- 日本で最もメジャーなマンゴーは「アーウィン」という品種!
- マンゴーはインド系と東南アジア系の系統があり,品種は600種類以上にもなる!
- 幻のマンゴーと呼ばれる「キーツ」や「玉文」についても紹介!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
おいらたち「糸満フルーツ園 けんちゃん」では,マンゴーももちろん育てています.
あの芳醇な香りと,贅沢な甘さをもつマンゴーは一度食べたらやみつきになりますよね.
別名を「果実の王様」と言われる所以がそこにはあります.この「果実の王様」という認識は日本だけではなく,世界の共通認識にもなっています.
贈答品としても高い人気を持つマンゴーなのですが,その特徴や原産,品種,本当の食べ方などを知っている人は少ないのではないでしょうか.
実は,マンゴーの品種は600品種もあるよ!日本では特にアーウィン種という赤いマンゴーが食べられているけど,世界にはもっと美味しいマンゴーがあるのだよ!
そこでこの記事では,そんなマンゴーのことをとことん紹介していきたいと思います.
マンゴーとは
マンゴーはウルシ科!アレルギに気をつけて!
意外だと思いますが,マンゴーはウルシ科マンゴー属の植物に該当します.アレルギー体質の方は注意が必要な熱帯果樹ですね.科学的に解説しておくと,ウルシオールという有毒な成分が含まれており,アレルギーがひどい場合にはショック症状を引き起こす人もいます.追熟もしくは完熟してくると,ウルシオールの含量は少なくなるため,食べるだけなら大丈夫な人も多いです.マンゴーが食べられないなんて,ちょっと可愛そうですが,アレルギー体質の人は十分気をつけてくださいね!
原産はどこ!?
マンゴーの原産は,インドから東南アジアにかけて,赤道を中心に北緯・南緯それぞれ
30度付近の間です.4000年前からインドでマンゴーの栽培がされていたという記録が残っていますが,最近の研究では,タイやミャンマー,マレー半島にかけての地域が最も古いマンゴーの原産地なのではないかと言われています.沖縄県は,露地で栽培できる北限に位置していますが,大体の農家さんはビニールハウスで育てていますね.そのほうが栽培がしやすくなります.
マンゴーの花は!?
マンゴーの花は,総状花序で小さい花がブワッと咲きますが,それぞれは両性花か雄花になります.
上の写真は,両性花の花です.
上の写真は,雄花の花です.
花の花軸の下側の方が,雄花が咲きやすくて,先端にいくに従い,両性花が多くなると言われます.
実際の圃場の様子などは,以下の動画をご覧ください.
こちらの動画は,2022年1月の圃場の様子です.
マンゴーの二つの系統
マンゴーにはざっくりと分けて二つの系統があります.
- インド系(亜熱帯系)
- 東南アジア系
インド系のマンゴーは,果物の皮が赤いものが多く,種子が単胚,交雑育種親に良いという特徴があります.
私たち日本人がよく食べるマンゴーはインド系だと思います.
アーウィンもインド系のマンゴーです.
東南アジア系のマンゴーは,果物の皮が黄色から緑色のものが多く,種子が多胚,台木品種に向いているという特徴があります.
マンゴーの栄養素と効能
以下の表に,マンゴー100gあたりの栄養素を記載しておきます.
栄養素 | 含有量 | 効能 |
---|---|---|
カロリー | 64kcal | 糖度の割に低い! |
カルシウム | 15mg | 骨や歯の形成 |
リン | 12mg | 骨や歯の形成 |
マグネシウム | 12mg | エネルギ代謝 |
鉄 | 0.2mg | 貧血改善 |
カリウム | 170mg | 高血圧予防 |
ナトリウム | 1mg | 体内の水分バランス |
ビタミンC | 20mg | 免疫力,老化防止 |
ビタミンB1(チアミン) | 0.04mg | エネルギ代謝 |
リボフラビン(B2) | 0.06mg | 脂質の代謝 |
ナイアシン(B3) | 0.7mg | 神経系,健康維持 |
パントテン酸(B5) | 0.22mg | 動脈硬化予防,ストレス緩和 |
ビタミンB6 | 0.13mg | 神経を正常に保つ |
ビタミンE | 1.8mg | 抗酸化作用 |
カロテン | 610μg | 皮膚や粘膜の健康維持!免疫向上 |
葉酸 | 84μg | 赤血球の生成・貧血改善 |
食物繊維 | 1.3g | 腸内環境を整える |
マンゴーに豊富に含まれる栄養素が,(ベータ)カロテン,カリウム,ビタミンCです.
