【アボカド栽培8】他家受粉によるアボカドは「結果数」が増える!これは世界的な事実である!
この記事のポイント
  • アボカドの雌雄異熟という特性は,自家受粉を避けるため!?
  • 異なる品種と混植した方が収量が増加する!
  • 一本しかない場合は,カクテルツリーという方法もある!

けんゆー

遺伝子ってすごいね!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今日は,アボカドの受粉について,科学的な観点から,論文をもとにお話しさせていただきたいと思います.
1996年(24年前)の論文「Avocado Tree Arrangement and Thinning in Relation to CrossPollination」(リンクをクリックされるとpdfが保存されます.)
を読んでいたのですが,そこにやっぱり面白いお話がされていたので,紹介していきたいと思います.

やっぱり他家受粉が良い

他家受粉の方が良いのは,遺伝子学的に明らかですが,やっぱり研究者の間でもそれは周知ですね.
つまり,遺伝子が近い種で交配したものと言うのは「劣勢」になりやすく,多くの動植物は優秀な種を残すために,自分と遠い種を求めます.

アボカドは,両性花(雄しべと雌しべが一つの花にあり)なので,一つの花の中で受粉が行われにくい工夫が生まれました.
それが,「雌雄異熟(しゆういじゅく)」というものです.
雄しべと雌しべの活動時期がずれて,お互いのタネで受粉しないようになっているのですね.
つまり,雄しべから花粉が出る時間帯は,雌しべの柱頭で受粉できなくなっています.
逆も然りで,柱頭が受粉可能なタイミングで,雄しべから花粉が出ません.

雌雄異熟の狙い!

近い血縁の種との交配・繁殖を避けるため.
新しい遺伝子と結合する機会を減らさないため.

けんゆー

アボカドは,雄しべと雌しべの活動時期の違いによって,AタイプとBタイプに別れるよ!


なので,異なる品種を混植した方が,受粉効率が上がります.
詳しくは,こちらの記事を一度読んでみてください!

おいらたちの圃場も,異なる品種を混雑して飢えております.

あっ!ちなみに,冒頭でご紹介あげた論文の結果によると,他家受粉をしたところ,純利益が2倍になったようです!

The observed average increased set of about 40% may well mean a doubling of the grower’s net profit-since fixed costs represent a large proportion of his debits.

そのため,他家受粉を効率的に行うような木々の配置の仕方を考えるべきだと言います.
別の品種が隣接しあった木々の方が,収穫量が多かったようです.

けんゆー

つまり,A型とB型を交互に植えたら良いのだね!

接ぎ木をしてカクテルツリーのようにする方法もある

Second, he can graft branches of a pollinating variety into the trees of his major variety.

自分の花以外の花粉が必要になるので,筆者は,他の品種の枝をメインの枝(一部)に継いで,カクテルツリーのようにしても良いと言います.
フェルテでの栽培だと,多くの果実が結果したと言っています.

けんゆー

一本の木から,A型とB型の花が咲くのだね!


しかし,カクテルツリーにすることによって,木から生まれる全体のフルーツの収量が小さくなる,というのもどこかの本で読んだ気もします.
受粉木がない場合には,有効なのかもしれませんね!

今回の記事もアボカドを栽培している方のためになったら幸いです!

けんゆー

読んでいただきありがとうー!


アボカドを栽培している方には,こちらの記事も参考になると思います!