- キクイムシについて理解する!
- アボカドの害虫をご紹介!
- アボカドだけではなくマンゴーやチャなどにも入る!
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
ある日,アボカドの木の枝が一本枯れているのが見つかりました.
部分的に枯れており,とても不自然な枯れ方をしておりました.
株元を見ると,形成層付近から外皮がえぐれたようになっており,さらに枝を観察すると,小さい2mmくらいの穴がいくつも空いておりました.
こんなことが初なので,すごくワクワクしたよ!
とりあえず,枝を切り取り,木を割って穴の中に入っている虫を確認すると,なんとかなり珍しい虫を見つけました.
「キクイムシ」とか「ナンヨウキクイムシ」とか「養菌性キクイムシ」などと呼ばれている害虫です.
枝の中に食入し,形成層の周りを環状型に食べていました.
これで,栄養分や水分が枝先まできちんと送れずに,葉っぱが枯れたりしていたのだなと推測できます.
ただ,キクイムシは,衰弱している木に入るので,もともと弱っていた枝(もしくは木)なのかもしれないですね.
例えば,強風で枝が揺さぶられ,根元付近に傷が入ったなど,そういった外的な要因によって,部分的に枝が弱っていたのかもしれないですね.
それにしても「キクイムシ」に出会えたのはとても嬉しかったのです.
キクイムシについて!
今回のキクイムシ,ざっくりとまとめておきます.
- 台湾や東南アジアなどではチャの被害.
- マンゴーやアボカド,デイゴ,ナラの木,イチジクなど多くの樹木に入る.
- 共生する菌類(アンブロシア菌)を食糧にしてる.
- 通常は衰弱・倒木した木に入る.
- 衰弱した部分から侵入し,健全な部分にまで被害が及ぶことがある.
なお,こちらの黒田先生の研究ページがかなり分かりやすかったです.
おすすめだよ!
上記のページによると,食害するキクイムシにも大きく分けて2種類あるとのことです.
それぞれ「樹皮下キクイムシ」と「養菌性キクイムシ」ですね.
樹皮下キクイムシは,木の樹皮の下で繁殖しますが,養菌性キクイムシの場合は,木部(枝の内部)で繁殖するようです.病原性を強く示すのは後者の養菌性キクイムシのようで,マンゴーなどの果樹はこの虫にやられているのですね.
つまり,病原性を保持している菌と共生しているためにこのようなことが発生するわけです.
本文の中では,こういった菌は多数の種からなる複合体であり,FSSC(F. solani species complex)と記載されていました.
The Avocadoにも!
「The Avocado Botany, Production and uses」というとても高尚な書籍にもこの養菌性キクイムシの記載がなされておりました!
現場の様子もシェアしてるのでぜひどうぞ!!