ベータカロテンは,皮膚や粘膜細胞を健康な状態に保ったり,生活習慣病の予防に効果的です.
カリウムは,体の内側に蓄積する余分なナトリウムを排出する役割があり,高血圧症の予防に効果的です.
ビタミンCは,免疫力の向上に欠かせない栄養素で,風邪の予防などにも効果的です.
あんなに美味しい果物なのに,しっかり栄養もあるんだね!ただし,食べ過ぎ(偏食)はダメですよ!
日本各地で栽培が可能
マンゴーといえば,沖縄県や宮崎県が有名ですが,実は最低気温が15度を下回らない工夫を凝らすことによって,どこの地域でも栽培ができるようになります.つまり,温度管理がしっかりできていれば,問題ないのです.米本さんの「熱帯果樹の栽培」が最も参考になります.
日本で食べられるマンゴーは!?
日本で流通しているマンゴーはほとんど「アーウィン」という品種のマンゴーです.
宮崎県では糖度15度以上・秀品Lサイズ以上の果実に「太陽のたまご」というブランドをつけて販売していますね!
アーウィンとは!?
アーウィンは,マンゴーから香る独特な「テルペン臭」がほとんどなく,甘い香りがするので,日本人にも受け入れやすい品種です.
ここで,アーウィンの特徴について以下にまとめておきます.
・甘い香りが強く,マンゴー臭「テルペン臭」がほとんどしない.
・香りは良いが食味は淡白で初心者にも食べやすい.
・黄色い果肉,繊維が少なく,340 ~ 450 gの大きさ.
・マンゴー品種の中では糖度が低い.
・樹の上で完熟し,収穫期になると自然落下する.
アーウィンでも十分甘いと思っていたけど,糖度は低いんだね!15度を超えると太陽のたまごと同じ糖度だね!
他にも「糸満フルーツ園 けんちゃん」で栽培しているマンゴーとして玉文(ぎょくぶん)とキーツを紹介しておきます.
玉文とは!?
玉文は,アーウィンと金煌(キンコウ)の掛け合わせです.
キンコウというマンゴーは,追熟型の緑色をしたマンゴーです.
重さは大体1kgくらいあります.
こちらのマンゴーも日本国内では流通量が少ないことから,幻のマンゴーと呼ばれることもあります.
玉文も流通量がかなり少ない品種です.
台湾の台南市玉井区に住む郭文忠さんが品種改良させて作ったマンゴーです.
アーウィンよりもサイズが大きく,糖度が高いです.
手のひらに乗せると余裕ではみ出してしまうほどのサイズ感で,果実もボリュームがあります!
超贅沢だね!これをたらふく堪能できるなんて,,,!!!
キーツとは!?
こちらもかなり珍しいマンゴーだと思います.
1939年に,フロリダで「ムルゴバ」というマンゴーの実生で生まれました.
まず,皮の色が緑色なので,初めて見る人は,これがマンゴーかどうかも分からないと思います.
おいらも初めて目にした時は,これがマンゴーかどうか疑ったよ...
キーツマンゴーの特徴を以下に書いておきます.
- 皮の色が黄色〜緑色である.
- サイズが大きく,1kg程度になる.2kg近くなることも!
- 糖度はかなり高く16~19度,食味が非常に良い.
- 収穫後,追熟させて食べる.
- 収穫後10日ほどしたら果皮が柔らかくなり,香りも甘くなるので,その時が食べごろ.
マンゴーの中ではおいらが一番好きな品種かもしれない!ちなみに食べる時は,常温で食べた方が良いよ!冷やすと甘味を感じにくくなるので,冷蔵庫で冷やさずそのまま食べると,マンゴー本来の味を楽しむことができるよ!!
読んでくれてありがと!
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