【栽培者がシェア!】パパイヤ(パパイア: Carica papaya)について徹底的に解説!
この記事のポイント
  • パパイヤの雌雄の不思議を解明!
  • タネありと種無しの果実の理由!?
  • 繁殖方法は!?接木は可能なのか!?

けんゆー

ハイサーイ!


けんゆー

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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は,パパイヤについて紹介していこうと思います.
パパイヤは,僕も日頃から食べている果実です.
大体は,野菜として炒めて食べますが,時にはフルーツパパイヤも食べますし,最近ではドライフルーツなどにしても楽しんでおります.
最近では本土でも栽培がなされておりますが,沖縄県や熱帯・亜熱帯地域の人達にとってはとても身近な食べ物で,庭先に植えているご家庭も多いのかと思われます.

今日は,そんなパパイヤの基本的なこと,生理的な側面,そして栽培に関することなどもシェアしていこうと思います.

パパイヤについて

パパイヤは,パパイア科(Caricaceae)カリカ属です.
学名は「Carica papaya Linn.(=Papaya carica Gaertn.)」と言います.

学名は,二名法(にめいほう)というルールに従います.
最初のCaricaが属名で,次のpapayaが種名(もしくは種小名)となります.
二名法では,初めを属名,その次にくる後者の名を種名にするのですね.

属名のCaricaというのは,ラテン語でイチジクを表します.
イチジクの学名も「Ficus carica L.」というのですが,パパイヤの葉がイチジクの葉と似ていたことから,パパイヤの属名がcarica属になりました.また種名のpapayaは,西インド諸島の呼び名から出たと言われてます.
基本的に種小名は,その植物もしくは生物の特徴などを表すことが多いです.

原産について

パパイヤの原産は「熱帯アメリカ」と言われておりますが,いくつかの論文では,メキシコが原産であろうとされてるものもあります.その理由は,メキシコ南部あるいはコスタリカなどの中南米の地域で,いくつかの野生種が発見されているからで,それらが交雑して自然発生したものから,人間が関与する過程で良い特性を持ったものが選ばれて,現在の栽培種に至ったとされてます.

広がり

パパイヤの広がりは,16世紀スペイン人が西インド諸島から種名のpapayaという名前とともに,太平洋を超えてフィリピンに持ち込んだとされます.その後,マレーシアやインドに広がります.中国には1656年に入りました.
また,ハワイでは,現在ソロ種と呼ばれるパパイヤが有名です.1820年代に,スペイン人(マリン Don Marin氏)が導入したのが初めと言われます.そして台湾へは1903年以降にハワイ種やジャワ種が導入されており,日本へも明治あたりの導入がなされている様です.

パパイヤの木について.

パパイヤは,草本性植物に当たります.
樹木というより草という位置付けなのですね.
試しに,幹を横に切断してみると分かるのですが,断面には樹木にはある年輪が見られません.
断面は,竹の様に中央に空洞があり,スポンジのような構造をしてます.組織はとても柔らかいです.

基本的には,枝は分岐せず,一本大きく上に向かいます.
ただ,頂部の分裂組織が破壊されたり,傷がついたりすると,脇から芽が出てきて,分岐したりします.
葉っぱは,頂部に群生しており,サイズはとても大きく,掌状(しょうじょう)です.手のひらを広げたような形状をしてます.

花は!?

パパイヤは基本的には雌雄異株として生まれます.
つまり,人間の様に,オスの機能しか持たないオス株とメスの機能しか持たないメス株に分かれるということです.
しかし,オスとメスの機能をどちらも持つ両性株や,途中で変態する株なども存在します.
基本的に,栽培上歓迎されているのは,メス株か両性株です.

花に関しては,雄花や雌花,もしくは両性花など,様々な形状が見られますが,ざっと特徴を説明します.

雄花は,長い花軸があり,その先に白い花が円錐花序として咲きます.
5枚の花びらを持ちます.
オスの株を遠くからみると,葉の下に花火のように展開してる花は見応えがあります.
ただ,果実はつきませんので,よく株ごと撤去されたりします.

けんゆー

非常にレアなケースですが,雄花は退化した子房を持っている場合があり,ごく稀に結果する場合もあるようです.このあたりが,途中でオスとメスが転換したと言われるような状態なのでしょうね.

雌花は,雄花よりも若干大きいです.こちらも5枚の花びらを持ちます.
雄花と違い集合的には咲かず,基本的には葉腋あたりから一つ咲きます.もしくは2~3つの花をつけます.
品種などにもよります.また,雌花は花の基部に子房があり,これが果実として発達します.

また,雄花と雌花の両方の役割を担う両性花も存在します.

果実について

果実に関しても品種によって形状の特徴はありますが,通常は球形〜楕円形〜ラグビーボールの様な形をしたものまで様々です.断面はかなり丸いか,もしくは,五稜系のように星形になっているものもあります.
パパイヤは,トケイソウ科やウリ科と近縁種であり,果実の構造がかなり似ております.

