- バナナの世界史より,バナナが太平洋にきた時代の話.
- バナナの軌跡は,言葉によって明らかになった.
- ポンペイ島にはベータカロテンの豊富なバナナが存在する.
ハイサーイ!
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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
ここ最近は,ずっとバナナに関する内容を扱っているのですが,今回もバナナに関する話です.
今回は,バナナがどう広がっていったのかを解説したいです.
今回もバナナの世界史を参照してます.
前回は,東南アジアなどでバナナが自生しており,マレーシアやパプアニューギニアなどで古くから栽培がなされたとお話しさせていただきました.その後,このバナナは,太平洋側に広がります.
バナナは,東南アジアやパプアニューギニアから,その後,オーストラリア,ニュージーランド,ポリネシアへと半時計周りに伝播していき,そしてハワイに到達します.多くの学者さんたちは,バナナがいろんなところへ広がっていった時の正確な軌跡を辿るのがものすごく難しいと言います.
どのようにして,この軌跡を解明していったかというと,実は「言葉」が重要な手がかりになっております.
今日は,そんなお話しです.
バナナ栽培をされてる方,熱帯果樹を栽培されてる方,ぜひ楽しんでいただけたらと思います.
軌跡を辿るのに,「言葉」は有効な手がかりである.
バナナの軌跡を辿るのに,その国のバナナの呼ばれ方を地図上で辿っていくと,どこからどこへ伝わっていったのかが分かると言います.
例えば,インドネシアではバナナは「ピサン」と呼ばれ,これはフィリピン,マレーシア,ニューギニアでも使用されてます.パプアニューギニアでは,800以上の言葉がありますが,バナナを指す言葉は他にも二つがあります.それが「Pudi」と「Fud」です.
これらが,1600km以上離れたソロモン諸島へ伝わり,「Pudi」と「Fud」が「Buti」となりました.
さらにフィジーでは「Vud」となり,トンガでは語幹が変化して「Feta’u」になりました.そしてタヒチに伝わった時に,さらに変化して「Fe’i」になります.
オーストラリア,ニュージーランド,ポリネシア,ハワイなどでも,バナナを意味する言葉が3つあります.
それぞれ,メイア,マイカ,マイア,なのですが,それぞれ,バナナが伝わり,同様に呼ばれやすいように変化していったのだと推察されてます.
ここら辺の話は,非常に面白い!
このように,現地で呼ばれてるバナナの名前から,バナナがどう広がっていったのか,というのがある程度解明されており,東南アジアから多くの国を経由して,ハワイまで伝わっていたとされます.
フィリピンの「ラカタン」
東南アジアから色々と伝わったバナナがありますが,本書曰く,現在とても人気の高いフィリピンの品種があるようです.前回は,インドの「テラチャッカラケリ」と「マイソール」を紹介しましたが,今回はフィリピンの優良種をお話しします.
この記事のポイント 東南アジア,インドでもバナナ栽培について解説. インドで人気のある品種の紹介. グローバル …
そのバナナは「ラカタン」というものです.
AAグループの二倍体バナナですね.
wikipediaの方より,画像を引用させていただきます.
本書によると,このバナナは最高で,果肉はクリームブリュレのような色をしてるようです.
焦がしたプリンのようなデザートだね!
味はみずみずしくてコクがあり,バナナの王者とも呼ばれているようです.
ぜひ,食べてみたいものです.
このバナナの唯一の難点は,食べた後,キャベンディッシュがいかにそっけない味であるかに気付かされるということいってました.美味しすぎて辛い,みたいなそんなバナナです.
フィリピンでは,そんなラカタンが露店や市場で山積みになっているみたいですね.
ポンペイ島の変わったバナナ
フィリピンを超えて,さらに太平洋を東に進むと,ポンペイ島という小さな島があります.
この島は,ミクロネシア連邦最大の島ですが,面積はパリの1/4程度とかなり小さいです.
ここには,さらに珍しいバナナがたくさんあると言います.見た目がびっくりするようなバナナが20種以上もあるというので驚きです.
例えば,果肉がほぼ真っ白な品種や,濃いオレンジの品種などもあるようです.
数千年をかけて人間が島から島へとバナナを伝えてる間に,独自に出現したバナナだと言われます.
Akadahn,Peleu,karat,inahsioなどのバナナがあるようです.
画像はwikipediaから引用させてもらっております.
フェイバナナの仲間ということですが,このバナナは,ベータカロテンがとても多いということが知られてます.
ミクロネシアなどもそうですが,世界的にビタミンAというのは不足してる栄養素の一つです.
WHOの推定では,世界で1億5000万人の子供がビタミンA不足だと言われてます.
ビタミンA不足は,失明に繋がったり,マラリヤや麻疹などで死亡する危険も高まると言われてます.
ビタミンAの前駆体はベータカロテンであり,ポンヘイ島のこのkaratバナナには多くのベータカロテンが含まれているようですね.他にも,ウーチンラップバナナという小さく赤いバナナがあるのですが,とても多量なベータカロテンが含まれているようです.こういったバナナは,世界のビタミンA不足を解消する食材として現在注目されております.
東南アジアから太平洋に出ていったバナナは,さらに西の東ティモールまで広がっていったようですね.
これも言葉を辿ることで分かっております.
パプアニューギニアでバナナに対して使われる名前の「huti」や「vud」,「pudi」でしたが,東ティモールにも「hudi」というバナナを表す言葉があり,パプアニューギニアから西にも伝わったと言われます.
言葉からその植物の広がりを推察するのは,面白いですね.
また,面白いことに,太平洋の島々でバナナに対して使われる「huti」という言葉が,アフリカ東海岸のタンザニアでも発見されております.また次回,アフリカのバナナ事情も取り上げていきたいと思います.
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