- みどりの食料システム戦略より,有機農業を考えていく.
- 基礎講座 有機農業の技術を参考に!
- 土は,物質循環の要である.
ハイサーイ!
記事リンク付きの感想ツイートなどは掲載される可能性あり!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
今回は「有機農業と土」について話していきたいと思います.
昨今は,有機農業が話題です.
これは,最近,農林水産省の方から「みどりの食料システム戦略」というものが発表されて,有機農業の関心が大きく高まっているのだと思います.「みどりの食料システム戦略」というのは,ざっくりいうと,将来にわたって食料の安定供給を図るため,持続可能な食料システムを構築しようね!ということですね.具体的には,農林水産省のHPを見てほしいのですが,例えば,2050年までに,耕地面積に占める有機農業の取り組み面積を25%に拡大するという目標だったり,化学農薬の使用量を50%低減しましょう!とか,そういったものです.
これが発表されたのがちょうど一年前くらいですが,Twitterなどでは多くの人たちが騒いでいました.
「みどりの食料システム戦略」が出されてから,より一層,世の中の方向性は,有機農業に向かっていくということは間違いなく,有機農業とは?とかではなく,本質的なことを理解していく必要性があると思います.ただ,定義上,有機農業を理解しようとしても難しく,また有機農業はどうあるべきだとも言いにくので,本質的に有機農業を理解しようとすると,やはり,有機農業とやらを牽引する多くの専門家などのそれぞれの意見を聞いて,ちょっとずつ考えていけたら良いのだと思うのです.
なので,僕もこのブログで,有機農業とはなんなのか?ということを考えながら,皆さんにも共有していきたいと思います.
僕も最近,有機農業に関する書籍をたくさん読んでいるのですが,なるべく毎朝,いろんな方々の有機農業についてシェアしたいと思います.ぜひ,参考になれば幸いです.
書籍の紹介
面白い書籍を見つけたので紹介したいです.
日本有機農業研究会編集の「基礎講座 有機農業の技術」という書籍があるのですが,今回はそこに出てくる「熊澤喜久雄」博士の講座を取り上げたいと思います.有機農業をされてる方は,一度は聞いたことある名前だと思います.
熊澤喜久雄博士は,1928年生まれ,東京大学や東京農業大学で教鞭をとられたのちに,ご退官されてます.
農学における同位元素の利用や,植物の窒素栄養に関する研究をされており,書籍も多く出されております.
植物栄養学大要など,興味のある方は読んでください.
今回は「基礎講座 有機農業の技術」という本の中から,有機農業と土の話をしたいです.
土は,物質循環としての要.
土って聞くとどのような印象を持つでしょうか.
本講座によると,土というのは,物質循環の要,すなわち一番大事な部分なのですね.
有機農業とか,環境保全型農業と言ったりする場合もありますが,その中の生物圏の物質循環を支えるものになるのですね.
土というのは,ものすごい時間がかかってできたことは当たり前に知っていると思います.
人類やその他多くの生き物は,環境と一緒に進化してきたのであるが,そこには,土壌というのが深く関わっております.
現在の農業というのは,人類の食糧を守る大事な産業であることは間違いないし,これを否定してしまうと,僕たちは食っていけなくなるわけですが,一方で現在の農業というのは,環境破壊をしているという側面もあります.全く野菜を作った経験がない方からすると,農業こそ自然だ!という風に思ってしまう方もいると思いますが,実は現在の農業には課題が多くあるわけです.人口が増大してしまって,都市が形成されるなかで,森林が破壊され,自然土壌は耕地土壌へ変わり,化学農薬や化学肥料を使うと,地力の減退が起こるわけです.また,薬や肥料の過剰投入が,生態系を壊したり,もしくは環境汚染などにも繋がっていくわけなのです.これをなんとかしようと,現在は「みどりの食料システム戦略」というものが発表されているわけです.
本来の自然土壌とは!?
えっ,でも化学肥料などがないと野菜って作れないじゃん!という方も多いと思いますが,半分正解で,半分は現在のやり方をちょっと疑わないといけないとも思います.肥料というのは,本来「肥やすもの」という意味です.自然の状態だと,有機物が循環する中で,自然の地力が生成されていくということから,そのように人間も物質循環をさせて,地力の減退を防ぐものとして使われてました.すなわち,元々の肥料にあたる「肥やし」というのは,落ち葉や動物などの排泄物,灰などを活用してました.ただ,人類の増加とともに,それらが間に合わなくなり,現在は,化学肥料などが使用されているわけです.
しかし,有機農業というのを理解するためにも,やはり,現在僕らが捨てているものを再利用したり,化学肥料だけに頼らない園芸なども必要なのかなと思ったりするわけです.
土壌の生物性
現在の農業における土壌の関心は,主に物理性と化学性だったりしますね.
物理性とは,一般的には排水性・通気性・保水性などを指します.
化学性というのは,土壌酸度pHや,養分の保持力などを指します.
どちらも,とても重要なものです.
ただ,もう一つ重要な要素があります.
なんだか分かりますでしょうか.
それは,生物性というものです.
土壌の中には小動物や微生物,多くの生き物が住んでいるわけです.
これらの中には,有機物の分解に関与しているものも多く,植物が育つ上でもとても重要な役割を担っております.
土壌中には,10アールあたり小動物は35キロほどおり,カビは約25キロいると言われます.
前提として,種類がたくさんあるということが,大事です.
種類がたくさんあることによって,お互いに相互作用して,ある一種類の特定のものが増えるということもないわけです.
病原菌などの発生も,ある特定の菌だけが大量に増えている状態であり,土壌の生物性が乏しい結果出てくるのだと言われております.化学薬品などに頼ったものなどは,生物性が低下しやすいと言われることもあり,なるべくこの辺も無視できないですよね.虫だけに.失礼しました.
日本というのは,長い歴史の中でとても豊かな生態系を作った国でもあります.
山も多く,水が綺麗で,土も黒い.黒い土はとても豊かな証拠でもあります.
この黒い土を作るのには,何万年ととてつもなく多くの時間がかかってます.
このような自然を守っていくためにも,ちょっとずつ農業のあり方を考えていくことも大事だなと思うわけです.
ということで,本日からなるべく毎日,ブログで有機農業のことについてお話ししていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします.「基礎講座 有機農業の技術」はおすすめなので,ぜひご購入されてください.
この記事を読んでくれた方は,以下の記事もおすすめです.
この記事のポイント 有機農業は土の微生物を大事にする農法. 慣行農業は収量の最大化を目指した農法. 有機農業と …