例えば,トケイソウ科のパッションフルーツなどは内側の種子を食べますが,構造はとても似ております.
他にも,例えば,ウリ科のゴーヤーなども内側に空洞があり,構造は似ているかと思います.

けんゆー

もちろん,品種改良などの過程で,姿形が全く似てないものあるよ!


さらに,これらトケイソウ科やウリ科も,樹木ではなく,草本性で果実の中に多くの種子を含むということで,共通してるところも多いです.

単為結果性

パパイヤは,受粉によって結果率は向上するとも言われますが,一方で,単為結果性もあり受粉をしなくても果実肥大が生じます.
この場合は,種無しの果実になります.
種無しの単為結果した果実は,大体は球体のような形状になり,丸みを帯びていて肥大があまり大きくないです.
一方で,受粉が行われたものは,内側にタネが入り,縦長で,大きくなるような傾向があります.

けんゆー

もちろん,品種によっても形状の違いはあるよ!

パパイヤの酵素について

パパイヤの果実や株の中には,乳液のような白濁色の液体がとても多く含まれます.
その中に,パパインと呼ばれる酵素が含まれており,これが広く利用されます.
例えば,肉を柔らかくするために活用されたり,現地では,消化不良や消化管の疾患などに対して活用されます.

パパイヤの栽培について

パパイヤの栽培について共有します.
パパイヤの結果は早く約9~14ヶ月で結実します.
継続的な結実生成は7年程度続きますが,やはり,3~4年したら良質な果実を収穫できる割合が減ります.
そのため,新しい株へと更新をする必要があります.ただ,パパイヤの寿命は長く25年程度はあると言われます.
また,放っておくと,パパイヤは上へ上へと大きくなります.
品種にもよりますが,3年もするとかなり大きくなる場合があり,そのため,長期で栽培する場合には,切り詰めたり,曲げたりして身長を下げたりします.

栄養繁殖

一般的には,タネから育てる実生繁殖がなされますが,接木や挿木,メリクロン繁殖などの栄養繁殖もなされます.
メリクロン株というのは,生長点培養によって作られた苗のことです.
メリクロンという言葉は,meri(meristem=分裂組織)と,clone(栄養繁殖系)の言葉の合成です.

栄養繁殖である接木や挿し木なども可能ですが,繰り返し行うと成長が遅くなるということが言われているため,実生繁殖がなされます.
種子はゼラチンの様な物質に覆われているのですが,それを除いて乾燥させて播種します.

種子繁殖の注意点.

苗木が成長して,雄花のみの木であることが確認されたら,撤去します.
また,パパイヤは,単為結果性があるため,花粉がなくてもメスの株だけで果実がつきます.

そのため,強いてオスの株を残す必要はないです.

メス株の子孫を残すためには!?

メス株の種を獲得するために,面白い論文があったので紹介します.
ちょっと古いですが,1998年に沖縄農業研究会さんが出された「パパイアの育種と沖縄における可能性」というものがあります.ここでは,交配の組み合わせによってできる種に,性別が分かれるのではないか?というものです.この話は,南アフリカとハワイで行われた性決定の遺伝学的な研究からの内容ですが,一つの説として聞いてください.

性別がわかってる親を使って交配させると,得られた子孫の性別にもルールがあるとされており,それが,表1に示されております.

(パパイアの育種と沖縄におけるその可能性,出花幸之助,沖縄農業,33(1): 87-101,より画像引用)

ざっくりと説明すると,オスとメスからは,オスとメスが1:1で生まれ,メスと両性株からは1:1でメスと両性が生まれるよ!ということですが,もっと理解を深めるためには,3つの複対立遺伝子を理解しなければいけません.相同染色体上の同一の遺伝子座にある,少しずつ作用の異なる三つ以上の遺伝子群のことです.つまり遺伝子は普通,優性と劣性との2つが対立遺伝子の関係にあります.
しかし,3つ以上の遺伝子が1群の対立遺伝子になっている場合を複対立遺伝子と言い,パパイヤがそうなのです.

けんゆー

人間の血液型もABO式によって決まるのですが,これも複対立遺伝子だね!

このパパイヤの場合は,M1によってオス,M2によって両性,mによってメスが発現するようになります.上の例でいくと,それぞれの遺伝子型による性表現はmmがメス,M1mがオス,M2mが両性です.
話がややこしくなるので,今回のところはこの辺で終わりますが,またこの辺のパパイヤの性表現は次回取り上げていきたいと思います.

土壌などについて

米本先生の書籍「熱帯果樹の栽培」という書籍によると,土壌pHは5.5~6.7が望ましいとされます.
また,サンゴダストと呼ばれるサンゴの死骸の混じった土壌でも生育が良いみたいですね.
土壌水分が過剰になると,根腐れを起こしやすいので,排水の良い場所で栽培すると良いです.

それでは,本日もありがとうございます.
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