薬剤を使用しない8つの病害虫の防除について!【有機農業】
この記事のポイント
  • 農薬を使わずに病害虫を対策する方法について!
  • 品種や作付け時期,輪作や混作を上手く取り入れる.
  • 肥料や堆肥の上げすぎにも注意!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「農薬を使用しない8つの病害虫の防除」というお話をしたいと思います.
有機農業とか自然栽培をされている方は,化学農薬が使用できませんから,ありとあらゆる手で,虫の防除をすると思います.僕自身も,有機栽培および自然栽培をしているので,今回ざっと,どのような方法で,虫を防除し,作物を育てていけば良いのか,ということについてまとめてみました.

今回も学術論文を参考にさせていただきました.
日本応用動物昆虫学会の2018年の論文です.タイトルが「混作,間作による有機キャベツの虫害軽減」です.赤池一彦さん,山梨県総合農業技術センターの方ですね.

8つの虫の防除方法

有機栽培で安定的に作物を生産していく際には,虫の防除が必要なのですが,本論文によると,8つの事項が重要であると述べられております.

  1. 品種:栽培のしやすい品種を選ぶ.収量性と耐病性,作付け時期や場所などにあった品種.
  2. 時期:病害虫の発生が少ない時期に作付けをする.例えば,葉菜類だと春や秋の作付け.
  3. 輪作:輪作による連作障害や土壌病害の未然回避.
  4. 設備:簡易雨よけの設置.防虫ネット4mmネットなどで,チョウ目の虫を防除.果菜類の裂果防止.
  5. 栽培方法:通路幅の拡大.栽植密度の改善,これにより風通しや採光性の確保.
  6. 連続作付け:多品目の作付けや播種期に幅をもたせた連続作付け,これにより,天候不順や病害虫発生リスクの分散.
  7. 堆肥・肥料:堆肥や有機質肥料などの性質や肥効の違いを考慮した使い分け,施肥量の調節.
  8. 混作:混作や間作,雑草草生の利用

などが挙げられます.
多いですね.

品種選びや輪作について

やはり,品種選びは大事なのかもしれないですね.

輪作などに関しては,以前論文解説をしたのですが,例えば「スイートコーンとキャベツの輪作で,根こぶ病が減る」など紹介しました.

これは,youtubeの再生リスト論文解説系からみられると思いますので,ご参考にしてください.
その時にも,言いましたが,品種にもよります.耐病性の高い品種輪作コンパニオンプランツでも相性の良い,品種などもあります.

アボカドにも,例えば炭そ病や比較的虫の被害に遭いやすいベーコンなど,塩害に弱いメキシコ系とか,品種によっても特性があります.
栽培する環境や場所にもよると思います.


他にも,作付け時期というのもあります.
旬の野菜というのは,やはり育てやすいのですよね.
旬の野菜の見分け方は,結構簡単で,僕がやっている方法や,スーパや直売店に行って,野菜の値段を見るですね.安いものほど,旬で美味しいです.育てやすい時期の野菜ほど,虫がつかず,美味しく,たくさん出回るので,安い,野菜の値段は,味ではなく,供給量の関係なので,安いものほど美味しいですからね.

沖縄だと,今だと例えば,ブロッコリーとかキャベツとか,一玉100円ですからね.
なので,作付けは,2~3ヶ月前ですね.
こういう風に,探していけば,その土地にあった,野菜というものがわかると思います.

肥料や堆肥について

肥料とか堆肥はやりすぎは良くないですね.
窒素分が多いと,例えばアブラムシがわくとか,こういったことがあります.

連続作付け

他にも,連続作付けという方法もあります.
播種時期をずらして,環境由来の不確定要素のリスクを回避するものです.
例えば,一時的に雨が続いたりしたら,病害虫の発生リスクや水腐れなどがあるので,同じ品種でも2週間ずつとか,ちょっとずつ,収穫時期をずらす方法もあります.

薬を使わずに育てるというのは,やり方が結構あるので,不可能ではないと思います.

科学が発展した近代農業は,いかに生産性を上げるか,そして均一性を保つか,というところを目的としているので,その目的を達成するために,化学合成農薬化学肥料に依存するやり方が主流です.これも非常にすごいことですよ.例えば,旬が外れてスーパーにならず作物なんかは,その功績です.

しかしながら,近年は,持続的な農業を展開しようという流れが加速してきているように思えます.
農作物生産の安定化とともに,圃場を取り巻く自然環境の維持や保全が,大切であるという考えが徐々に出てきていると思います.

論文などを読んだり,現場でされている人と,会話をしても思うのですが,
有機農業をされている方の,野菜を作るときの対応力とか観察力は凄いものがありますよね.
そもそも,問題があった時に,薬を使おうという発想自体がなく,
やはり,虫や野菜,環境のことを深く考えて,改善を重ねていくっていうのが,凄いですよね.

常々申し上げておりますが,慣行や,科学の社会貢献も凄いですが,有機の知恵とか深い洞察もすごく関心の高いことが多いので,うまくお互いの良いところを取り入れて,野菜作りをしていけたら良いのではないでしょうか.

本日は,「農薬を使用しない8つの病害虫の防除について」ということについてお話しさせていただきました.

けんゆー

ラジオもやっているので,ぜひ聞いてみてくださいー!