土壌pH(水素イオン濃度)とは!?酸性だと害が出る!?アルカリ性だと害が出る!?何が悪いの!?
この記事のポイント
  • pHとは,水素イオンの濃度による.
  • 作物の栽培に適しているおおよその値はpH5.5~6.5.
  • 低すぎても高すぎても土が養分を融解しない.

けんゆー

5回も聞いてくれてありがとー!YouTubeでもラジオやってるのでよろしくね!


けんゆー

今回は基本的なことかもしれないけど,実はかなり大事なこと!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は,畑を耕しているとよく耳にするpHについてお話をさせていただきます.

けんゆー

ピーエイチとか,ペーハーとか,いろんな呼ばれ方があるね!


pHとはなんなのか?野菜を育てるのにpHはどのような影響があるのか?また適正な値や,低すぎたり高すぎたりするとどのような影響が出るのか,ということについてお話をしていきたいと思います.
聞いたことがあるだと思いますが,復習程度に思い出していただけると幸いです.

pH(水素イオン指数)とは!?

小学6年生の時に,リトマス試験紙を使ったpH測定実験をしましたね.
水溶液にリトマス紙をつけて,青色のリトマス紙が赤くなれば酸性,逆に赤色のリトマス紙が青くなればアルカリ性といった具合です.

けんゆー

若干覚えているよ!!


このpHというのは,溶液の酸性・アルカリ性度合いを示す数字なのです.
pHはpotential of hydrogenといいまして,水素イオン指数と訳されます.

厳密には,水素イオンH+と,水酸化物イオンOH-の濃さ,濃度によって決まります.
水素イオンH+がOH-よりも濃い時に,酸性を示します.

水素イオン濃度はモルという単位が使用されております.
このモルというのは,多数のイオンをまとめた単位で,だいたい1モルが6×10^(23)個です.

そして,このpHというものは,一般的に0~14程度まであり,間の7が中性を示します.
pH7というものは,10の7乗分の1モルに相当します.これが真ん中です.

水素イオンの数が10倍に増えると,pHが1下がります.つまり,酸性に1傾きます.

けんゆー

逆数になっていてとてもややこしいね!


ざっくりとですが,身の回りにある水溶液のpHをご紹介します.

  • 胃液 ph1
  • レモン汁(クエン酸) ph2
  • お酢(酢酸) ph3
  • コーヒーブラック(カルボン酸)ph5
  • 雨水(二酸化酸素) ph6
  • 純粋な水 ph7
  • 海水 ph8
  • 石鹸水(脂肪酸) ph10
  • アンモニア水 ph11
  • 石灰水 ph12
  • アルカリ乾電池の電解液 pH14以上

となっております.ざっくりとpHのあたいの目安が理解できたら大丈夫だと思います.

けんゆー

酸性は酸っぱくて,アルカリ性は苦い!笑

野菜を育てる時に気をつけるべきこと

実は野菜や果樹などが健全に育つための適正なpHの値というものが存在します.
これは,作物によって異なりますが,だいたいはpH5.5 ~ pH6.5 付近のちょっぴり中性から弱酸性に傾いた土ですね.

けんゆー

家庭菜園で作物を育てている人も気にしてみると良いかも!!


沢山の作物があるので,適正pHをその都度覚えるのは,至難の技です.
なので,だいたいの作物は,pH5.5 ~ pH 6.5と覚えてしまって,酸性を好む作物などを個別で覚えていくと良いと思います.
例えば,ブルーベリーや茶,パイナップルなどは酸性の土を好みますね.
ホームセンターでブルーベリー専用の土を見にいったら,pH4.3程度でした.

また,pHが7付近で,ホウレンソウやエンドウ,アスパラなどは生育します.
強いアルカリ性土壌でもなんとか育つことは育つようですが,それを好むというわけではないでしょうね.

では,なぜpH5.5 ~ pH6.5 付近のちょっぴり中性から弱酸性に傾いた土が適正なのかというと,養分の溶けやすさに関係しているからです.
pH5.5 ~ pH6.5付近が,土壌養分が上手く溶け出し,野菜の生育の良い状態になるのですね.

野菜の生育には,3大栄養素のチッソ・リン酸・カリウムの他にも,カルシウムやマグネシウム,鉄とか銅,マンガン,イオウ,ホウ素,などそういった微量要素も必要になります.

アルカリ性が高すぎると,,,

アルカリ性を好む作物が少ない理由は,多くの微量要素が溶け出さないということがあります.
例えば,マンガン,鉄,銅,亜鉛,ホウ素などの微量要素が溶けなくなり,溶けないと植物が吸収できないのですね.
なので,しばしば,微量要素欠乏症などといって,野菜の色素が抜けて徐々に白っぽくなってくる場合がありますが,pHが高すぎる,もしくは低すぎるなどの要因で,微量要素が上手く溶けていない可能性が考えられますね.

また植物がこのような微量要素を吸収できないと,土壌に蓄積される場合があります.
そして,ハウス栽培などで,雨が当たらない土壌ですと,土壌に微量要素が蓄積されます.
そんな土に灌水をすると,水の蒸発とともに,養分が上がってきて,土の表面に残り白っぽくなります.
「塩類集積」というやつですね.

拮抗作用とは!?
また,適正pHだが,肥料の過剰投与により逆に養分を吸えなくなる拮抗作用もあるので,注意が必要です.
やりすぎもだめなのですね.いろんな原因があるので,ちょっとずつ勉強しながら野菜を育てていきましょう!

酸性が高すぎると,,,

逆に酸性が高すぎると,土壌のアルミニウムが溶け出してきます.
このアルミニウムは,作物にもよりますが,根っこを傷つけるものが多いのです.
お茶やブルーベリー,アジサイなどのように,根っこが傷つかないものありますが,一般的にはあまりよろしくないですね.

また,このアルミニウムが,土壌中のリン酸を固定してしまうのですね.

けんゆー

前回の「茅」,火山灰土壌のお話でも,このリン酸の固定の話題は出てきたね!以下の記事はオススメだよ!



リン酸は作物の生育に必要な3大栄養素でした.
また,phが下がりすぎた土壌には,石灰や草木灰,牡蠣殻などを入れると良いなどとも言われますが,このような土壌改良のお話についてはまたいつか,どこかでやりたいと思います.

本日は,pHというものと土壌養分の関係の,お話をさせていただきました.
聞いたことがある方が多いと思いましたが,復習程度になれば幸いです.

けんゆー

知識は栽培技術を育む