- 最近話題のゲノム編集トマトについて解説！
- ゲノム編集というものは実は歴史がある技術！
- 私たちはゲノム編集とどう向き合っていけば良いのか？
ハイサーイ！
こんにちは．けんゆー（@kenyu0501_)です．
本日は「ゲノム編集トマト」について取り上げたいと思います．
国内で初のゲノム編集食品として厚生労働省から認められた食品のトマトですね．・
このトマトって一体なんなのか？従来のトマトと違って何が良いのか？そしてゲノム編集，そして私たちはゲノム編集にどう向き合っていけば良いかについても触れていきたいと思います．
厚生労働省が12月11日に認めたゲノム編集食品
ゲノム編集食品として販売を認めた，国内初の食品は，トマトになりましたね．
もちろん，これはアメリカではすでにいくつもの食品が当たり前のように出回っておりますし，日本でもこれは序章に過ぎず，向こう5年ほどで当たり前になっていくでしょうね．
江面浩（エヅラヒロシ）教授はずっと携わってきた！
このトマト，ポッと世の中に出てきたわけではないのですね．
実は，この江面教授，筑波大学の教授，このゲノム編集トマトの第一人者ですが，長年やってきているのですね．すごいですね！
ゲノム編集トマトの魅力は，GABAの含有量の多さ！
通常のトマトよりも4~5倍の量のGABAが含まれているのが魅力です．
GABAは全部の植物にもありますが，元々のトマトにもGABAは含まれているのです．
トマトの中にあるGABA生成を抑制する遺伝子を取り除いて，通常のトマトよりも多くのGABAが含まれているトマトを人工的に作れる！というものです．
報道では，とにかく血圧を下げると言われているものですね，
GABA，正式には，γ-アミノ酢酸（Gamma AminoButyric Acid）というアミノ酸の一種です．
GABAというのは，脳の中枢神経で働く，神経伝達物質なんですよね．
神経の高ぶりとか，興奮を抑制する効果があると言われております．
例えば，興奮状態になると，脳内のアドレナリンが活発に分泌されますが，GABAは，このアドレナリン分泌を抑制する効果があるんですね．
興奮すると，血圧というのは上がりますから，この血圧を下げるということがあります．
他にも，リラックス効果なども期待できます．
ゲノム編集技術
今回のゲノム編集には，クリスパーキャス9という技術が使われております．
今年，ノーベル化学賞で，「クリスパーキャス9」と言われるゲノム編集技術が選ばれたのですが，ご存知でしょうか．
キャス9という人工酵素，これはDNAの螺旋を切断するものと，ガイドRNA（クリスパー）という，DNAの切り出す特的の部位を探し出すものの，技術が選ばれたんですけど，これ実は，2012年の論文で，ゲノム編集自体，かなり歴史があるんですね．
ゲノム編集自体も，はじめの応用は放射線でしたが，1950年ほどですからね．歴史があります．
ゲノム編集とはなんなのかを簡単に解説したいと思います．
一般的には，細胞の中にはDNA（デオキシリボ核酸）がありますが，このDNAを切断して遺伝情報を取り除くことにより，突然変異が誘導されるというものです．で，それが切断されたものが修復されることにより，編集されるというものですね．
今説明したものは，ノックアウトというもので，ノックインというゲノム編集もあります．
ノックインは，別の遺伝情報を挿入することで，遺伝子を改変するのですが，このノックインは，厳密な定義は違うのですが，遺伝子組み換えの領域にあたるとして，日本では認められていないと思います．
何が起こっているかわからないから危険だ！という考えは捨てよう．
このような遺伝子情報を扱う最新の技術が世の中に浸透するときには，こういった声が上がります．
「何が起こるかわからないから危険だ！」
こういった声ですね．
もちろん，こういったイメージを持つことへの理解はわかります．
ただ，僕自身は，そうは絶対に思わないのですよ．
確かに，新しい技術における安全性の議論，倫理基準の議論，問題は多いです．
ただ，そこを明らかにしていくのが，私たちなのですね．
ただ，知らないものは危険だ！という発想は，進歩を止めます．
危険だ！ではなく，何の因子が，何に悪い影響を及ぼすかを追求しないといけない．
科学というのは，新技術の悪影響を洗い出す作業で，その結果，その世の中をより便利にしていく道具が作られていくのですね．
何事も危険だ！では，絶対に前に進まないです．
なので，「何が起こるかわからないから危険だ！」はあまりいって欲しくないです．
僕自身は，ゲノム編集自体が，賛成か反対かではなく，問題点はどこだろうとか，悪影響はどのようなものだろう，という明確な科学的情報を知りたいのですね．
飛行機なんて，鉄の塊が人間をたくさん載せて，空を飛んでいるわけですからね．
ライト兄弟が動力飛行に成功したのが1903年ですから，120年前の人が，2020年にワープしてきて，旅客機に乗り込んでくれ！と言われたら，危険だ！というでしょうね！なので，2020年に生きている僕たちは，科学を受け入れ，みんなで進化をさせてきたんですね．
僕自身も，実はゲノム編集，期待して，認めている反面，批判的に見ているんですよ．
悪影響があるんじゃないのか，というのをきちんと言語化できるような粗探しをいつも論文を読みながら探してます．これはちょっとした癖です．僕自身の知識量も，足りないので，正解がわからないといったことが多いです！
