卵の殻は畑に入れるとどのような効果が期待できるのか!?石灰やカルシウムの話.
この記事のポイント
  • 卵の殻は,カルシウムの補給と土壌改良効果がある.
  • 堆肥化や細かく砕く工夫が必要.
  • 初心者の方には,卵の殻のような有機石灰がオススメ!

けんゆー

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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「卵の殻は畑に入れると良いのか?そしてどのような効果が期待できるのか」というお話をしたいと思います.
卵の殻も,よくご家庭で出る有機物の一つですね.
これまで,コーヒー粕は生育阻害があったり,窒素飢餓を起こすのでやめたほうが良い!とか,木酢液は殺虫効果は薄いなどお話させていただきました.


では卵の殻はどうなのか?ということですね.

結論から言うと,卵の殻は良質な「カルシウム分」になります.
そして,酸性に傾いた土壌の改良ですね.
この2つの狙いがあるのであれば,卵の殻を活用するのは非常に良い選択であると考えられます.
今回は,それぞれの利点と注意点を深掘りをしていきましょう.

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そりゃそうだ!pHは測ろうね!

カルシウム分の補給.

まず,カルシウム分は植物の成長に欠かせない栄養素の一つですね.
3大栄養素の窒素・リン酸・カリの次に大事だ!とも言われており,細胞壁の原料になったり,作物の色づき,さらに受光態勢が良くなったりしますね.

カルシウム不足になると,トマトやピーマンであれば尻腐れ病,白菜などは芯腐れ病,他にも葉っぱのチップバーンといって,先端が焼けたようになります.イチゴなどで多いと聞きます.
しかし,過剰も良くないですね.
カルシウムの過剰では,だいたい土壌がアルカリ性に偏っているので,他の養分の吸収ができなくなり,鉄,マンガン,亜鉛,ホウ素などを吸収できなくなることがあり,色づきが悪かったり,生育障害が起きたりしますね.

適度に入れていただけると良いのかなと思います.

しかし,卵の殻を直接畑にまいたとしても,作物は吸収できませんから,一度堆肥化,微生物に分解させてから使うか,めちゃくちゃ細かく粉末状にして使うということが必要です.


牛糞とかも直接畑に入れず,一度堆肥化させて,発酵させてから使用することが普通ですが,全ての有機物は全て小さい分子に分解しないとその効果はありません.
なので使用前には,米ぬかや籾殻などに卵の殻を入れて,堆肥化させて使うと良いですね.

また細かくして畑に入れる場合も,株元ではなく,多少離してあげると良いです.

卵の殻の主成分は「炭酸カルシウム」と呼ばれるものです.
94%はこの「炭酸カルシウム」で,ほぼ,炭酸カルシウムといって良いほど度合いが濃いです.

この炭酸カルシウムは,水に溶けにくいカルシウムであると言われております.
土壌溶液や,根酸,微生物がだす有機酸に溶かされて,ゆっくり作物に吸収されていきます.

土壌改良:酸性に傾いた土壌の改良

また,土壌改良の効果もあります.
酸性に傾いた土壌のpHをあげる役割ですね.
日本の土壌は,雨や肥料,植物が生育する過程で,土のpHが下がり酸性に傾きがちです.
(詳しくは「日本の土壌はなぜ酸性に傾くのか?」をご参照ください.)


そのため,石灰を散布して酸性に傾いた土壌を改善するということがなされます.
この時に,使われる石灰の資材として活用できるのですね.

石灰にも多くの種類があります.

例えば消石灰,生石灰など強いアルカリ性を示すものがあります.
速やかに酸性土壌の改良,そして,値段も安いので良く使われますが,消石灰とかは取り扱い注意ですね.
目に入ると結膜炎,皮膚がかぶれたりする人もいます.
消石灰は水酸化カルシウムが主な成分ですが,かつては, グラウンドのライン引きの材料でも使われていたものです.
現在は,安全面を考慮されて,現在は炭酸カルシウムを使用している場合が多いです.

注意点:土が硬くなる

また,アルカリ性の強い消石灰などを多く使用すると,土壌の団粒が壊れてしまい,土がしまって固くなっていきます.
なので,石灰資材を使い慣れてない方は,炭酸カルシウム由来の,有機石灰などがオススメですね.
アルカリ性があまり強いものではないですが,卵の殻だけではなく,牡蠣殻ホタテの貝殻サンゴの化石などもあります.
有機農業の方は,化学的処理を行っていない天然由来の,このようなものを活用すると良いです.

酸性土壌の中和に,多少時間がかかりますが,その分失敗も少なく,土が硬くなることもないのでオススメです.

今回は,卵の殻が活用できるのか,と言うお話でしたが,カルシウムの供給や土のpHの改善を目指すなら良質なものであることをお話しました.
目的に応じて,必要であれば,卵の殻を堆肥化,もしくは細かくして使っていただくのですが,やはり,期待される効果を知ると,使いやすくなりますよね.

最後まで読んでいただきありがとうございました.
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