【#104】なぜ枝豆は密植をすると良いのか?夏の栽培の基本!
この記事のポイント
  • 枝豆は陽生植物であるが,そこまで強い光を求めない.
  • 密植栽培をして,影を作ってあげたほうが花芽の誘導に良い.
  • 僕らの圃場の様子も紹介【動画解説!】

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は「夏の枝豆はなぜ密植をすると良いのか?」ということについてお話しします.
よく,枝豆などは,種まきをするときに,一つの穴に3粒とか5粒とか種をまいて,密植にしたほうが良いよと言われるかと思います.
今回は,その理由を枝豆の持つ生理的な側面から解説したいと思います.

また,僕たちも果樹園に枝豆を使っているのですが,実体験を元に枝豆の種のまき方,そして育て方をお話ししたいと思います.
家庭菜園をされてる方,これから枝豆を育ててみたいという方のご参考になれば幸いです.

枝豆の密植について!

マメ科の枝豆の栽培というものはあまり難しくなく,さらに,今後,土の肥沃度も向上できるということを期待して,多くの方,栽培初心者を含め,枝豆を作られていると思います.
種から育てやすい!というのも,大きなポイントですよね.
例えば,夏野菜のナスとかは種からだと,ちょっとコツが要りますし,ゴーヤーの栽培をしてみたいとか,そう言った方も,種苗屋さんで苗を購入された方が,かなり簡単なんですよね.
しかし,枝豆は,初心者の方でも,種からでもできるというそう言った野菜です.

播種をする!

さて,そんな枝豆ですが,種まきをするとき,畑やプランターに一粒ずつまいていくのではなく,3粒とか5粒とか,密植させて撒くと良いよ,と聞いたことがある人もいるかもしれません.

けんゆー

5粒はちょっと多いかなと思うけど,全て発芽しない場合もあるのでね!

その理由は,「枝豆は代表的な夏野菜ほど光をあまり好まない」ということが大きな理由です.

光をそんなに好まない枝豆.

野菜というのは,日当たりを好む陽生植物と,日陰を好む陰生植物があります.

けんゆー

半陰生植物というのもあるよ!

枝豆も夏にも栽培できるので,陽生植物なのですが,代表的な陽生植物の中でもあまり光を好まないのですよね.トウモロコシとか日陰では育ちません.とことん光を当てないといけないです.
なので,基本的には,1列に畝を建てます.一条と言いますが,影ができないようにするのですね.
どうしても2条以上にする場合は,日当たりを考えて,南北畝を建てないといけません.
東西畝にすると,どうしても太陽の関係で,北側が影になり,生育不良が起きやすいのですね.
機会があれば,この辺の南北畝と東西畝の話もします.それぞれメリットがありますし,作物によっても違います.

けんゆー

この辺も機会があれば取り上げるよ!

また,野菜は,陽生植物と,日陰を好む陰生植物があると言いましたが,光が強すぎると,逆に生育が悪くなるものがあります.

これは,単に光合成が飽和するということがあります.
植物というのは,光合成をするために,光が必要なのですが,光合成を行う光の強さの最大量というものが決まっているのですね.
光の強さの単位をlx(ルクス)と言います.

夏,晴れた日の日中の外の光の強さは,大体10万lxになります.
曇っていたら,半分です.5万lxです.

では,トウモロコシに必要な光の強さは,どのくらいかというと,9万lxです.
ガンガン日に当てましょう.

では,今回のテーマである枝豆ですが,実は枝豆は2万5000lxなんですよね.
めちゃくちゃ,低いのですよね.

なので,あえて繁茂させて,密植にして,お互いで影を作ってしまう,という方が,都合が良いんですね.

開閉運動

枝豆というのは,葉っぱの開閉運動をよく行います.

けんゆー

閉じたり開いたりするね!


これは,環境の状態(光の強さなど)に合わせて,葉っぱを閉じたり開いたりする.植物というのは,就眠運動と言って,朝に葉っぱを開いて,夜に閉じます.枝豆もこの就眠運動をするのですが,他にも日中の開閉運動をします.

枝豆の光の強さの最大量は2万5000lxで,これは冬野菜のホウレンソウ程度なのですが,夏に栽培できる理由は,葉っぱの開閉をコントロールできる機能が備わっているから!なのですね.

花芽の誘導

弱い光の方が,花芽の誘導によく,実つきがよくなります.
そのため,3粒とかまいて,間引きをせずに育てた方が,良いのですね.

けんゆー

これは日差しが強い夏や,沖縄での栽培のポイントです!

遮光ネットの有無

枝豆を一粒ずつまいて,遮光ネットで強制的に光の強さを抑える,という方法も行なっている方が多いと思いますが,できれば密植まきの方が良いと言われております.

強制的に日光を遮断すると,植物が持っている本来の開閉運動をする力がなくなってくるんですね.こうなると,健康上弱くなります.細胞がきちんと育たないのです.また,その結果,背丈だけが伸び,花芽がつきにくくなります.

なので,遮光をせず,ある程度密植で栽培する,そう言ったことが大事です.
植物の生理を尊重した栽培方法なのですね.

果樹園にばら撒いた大豆!

僕たちも実は,果樹園に枝豆をばら撒いていたのですが,実つきが良いものは,密集地帯にあるところでした.
このときに,ある程度,密植した方が,実つきがよくなるんだなと,実感しました.

これから,枝豆の種まきをされる方が多いと思いますが,ご参考になれば幸いです.