- 団粒構造とは土の粒子が集まり,団子状もしくは粒状の集合体を形成している構造のこと.
- 固相:液相:気相が「4:3:3」になるようなもの.
- マクロな構造とミクロな構造の2層になっている.
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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
畑の土壌を作る時によく,団粒構造を目指しましょう!ということが言われると思いますが,本日はそんな団粒構造についてのお話をしたいと思います.
団粒構造が上手く作られると,透水性(とうすいせい)が上がり,水捌けが良くなるだけでなく,水持ちも良い土になりますね.
さらに,土壌内に水,空気,そして養分などがしっかりと含まれ,植物の生育に有利な土になります.
固相:液相:気相が「4:3:3」になるようなものがいいと言われることもあります.
そもそも団粒構造ってなんなのか?そして,有機物および微生物はどのような役割を担っているのか,ということについて触れていきます.
団粒構造とは!?
団粒構造とは土の粒子が集まり,団子状もしくは粒状の集合体を形成している構造のことを指します.
大小の土の塊がバランス良く混合しており,適度な隙間がたくさんあります.
このような構造のメリットとしては,
- 肥料の効きが良いこと.
- 水はけも水持ちも良くなること.
- 大雨や干ばつなどにも強いということ.
などがあげられます.
水はけと水持ち,一見,相反するものだと思われますが,団粒構造というのは,この両方の性質が非常の良いのですね.
では,なぜ,水はけと水持ちが良いのか,ということを解説していきます.
2層構造になっている!
良い団粒構造というのは,二層構造になっていることが多いです.
つまり,大きな団粒とその中に小さな団粒があるということですね.
マクロな団粒と,ミクロな団粒と言われたりもします.
マクロ,つまり大きな団粒の間には,隙間がありますので,大雨が降っても速やかに流れ去ります.
だいたいは24時間以内に,重力水として,下方向へ流れます.
水はけが良い土ですね.この隙間は,通気性もよく酸素が入り込むので,根っこの呼吸にも良い影響を与えます.
そして,大きい団粒の中に,小さい粒の団粒が沢山あります.
ミクロな団粒ですね.このミクロな団粒の内部には,水分が上手く保持されると考えられます.
そこそこ干ばつにあって乾燥しても,すぐに水が抜けない構造になっております.
また,植物自身も毛細根を伸ばして,このミクロな団粒構造の恩恵を受けることができます.
この2段構造によって,水はけと水もち,両方を兼ね備えているのですね.
ミクロな団粒とマクロな団粒とは!?
ミクロな団粒とは?
ここで,気になるのは,何が原因でこの団粒が構築されるのか,ということですよね.
ミクロな団粒,これは,0.25mm以下で肉眼で確認することが難しいです.
0.25mmのボールペン,細いですよね.あれ以下の団粒です.
このミクロな団粒は,土壌粒子,腐植,植物の破片,陽イオンなどが結びついたものです.
土壌粒子は,粘土(岩石や鉱物が風化して削られたもの),そして沈泥(ちんでい,泥の中で粘土よりも粒が大きいもの)など)です.
腐植とは,動植物の遺体が微生物によって分解され,その過程でできた有機化合物です.
陽イオンとは,カルシウムイオンやアルミニウムイオンなどですね.
このミクロな団粒は,かなり安定していて,耕耘や雨などでは崩れないですね.
マクロな団粒とは?
マクロな団粒は,ミクロな団粒が集まってできたものですが,肉眼でも確認できます.
これは,糸状菌や菌根菌の菌糸と,植物の根っこが出す粘物質によって作られます.
壊れやすいですが,形成されやすいです.
有機物と微生物の働きによって,作られますが,絶えず,崩壊と形成を繰り返してます.
このマクロ団粒には,糸状菌の働きがかなり重要であると言われております.
彼らがいなくなると,ミクロな団粒を繋ぐことができずに団粒が崩壊してしまいます.
そこで,糸状菌が活動できるようにするために,土中に有機物を入れると思いますが,どの有機物がどのような役割があるのか,についてお話しします.
有機物には,カタイもの,中くらいの硬さのもの,やわらかいものの3つの種類があります.
もみがらやイナワラ,剪定枝などのC/N比が50以上のカタイ有機物は,かなりゆっくり分解されるので,急激に微生物が増えませんが,急激に減りません.
ちなみに,C/N比というのは,炭素と窒素の比で,分解の難易,肥効の現れ易さ,また,たい肥の腐熟程度などを評価する際の指標です.
一般的には,カタイ有機物を入れると糸状菌が長くゆっくり活躍できて団粒構造が長持ちすると言われます.
しかし,カタイ有機物は,ある程度微生物が増えないと,分解もできず,団粒構造もできないので,はじめは米ぬかなどを加えると良いです.
中くらいのものは,例えば,米ぬかやコーヒーの搾りかすなどですね.
C/N比は20~30程度です.微生物が一気に増えますが,分解は早いですが,長持ちしません.
もっとやわらかい有機物は,魚粕や油粕です.
これらのC/N比は10以下ですね.
これだけだと,だいたいは炭素が足りないので,微生物が徐々に減り,チッソが無機化されます.
アンモニア態チッソになったり,硝酸態窒素になったりします.
これだけだと,団粒化が進みません.
今回は,団粒構造とは何か?そして,ミクロな団粒とマクロな団粒,そして,それを構成する要因や有機物についてお話をさせていただきました!
また,次回も今回の内容でお話ができなかった分について取り上げていきたいと思います.
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