トマトの葉っぱの独特な香りは思いやり!?なぜ葉っぱには強い芳香があるのか!?
この記事のポイント
  • トマトの葉っぱから出る強い匂いの謎は!?
  • 虫に対抗するため,そして仲間に知らせるため!
  • 匂いの揮発性成分についても言及!

けんゆー

トマトの強い香りの謎に迫るよ!!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は「トマトの葉っぱの独特な匂い!」についてお話しをしたいと思います.
今回は果実ではなくて,葉っぱとか,あの辺から出てくる強い匂い,刺激臭の原因や,なぜあのような強い匂いを出す必要があるのか,ということについてお話ししたいと思います.
特にトマトの葉っぱの匂いは,強烈で,そこにトマトがある!ということを目隠しで当てることさえできます.

けんゆー

まじだよ!


これは別においらが凄いという話ではなくて,トマトを栽培している人であれば,その独特な匂いを覚えてしまい,トマトがそこにあることが分かります.
けんゆー

脇芽欠きという作業の際にも感じられますよね.主軸と横葉の間から出てくる芽を欠く作業ですね.すごく香ります笑


バジル(ハーブ)なんかも良い香りがしますね.
(この前,藪のなかを進んでいたら,野生のトマトを嗅覚で発見できました!トマトって鳥たちが食べて種が糞と共に土に落ちて,自然と生えてくるんですよね.薮になっているところでは,よくトマトを見つけます.)

さて,今回のブログの本題は,何故トマトやハーブ系の野菜がわざわざ匂いを発しているのか!ということです.
成長に必要なエネルギーを,ワザワザ匂いを発生させるために使っているということには,ある驚きの理由があります.

けんゆー

少し,サイエンスチックな話になりますが,実は,生きるための戦略があるのだね!

あの強い匂いは思いやり!?

この匂いには,諸説ありますが,現在最も有力な理由としては,「虫(害虫)が来たことを仲間(トマト)に知らせる信号」だと言われています.

あれです!

中学生や高校生くらいの時に,「先生がきたよ!」と,学校内でケータイを触っている友達に危険なことを知らせる!みたいなことが行われているのです.
つまり,あの匂いはトマトの仲間内のコミュニケーションだったのですね.

図で説明しますね!

上の図のように,害虫の被害にあって,葉っぱが食べられてしまうと,トマトは防衛反応を起こし,虫の嫌いな「フェノール系」や「タンニン系」の化学物質を放出します.
(フェノール系やタンニン系の化学物質は虫の成長を阻害する効果があります.)

普通であれば,虫の被害を受けたトマトだけが,この匂いを放出すれば良いのですが,なんとこの匂いに連れられて,周囲のトマトも同じ匂いを放ちます.
なんと,虫の被害にあっていないトマトも,周囲のこういった匂いを察知して,フェノール系やタンニン系の匂いを出すんですね.
匂いが伝染していき,周囲のトマトも虫に食べられる前に,防衛をするのですね.

一つの個体が被害にあっただけであれば,その個体だけ,フェノール系やタンニン系の化学物質を出せば良いものの,食べられていないものも出すのです.

つまり,被害にあったトマトが放つ匂いの中には,「ここに虫がいるからお前たちも気をつけとけよ」という信号が含まれているのです.
なので,トマトの虫の被害のある周辺のトマトは無事で,ちょっと離れた,フェノール系やタンニン系の揮発物質が届かなかったトマトがやられる!ということが起こったりします.おいらもかなりの数の苗を植えましたが,これと似たような経験をしました.
僕自身も,10種類近くの品種のトマトを栽培していたのですが,同様なことを思いました.

けんゆー

千果やアイコ,イエローアイコ,フルティカ,プラム系,ファンシープラムやゴールデンプラムなどなど,

一苗だと発見できなかった新しい事実が確認できて満足です.

「先生きたよ!うっそー(笑)びっくりした?(笑)」

中学校の時に,そんな意地悪をする友達もいましたね.
トマトにもそう言ったひょうきん者もいそうですよね.1日だけトマトになってみたいものです.

匂いの正体は!?

余談ですが,全ての匂いというものは,揮発性の化学物質です.
空気中に浮遊した細かい分子状の極小の粉みたいなものです.

分かりやすい例でいくと,煙ですね.
あれは目に見えるくらい大きくて匂いもあるのですが,匂いの素となる揮発性物質も,めちゃくちゃ小さい粉のような粒子が空気中を漂っているのですね.

香水などをつけている人も,実は,身体の香水をつけたところから,目に見えないくらいの粒子がフワフワっと揮発しているのですね.
それが,鼻の中を通ると,神経系を通して,脳が匂いを感じて,香るのですよね.

この匂いの化学物質は,それぞれ独特な形をしています.
私たち人間の鼻の奥には,1000種類もの数の受容体があり,特定の匂いの化学物質に反応した受容体が神経系(脳)に信号を伝え,匂いを感じます.
匂いというものは,それぞれ,個性があります.
例えば,Aという匂い,Bという匂い,Cという匂い,,,のように,それぞれ個性があって,私たちの鼻の奥にも,そのA,B,Cの匂いに対応した私たちの受容体が反応して,あっAという匂いだね!というふうになります.

これはよく「鍵と鍵穴」で説明されます.

匂い(化学物質)がそれぞれ異なった鍵で,それぞれが入る鍵穴(受容体)があるのです.

人間の構造も面白いですよね.

現在のところ,植物の匂いを検知する受容体が,人間のような構造になっているのか,ということは謎です.しかし,植物でも周囲の特定の匂いを検出するということは,十分可能なことなのです.すごいですね!

自然界に,捕食されるもの(トマト)と,捕食するもの(虫)との競争をしてこれまで長年の歴史を生きてきました.
この長い歴史を生き抜いていく中で,このような揮発性物質を出す仕組みなどが発達したと言われます.

オンラインサロンにて毎週コラムを投稿!

こちらの記事は,おいらのオンラインサロンにて毎週執筆しているコラムの一部です.
フルーツや野菜の栽培を通して気がついたこと,面白いなと思ったこと,農業をする上で大事な戦略的なことまで共有しています.

ブログでは書かない内容などを共有していますので,ぜひご覧ください.

けんゆー

初月は無料キャンペーンをやっているので,ぜひ試しに覗いてみてください!

では,本日もご視聴いただきありがとうございました.
またねー!