
- ブラックサポテの特徴・食レポについて!
- 別名「チョコレートプリン」と呼ばれている.
- ホワイトサポテとは関係がない!(似ているけど!)

ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
超レアなトロピカルフルーツの「ブラックサポテ(Diospyros nigra)」が手に入ったので,食レポの記事を書きたいと思います.
またブラックサポテについて色々と調べましたのでまとめておきたいと思います.
食レポに関しては,youtubeにも公開しておりますので,動画で確認したいという方は,こちらをご覧ください.

とっても不思議な食感だったよ!!
ブラックサポテとは!?
ブラックサポテの特徴についてざっとまとめておきます.
- カキノキ科(カキ,ケガキ,コクタン,クロキなど).
- メキシコ東部・中央アメリカ・コロンビア南部原産.
- 未成熟果は強烈な渋み&苦味(その時は果肉が白っぽい).
- 熟すと美味,味は柿とカカオと何かを混ぜた味.
- 食感は羊羹(ようかん)に近い.
- 雌雄異株(シユウイシュ).雄の木と雌の木が分かれる.
- 種まき後,約30日で発芽,土壌はあまり選ばず.
- 超希少なフルーツ,インターネットで種は高単価.
ブラックサポテは中央アメリカ原産の果樹で,現在は,フィリピンやインドネシアなどのアジア圏,ブラジルやハワイなど,世界中の多くの熱帯地域で栽培されています.
熱帯低地での栽培が適しており,沖縄でも十分露路で育ちます.僕らも露路で育てていますし,沖縄県のアルカリ質土壌(ジャーガルや島尻マージ)やヤンバルの赤土でも十分育ちます.
また,市場に果物があまりない真冬の時期(1~2月)に収穫できる貴重なフルーツです.
ブラックサポテは,カキノキ科で,日本で流通しているカキと同属なのですが,果実はカキとは全く異なります.その果皮は緑色で,きちんと完熟すると果肉の色がチョコレート褐色〜黒色になります.
ちなみに,カキノキ科同属(Diospyros属)のケガキ(Diospyros discolor)は熱帯果樹です.
上の写真は,以前,熱帯ドリームセンターにいった際の写真です.
この記事のポイント 匂いはきついがとても美味しいフルーツ(賛否有り). 驚くべきほど,糖度が高い! 柿のような …
食レポもしたので,ぜひご覧ください.
食レポ
早速食べてみたのですが,新食感にまず驚きます.
羊羹みたいな食感で,独特な柔らかさがありました.
これが天然のものなのか,というくらい,下処理がちゃんとされてて舌触りが心地よいものになっておりました.
ちなみに,ホワイトサポテというフルーツがありますが,それとは全く別物です.
上の写真はホワイトサポテです.
ホワイトサポテの食感は本当にプリンみたいでした!笑
とても強い甘味があり,カスタードとプリンを混ぜたような感じだったのですが,ブラックサポテはプリン感はないです.
そもそもホワイトサポテはミカン科,ブラックサポテはカキノキ科なのですよね.
果樹のグループが異なるのです.
ブラックサポテは,別名,チョコレートプリンとか,チョコレートカキとか呼ばれておりますが,今回食べたものに関しては,チョコレート感はありませんでした.
特に強い甘味はなく,くどくない味です.
若干の柿とカカオ?,もしくはコーヒー的な何か混ぜたような味です.
それに+α,何かしら独特な味がありました.

カカオが渋いのは重々承知だよ!笑
ブラックサポテは.完熟させないと美味しくないと聞いていたので,今回はギリギリまで追熟させました.
クライマクテリック型のフルーツは全てそうですよね.
例えば,カニステルも「金捨てる」と呼ばれているくらい,あまり美味しくないと言われておりますが,実は超完熟させると美味しいのですよね.
ブラックサポテも,このくらいまで熟させると,美味しいのですよね.
種の周り(種皮)はかなり柿っぽさがありました.
柿の風味があり,味もかなり柿に近かったです.
種は播種したいと思います.
糖度も計測してみました.
大体13度程度かな?と思います.
メモリがはっきりとしていなくて,かなり見えにくのですが,糖度は上の写真のような感じでした!
こちらは,2024年12月29日に,ヤンバルの知り合いの園地で収穫したブラックサポテですが,それなりに美味しかったです.
以下も,同じくヤンバルの同じ園主の方の他のブラックサポテの木ですが,以下の果実は小ぶりでしたが,上の品種より味のりは良かったです.
収穫時には,すでに果実が若干柔らかくなっており美味しかったです.
上の写真は,2024年12月5日で,沖縄県のとあるファーマーズに11月に販売されたものが追熟されたものです.
こちらはより一層甘味がなく,残念な味質でした.
玉石混交の果樹
ブラックサポテは,滑らかな食感とほのかな甘さ,カカオのような風味があることから別名「チョコレートプリン」という愛称で呼ばれています,
ただ,沖縄県ではタネから増やされているため、果実品質は玉石混交です.
全然チョコレートの味がしないやん!というものや,後味が生臭いものもありますが,美味しいものは美味しいです.
美味しいものもあれば,あっさりしていて物足りないものも多いです.
美味しい果実は,良い意味で味しつこく,しっかり濃厚で,食感が滑らかく,自然が作り出したチョコレートプリンのようだと驚きます.

ぜひ,機会があれば食べてみてね!
果肉がとても柔らかいので,果実は真っ二つに切って,プリンのようにスプーンですくって食べるのがおすすめです.
食べごろが難しく、さらに未熟なブラックサポテは毒である!
ブラックサポテを紹介する際は,未熟果の危険性についても紹介しなければいけません.
ブラックサポテは,食べごろがとても難しいです.未熟な果肉の状態は,色が黄色っぽいので,一度切ってみるとわかるのですが,追熟で果皮の色もそんなに変化がないため,食べ頃の判断が難しいのです.
しっかりと柔らかくなって食べましょう.未熟なものは,タンニンの影響で,驚くほど渋みが強く,口内が激しい痛みに襲われので注意が必要です.
僕も一度体験したのですが,口内の激痛に加え,1~2時間ほどピリピリしました.今も使われているがわかりませんが,西インド諸島やフィリピンでは,未熟果を砕き,水に投じて魚を麻痺させて捕まえる魚毒として使われていたようです.
日本の渋柿などは,水溶性タンニンの影響で,渋みが感じられますが,きっとその影響があると思います.
追熟の過程で,徐々に,水溶性タンニンが徐々に溶けにくいようなものに変化し,さらにクライマクテリック型の内側のデンプンが糖に変換される特徴もあり,渋みが甘味に変わるのだと考えます.
つまり,ブラックサポテが完熟すると,果肉内のタンニンは不溶性の形態に変化し(この仕組みは渋柿(カキ)のようなもの),果実内で生成されるアセトアルデヒドがタンニンと結合し,不溶化することで渋みが感じられ無くなると思います.
ブラックサポテでも同様の化学反応が起き,果肉が滑らかで甘い状態になります.
完熟後のブラックサポテは、濃厚でクリーミーな甘さを持ち、そのまま食べるだけでなく、スムージーやデザートの材料としても楽しめます。
また,収穫時期も大切なのですが,木に置けばおくほど,果実中のタンニン含量も減少することは知られています.収穫が早ければ早いほど,タンニンも抜けにくくなるのでしょう.
ちなみに,ブラックサポテのタネはこんな感じです.
良質な苗をたくさん作りたいなぁー!