトリウムやカリウムなど)やアルカリ土類金属(カルシウムやマグネシウム)の中でも,Naは,土壌に保持されにくいため,結果,海水に多く含まれるようになったと言われる.つまり,水ととに動きやすいので,台風や高波の際に影響が出やすいが,もちろん,ナトリウム(Na)だけではなく,カリウム(K)や,マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)なども,高濃度に与えると,同様に生育が阻害される.

塩害も,ナトリウムに固有のものではなく,電解質(イオン)総量の過剰などにより引き起こされるところが大きい.

2−3.水分蒸散によって塩類集積

日本は降水量も多いので,水分蒸散による塩類集積はほぼないが,例えば,水不足でよく灌漑などを行うところでは,発生する.

このような気候の地域は,土壌の蒸発散量が降雨量を上回っているため,元々岩石が風化して可溶化された塩が,雨によって十分流れておらず土壌に残っている場合が多い.排水を十分考慮せず,灌漑をすると,地下水位が上がるが,この地下水には,土壌から洗い流された塩分が含まれているため,毛細管現象によって水が塩分を地表に持ち上げてくる.やがて水分は蒸発し,地表には塩類が集積するというものだ.

竹下正哲著の「日本を救う未来の農業」でも,イスラエルなどは,灌漑を続けた畑が真っ白になり雪が積もったようになると紹介されていた.

もちろん,塩害の出やすさは,植物が持つ耐塩性によっても変わってくる.

2−4.植物の耐塩性って何?

アボカドに関しても,西インド諸島系の方が,耐塩性が高いと言われている.沖縄県は寒さが問題にならないため,こちらで栽培する場合は,耐塩性の高い西インド諸島系の台木を使った木をお奨めしているのでるが,より詳しく説明を足したい.(動画:【アボカド栽培】品種によって養分の吸収度合いが変わる!【接木・台木】

植物の耐塩性とは,植物が塩害に対する耐性の強弱であるが,具体的には,土壌中に存在するNa,K,Ca,Mg,Cl,NO3,SO4などのイオン濃度の増加に対する生育感受性の強弱と言われるわけである.

高塩環境では,浸透圧ストレスやイオンストレスなどがかかるが,耐塩性の高い植物ももちろん存在する.例えば,南西諸島には,マングローブなどが生えているが,それらは高塩環境でも十分生きている.海水でも生育できる植物は塩生植物と言われるが,マングローブの他に,イネ科のヨシやキク科のノジギクなど,多くの植物が存在する.
(ホソバノハマアカザ,アッケシソウ,アママツナ(アカザ科),ツルナ(ツルナ科),ウシオツメクサ(ナデシコ科),ミチヤナギ(タデ科),ウラギク(キク科)など,参考:植物の耐塩性メカニズム

生理的なメカニズムは,詳しく話すとかなりハードであるが,文献「植物の耐塩性機構と植物を利用した土壌塩類の除去」を参照すると,以下のようなプロセスで塩分ストレスに抗う.

過剰なイオンに対して,バランスを崩さない恒常性だったり,体内の浸透圧を高めて,吸水力を高めたり,もしくは体外へ塩分を排出する機構を持っていたり,塩分に対して多くの対策がある.より詳しく知りたい方は,本文献を見ていただきたい.

2−5.耐塩性の高い作物

文献「植物の耐塩性メカニズム」で紹介されている耐塩性の高い作物では,テンサイ(サトウダイコン),ワタ,オカヒジキ,ツルナなどが挙げられている.

以上の画像は,全てwikipediaからの引用である.

テンサイは,サトウダイコンとも言われるが,形が似てるだけでアブラナ科ではなくヒユ科である.ビーツの砂糖用品種群とされている.

オカヒジキは,日本では古くから野菜として栽培もされているようだ.
見た目がとても多肉でかわいい.まだ食べたことがないので,食べてみたい.

ツルナ(別名ニュージーランドのほうれん草)は,沖縄ではハマホウレンソウと呼ばれているらしい.日本各地に自生してるようで,機会があれば食べてみたい.

また,オオムギ,コムギ,イネ,タバコ,ダイズなどは,栽培品種間で耐塩性にばらつきがあるが,積極的に耐塩性の強いものが研究されているものでもある.

他にも,文献「植物の耐塩性機構と植物を利用した土壌塩類の除去」からの画像引用であるが,耐寒性の高い野菜や果樹,植物が紹介されていた.

野菜であれば,やはりビーツやブロッコリー,ほうれん草やアスパラガス,トマト,キャベツなどが挙げられる.一時期,海水で作られた塩トマトや塩キャベツなどが話題になったが,耐塩性がある程度強い野菜なのだと思われる.

果樹であれば,ナツメヤシ(Date)やイチジク(Ficus),ザクロ(Pomegranate),オリーブなどが挙げられている.熱帯果樹があまり挙げられていないのが少々残念であるが,とても参考になる.

ぜひ,塩害対策として,これら野菜を果樹を植えてみてもいかがだろうか.

<終わりに>

これなーんだ!?

ということで,台風対策も頑張ってくださいね!
では素敵な一週間をお過ごしください!