雪が多く降る地域で選ぶべきイチジク品種とは!?学術論文をもとに!
この記事のポイント
  • 雪の降る地域でのイチジク品種の選び方!?
  • 一文字栽培でも可能な品種とは?
  • 今回紹介する品種は,収量もすごかった!

けんゆー

ハイサーイ!


けんゆー

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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は「雪の多く降る地域で,どの品種のイチジクを選んだら良いのか?」という内容でお話しさせていただきます.僕は沖縄で果樹栽培をやっていますが,論文などを読むのが好きなので,今日も色々と読んでいたのですが,その中でも面白い研究報告があったので紹介しておきます.

秋田県での研究!!

今回の文献は,東北農業試験研究協議会というところから発行されたもので,研究報告元は,秋田県果樹試験場からですね.

タイトルは「多雪地域におけるイチジク品種の適応性」というもので,2018年に出されました.ぜひ,無料で読めるのでGoogle検索をして読んでみてください.

秋田県でのイチジク栽培

やはり,秋田県でのイチジク栽培は,気温や雪の影響などにより厳しいものがあるようですね.
生育期の温度不足や,冬の時期の低温などで,生育阻害が生じると言われてます.

しかし,近年は,温暖化の影響で,生育期の気温が上昇傾向にあり,秋田県でも多様な品種の栽培が可能になることが予想されているといいます.そのため,品種によっては栽培が可能であるものも存在するということで,本研究では,いくつかの品種を試して栽培がうまくいくかの検討をしております.

バナーネ

けんゆー

こちらの品種がバナーネというものだよ!


本研究の結論から言うと「バナーネ」と呼ばれる品種が,最も耐寒性が高く,冬の多雪地域に適した一文字樹形で栽培が可能で,生産性が高いという事が報告されております.冬の寒いところにお住まいの方で,イチジクに興味がある方であれば,もしかしたら周知の事実だったのかもしれないですが,僕は今回の報告レポートを読むまでは知らなかったので,共有させていただいております.

今回の調査では,秋田県横手市において調査がなされました.
調査した期間の2013年11月から2014年4月までの最低温度の条件も,本文献では紹介されておりますが,12月中旬から3月下旬まではずっと0度を下回っており,-10℃を下回る時も多くあります.
沖縄人の僕からしたら,想像を絶するような気温ですが,このような環境の中で調査がなされております.
また,今回のイチジクは,一文字仕立てなのですが,その期間は雪で埋もれておりました.

他の品種,桝井ドーフィンとアヌールド・カロン.

今回の文献では,バナーネの他に,桝井ドーフィンとヌアールド・カロンと呼ばれる二つの品種も検討しており,それらが,バナーネに比べて劣っていることを示しました.桝井ドーフィンの方は,果実が本来の大きさに達せず,10月下旬までに成熟する果実も少ないことを報告しております.

また,ヌアールド・カロンは,食味は良いということですが,主枝(枝)の枯れ込みがなどがあり,一文字樹形での適応性も悪いということが報告されました.
また,いずれの品種も,降霜や降雪に遭遇した果実は,果実が固くなり,成熟しても食味が落ちると言われております.

バナーネの収量がえぐい!

本報告によると,バナーネは,定植翌年から成熟果が収穫できた報告されてます.
文献には,驚きの収量が報告されているのですが,実収量から換算した6年生の収量は,10aあたり1937kgとなっております.本文献によると,これは,秋田県作物別技術・経営指標にある「蓬莱柿」の収量1000kgや,「ホワイトゼノア」と呼ばれる品種の収量1200kgよりも多いという結果になっております.

また,収穫盛期の果重は,60~75g,糖度は14.5~16%で肉質はなめらかで甘く,酸味はほとんど感じられなかったと報告されております.また,バナーネは,雪に埋もれても枝の枯れ込みがほとんど見られなかったと言われます.ただ,桝井ドーフィンやヌアールド・カロンは,枯れ込みが見られ,寒さの影響を大きく受けていると解釈できます.

いかがだったでしょうか.
今回は,「多雪地域におけるイチジク品種の適応性」という文献の中から,寒さに強い品種の紹介を行いました.
今回紹介した以外にも,もちろん多くの適した品種があると思います.
またその場所によっても,最も適した栽培品種があるかと思います.
この辺もぜひ,多くの方が情報を共有してより,イチジク栽培が発展したら良いなと思います.

最後まで読んでいただきありがとうございます.
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