- 自然的に供給される窒素・リン酸・カリウムについて考える!
- 窒素は,マメ科の根粒菌だけではなく,他にも多くの微生物・生き物が供給してくれる.
- リン酸やカリウムも,菌根菌などが供給してくれる!
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
先日は,肥料を使わず野菜を作る考え方,つまり自然的な栽培についてお話をさせていただきました.
この記事のポイント 自然農法・自然農・自然栽培・天然農法・循環農法・炭素循環農法の共有した目的とは!? 肥料で …
自然の本来持つ養分をしっかりと作り,微生物や生き物を上手く循環させるという方法ですね.
しかし,やっぱり,肥料を全く畑に入れないというのは,不安な部分がありますよね.
こうするべきだ,こうする方が良い!という現代のやり方とは全く違う方向にベクトルが向いておりますから,不安があります.
野菜が生育するための三大要素,窒素・リン酸・カリウム,の収支が合うのか,という不安が私たちを襲うわけです.
今日は,そんな窒素・リン酸・カリウムのお話をしたいなと思います.
本日もよろしくお願いいたします.
3大栄養素
先日ご紹介させていただいた,自然的な栽培をされている方々,福岡正信さんだったり,林幸美(ゆきみ)さん,木村秋則さんなどなどの書籍や思想はとりあえず一通り目を通しているのですが,やっぱり彼らの頭の中そのものを理解するのは非常に難しいところがあります.
偉大な方たちの考えることは尊い!
僕も書籍を読んでいて,深く感動するところもあれば,いや,それはどうなのかな?と思うところも多々あります.
しかし,僕自身が理解できる限界もありますので,やっぱり学びは辞めてはいけない,常にインプットとアウトプットの両輪を同じ速度で回転させて,この野菜作りという僕自身の車を前に進めなくてはならない.と感じております.
今ちょっとかっこいい事を言ったよ!笑
色々と本を読みましたところ,僕が理解できている範囲で,自然的に生み出される窒素・リン酸・カリウムのお話をしていきます.
難しいですよ.
自然界の窒素
自然界の窒素は,例えば,マメ科の根粒菌が有名ですね.
昨年,落花生を収穫したら,根っこにびっしり白い粒が付いていたのを思い出しました.
マメ科の根粒菌は,代表的な窒素固定をしてくれますね.
前回,お話しした,サツマイモ,サトウキビも,組織内共生菌がおりまして,カブトムシやシロアリも窒素分を自然的に生成してくれる生き物でした.
木材を餌にするシロアリの糞には,強烈に窒素が含まれているのでしたね!!
よくよく自然的な栽培の学習をしていくと,自然というのは,足りないものを生態系の中から作り出していくということが基本的な思想のようです.
つまり,人為的に肥料を投入して,肥料分が十二分にある状態の土の中では,窒素固定菌は繁殖しないというものなのです.
つまし,生態系の最も重要な微生物の力がうまく発揮されなくなる,というものですね.
養分が足りなければ,長年をかけて,土に住む生き物がみんなで手を組み,養分を取り込んで行こうとするのですね.
そして,無肥料の畑で,作物が栽培できるようになると,虫が来ないのはもちろん,植物も急な徒長をしなくなるし,なんなら,収穫と同時に,窒素分が畑に残らなくなるというわけなのです.つまり,植物は生育と同時に,自身に必要な栄養素を取りにいっているという話なのですね.
リン酸やカリウム
自然的な栽培だと,草生栽培をする方が多いです.
この草生栽培は,リン酸やカリの獲得に一役(ひとやく)を買っております.
9割程度の現・陸上植物の根っこには,菌根菌(きんこんきん)が共生していると考えられております.
カビの一瞬ですね.アーバスキュラー菌根菌などは有名ですね.アーバスキュルというのは,樹枝状体という意味ですが,毛細血管のような非常に細かい菌糸を土壌から表皮を通って皮層細胞の中に侵入して,根っこと共生をしている菌ですね.これが岩石などのミネラルを取り出してくれます.
御察しの良い方は,この菌根菌が,リン酸やカリを供給してくれるのだな,と思われたかと思います.
苦土石灰の材料としても使われる蛇紋岩(じゃもんがん)からはリン酸を特異的に取り出したり,半田ごてなどの絶縁体として使われる雲母岩(うんぼがん),電気を通しにくい性質を持った岩石ですが,そこからはカリウムを特異的に取り出す菌根菌がおります.普通の微生物では当然ながら取り出せませんね.
こういった菌というのは,多様であるからこそ力を発揮すると言われております.
つまり,単一の作物をドバッと作る現代の農法には向いておらず,多様な草・多様な生き物がそこに生存してこそ成り立つと言われております.
また,地中では,作物や草の根が菌根菌で繋がって養分を橋渡しする行為なども観測されているようです.
ミクロな世界ですごい事が行われているんだね!!
植物は自分の好きな養分を吸収するという性質がありますから,とにかく多様性を維持,そしてそれらがまた畑に戻り土壌を作る.そうした自然の循環系をうまく作ることがポイントになりそうです.
毎朝ラジオも発信しているのでぜひご覧くださいね!!