C/N比(炭素比)とは!?理想の値は!?有機資材を選ぶ際の参考に!
この記事のポイント
  • 有機物資材のカタさ,やわらかさを表す指標!
  • C/N比が大体20程度が理想の値.
  • 炭素にも,易分解性や難分解性などもあるので注意!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

前回は,団粒構造とは何か?そして,マクロな団粒とミクロな団粒の2層構造が水はけと水もちに良いこと,さらに,マクロ団粒を支える糸状菌,さらにそれを維持するための有機物についてのお話をしましたね!


団粒構造のマクロな部分を形成するために,糸状菌の働きが,重要であるとお話させていただき,その糸状菌の餌となる有機物が必要であることをお話しました.
今回は,その有機物のお話で出たきたC/N比について深く考えていきたいと思います.
カタイ有機物とか,柔らかい有機物とか,そういったお話です.
まあ,今回は,ぜひ,このC/N比だけでも覚えていきましょう!

C/N比とは!?

C/N比というのは,炭素比とも言いますけれども,その有機物中に含まれる炭素と窒素の比です.
炭素はカーボン,窒素はニトロジン,それぞれの頭文字をとったものです.
N分のCと書きますが,つまり,有機物中の全炭素を全窒素で割った値なのですね.

このC/N比は,分解の難易,肥効の現れ易さ,また,たい肥の腐熟程度などを評価する際の指標です.
有機物のカタサ,もしくは柔らかさを数値でパッと理解するのにとても便利な数字です.

僕流のC/N比の覚え方を紹介しておきます.
基本的には1以下にならないです.つまり,窒素に対して炭素の方が絶対に多い.
焼いたら炭になりますもんね.

竹とか大体,C/N比が280ですからね.
窒素の280倍も炭素が入っています.竹はカーボンです.
よく工業製品,ロケットとか高級車のボディなどに使用されるカーボンファーバー,CERPなどは,アクリロニトリルと呼ばれる有機化合物を使用して,炭素繊維を作ってます.

けんゆー

大学では,もともと航空宇宙を専攻していた工学系なので,カーボンにちょっと熱くなってしまったよ!笑

資材の例

どんな資材がどのくらいのC/N比なのかを確認していきましょう!
高い順から紹介します.

  • 竹・・・280
  • もみがら・・・80
  • 麦わら・・・70
  • 剪定枝・・・60
  • 木の葉・・・45
  • 米ぬか・・・20
  • 牛糞・・・15
  • 鶏糞・・・5
  • 油粕・・・5
  • 魚粕・・・4
  • 生骨粉・・・2(2.19)

生骨粉に関しては,「環境庁土壌農薬課調べ、1992」であります.
また,これら上の値は,ざっくりとした例であり,その場所で育てたもの,木の種類,品種の違いによってもばらつきがあります.

理想C/N比

C/N比の理想的なバランスは20~25程度だと言われます.
それよりも高いと,カタイ有機物,それよりも低いと,柔らかい有機物だと言われます.
カタイ有機物とはいえ,ゆっくり分解されて,長持ちするエサと考えたら良いですが,作物を最終的に育てるには,ちょっと工夫がいるかもしれないです.
また,柔らかい有機物は,短期間で分解が進み,長持ちしないものです.
そのため,C/N比の理想は,20程度だと言われております.

CとNの役割

有機物というのは,微生物・菌たちのご飯なのですね.
有機物の投入がないと,微生物は一向に増えません.

この有機化合物の炭素化合物をエネルギーにして,窒素化合物を分解し,自身のタンパク源にしたり,数を増やしたりします.
理想はC/N比が20程度なので,,炭素20に対して,窒素が1という感じです.
それに,効果が長持ちするように,ちょっとカタメな有機質材料を入れたら良いのではないでしょうか.

土作りで,米ぬかや枯れ草,もしくは牛糞や鶏糞を入れる方も多いのはそういった理由ですね.
牛糞は,肥料効果というよりも,土壌の団粒化や土の物理性を改善する目的で入れられることが多く,豚糞や鶏糞などは,肥料効果を期待して入れる人が多いと思いますが,この辺の具体的なお話は,また今度どこかでいつかやりたいと思います.

カタイかやわらかいはC/N比だけではない.

最後に,ちょっとだけ注意しておきたいことがあります.

けんゆー

頭の片隅にでも入れておいてもらえると良いと思うのですが...


C/N比の資材の例で,ムギワラが70,剪定枝が60と申したのですが,しかし,感覚的に剪定枝の方が,分解されにくそうですよね.
この感覚は正解です.あそこで,ん!ってなった方,結構おられたと思うのですが,実は,カタイ有機物,もしくはやわらかい有機物には,C/N比以外にも要素があります.

易分解性有機物(いぶんかいせいゆうきぶつ)か,難分解性有機物の違いです.
素材そのものに,分解されやすい炭素(タンパク質,脂質,ヘミセルロース)といったものが多く含まれているので,炭素分としてC/N比が高くなるというものです.
一方で,剪定枝は炭素分は少ないですが,セルロースやリグニンなどの分解されにくい炭素が含まれてます.

この易分解性有機物か,難分解性有機物も大事なのですが,覚えることが多くなるので,頭の片隅にでも,そういった要因があるんだ!ということにしておいてください.
土作りをする際に,有機物を入れる方が多いと思いますが,今回のC/N比というお話が参考になれば幸いです.
資材を購入する際に,袋に書いてあることが多いので,ぜひ,チェックしてみてくださいね!