黄昏時の赤い光の効果は植物にとって非常に重要なものだった!
この記事のポイント
  • 光周性による影響について解説!
  • 花が咲くかどうかは赤色の光が重要である.
  • アイリスや大豆の花を使って具体的に解説!

けんゆー

私たちの取り巻く環境は良くできているね!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

最近は,日の時間が長くなり,20時近くまではギリギリ作業ができます.
あまり遅くなると,ハブが出てきそうなので,19時前には帰宅をしますが,畑から帰る直前の空の景色には心が奪われます.

黄昏時の,太陽が沈みゆく西の空,赤色よりも深い赤色(遠赤色光)がおいらたちの1日を包み込みますね.

赤色の光は,じわーっと心があったかくなりますが,同時に植物もこの沈みゆく遠赤色光の太陽を見て,何を想っているのかな?と,ふと考え始めて,早速家に持ち帰り調べると面白いことが分かったのです.

光周性についての理解

赤色の光というのは,植物の成長に大きく関わります.
植物というのは,光周性(こうしゅうせい)を持っていて,1日の日照時間の長さによって,花が咲いたり咲かなかったりする性質を持ちます.

ここで大事なのは,赤色の光です!
赤色の光を当てることで,植物(花芽)の成長は決まります.
おいらたち人間は,赤信号で止まれですが,植物にとっては進めだったりします.

さて,ここで,ちょっぴり光周性のお話をします!

日が短くなると花が咲くものは,短日性と呼ばれ,コスモスなんかが有名です!

逆に,日が長くなると花がさくものは,長日性と呼ばれ,アイリスやオオムギなどが有名です.

けんゆー

上の花はアイリスの花だよ!


なので,短日性の植物は日の出が短い,秋や冬に花が咲きます.
菊やコスモスは秋頃の花なのですね.
(夏菊というものもありますが,多く栽培されているのは,秋菊です.コスモスも人気がある花なので,品種改良のもと,「夏咲き」するコスモスも生まれています.)
(長日性のアイリスやオオムギは冬が去った後,4月以降の春から花が咲き始めます.)

ここで,秋咲の菊をもうちょっと深掘りして取り上げてみたいのですが,電照菊(でんしょうぎく)ってありますよね.

沖縄県では,至る所で栽培されていて,愛知県に次ぐ栽培量を持っています.
かりゆし58にも「電照菊」という歌があるので,わりと有名だったりします.
(冒頭の歌詞→「電照菊の光よ,夜の帳を照らしてくれないか!」,,,という歌ですね.)

で,その電照菊なのですが,22時から26時くらいまで,夜間電照されるのですよね.

で,その電照される時期はいつかというと,花芽が自然形成される5〜8月に電照します.
ん!?なんで,その時期になんでわざわざ夜間電照するの!?

と,思われるかもしれませんが,これ,実は,短日性の性質を逆手にとって,花が秋に咲かないようにしているのです!!!

何もせずそのまま花を咲かせたら,一斉に秋に咲いて,夏の収穫ができなくなるので,秋の間は電照させて,花芽の形成を一時的に遅らせているのですよね.
そうすると,春先でも菊が取れて,いつでもお葬式のニーズに応えることができます.

花を咲かせたい時には,電照菊の光は付いていないのです.

電照菊の光は,花を早く咲かせるために使っているのではなく,花を遅く咲かせるためのコントローラーとして使われているのです.

ちょっとした豆知識ですが,日本では,お葬式で使うという需要がありますが,オーストラリアでは,母の日にあげたりします.日本では母の日はカーネーションですけどね!オーストラリアは,南半球なので,菊の時期がちょうど日本と逆なのですね.国の文化って気候が支えていたりするのですね.

赤色のお話

けんゆー

植物には「フィトクロム」という光を感知する受容体があるよ!


ここで登場する赤色の光には2種類の色があります.

・赤色光
・遠赤色光

の2種類ですね!

より波長が長い方が遠赤色光で,夕暮れ時のあの深みのある赤さが,遠赤色光になります.

先ほど解説した,植物には光周性がありますが,1日の日照時間の長さを,この赤色光遠赤色光で計算しているのです.

赤色は,花芽の形成に最も深く関わっている色です.
赤色の光をどのくらいの長さ吸収できるかによって,花が咲いたり咲かなかったりするのです.先ほどの菊のような感じです.

そして,なんと,赤色よりも波長の長い遠赤色光によって,成長がストップします.

この微妙な波長の違いが,スイッチになっているのです.

このスイッチの説明が難しいので,アイリスの花を使って具体的に説明します.

日が短い日の夜間電照によりどうなるのか

アイリス(あやめ)は日照時間が多いと咲く春以降の花でした.
長日性の花ですね!

つまり,このアイリス,日照時間が短い秋以降の日に,夜間電照で赤色の光を当てると,開花するのです.

しかし,夜間電照で赤色の光を当てた後で,もう一度遠赤色光を当てると,なぜか開花しなくなります.
遠赤色光を数秒当てるだけで開花しなくなるのです.しかししかし!!!その後で,赤色光を再度当てると,開花します.

これは,植物の中にあるフィトクロムという光受容体が,赤色光と遠赤色光の違いを区別し,生長を調整しています.
最後に見た色だけを覚えて,生長するかどうかの態勢を変えるので「スイッチ」と言われます.

赤色光を見てから(スイッチをONにして)どのくらいの時間が経ったのかを計測し,それに合わせて生長しているのです.

けんゆー

夜間電照で,短日性のダイズに影響しないことを解釈するためには上の図を見てね!

西の空に落ちていく太陽の遠赤色光は,私たち人間の目を引き,心を奪いますが,まさか,植物界での成長に深く関わっているとは知る由もなかったです.
植物のスイッチがOFFになるのですね.理にかなってますね.

そして,また朝日が昇ると,赤色光を受けてスイッチがONになるのです.

宇宙の循環,空の色,地球という惑星で進化を続けてきた植物は,太陽の光一つとっても,全てに意味があるのですね.何気ない夕陽のワンシーンも植物にとっては重要な意味があり,旬を作り,私たち人類を支えているのですね.

夜遅くまで残業してみるものです.じーん...

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