- 窒素は空気中の約8割を占めるほどのガス!
- 植物や動物の細胞に欠かせないもの!
- いろんな形態に変化してこの地球でぐるぐると循環している!
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日は植物の3大栄養素である「窒素」を深く考えていきたいと思います.
葉っぱや茎の成長には欠かせないと言われる窒素ですけれども,具体的に,この窒素ってそもそも何!?という方,多いと思いますし,この窒素は,私たち,僕たちのこの地球の中で,どのように循環しているのか,とか,そういったことをお話ししたいと思います.
農家さんや,家庭菜園をされている方,日頃から肥料で窒素を活用される方も多いと思いますけれども,ある程度,この窒素というものが何者なのか,ということを身近に感じられたら良いのではないかなと思います.
参考になれば幸いです.
今回参考にした書籍が横山和成さんがご監修なられた「土壌微生物のきほん」という本で,とても分かりやすかったです.
ぜひ,本書もご覧ください.
窒素とは!?
窒素は,植物の成長に欠かせない栄養素の一つなのですが,多くの細胞の構成要素になる成分なのです.
例えば,タンパク質を構成するアミノ酸とか,遺伝子情報を伝えるDNAを作る核酸とか,そういった重要な組織を構成するための栄養素なのですね.
この窒素,窒素ガスという形態で,実は大気中の約8割を占めており,この空気中の窒素がいろんな形に変形して,姿形を変え,私たち人間だけではなく,植物や微生物を支えているかなり重要なものなのですね.
この記事のトップ画像は,本書からの引用なのですが,青で示したものが空気中の窒素分ですね.
これが,様々な形態,窒素化合物に変形して循環しているのです.
植物が窒素を吸収する時はどうするのかというと,実は植物はこの窒素を直接吸収することができませんね.
一度,窒素ガスを硝酸態窒素やアンモニウム態窒素に変換することで,ようやく植物は吸収することが可能になります.
総称して,硝酸塩とか,アンモニウム塩とも言いますね.
循環の話をしますと,例えば図中の家畜の糞尿や生物の死骸などの有機物は,有機微生物によってアンモニウム塩に分解され,その後,消化菌と呼ばれる土壌微生物の作用で,亜硝酸塩や硝酸塩に変えられます.消化作用とも言いますね.
ここで,分解の過程で,一部の有機物から出る窒素成分はガス化してしまい,また大気に戻ってしまいます.
窒素がガス化せず土壌に堆積した分だけ,植物は吸収することができ,再び有機物へと代わり,食物連鎖の過程で動物が食べ,糞尿や遺体となり,物質の循環が行われます.
消化作用と脱窒について
少し,消化菌による消化作用と脱窒(だっちつ)ついて補足しておきます.
土壌中にはいろんな菌がいますが,中でも消化作用を行う消化菌がおります.
動植物などの有機物が土壌微生物によって分解された過程でアンモニウム態窒素になりますが,実はこのアンモニウム態窒素のままでは植物は吸収しにくいのですね.
そこで,消化菌の働きによって亜硝酸,そして硝酸態窒素に変化させて,植物は吸収をします.
しかし,この硝酸になると今度は,水に溶けやすくなるため,土壌粒子にくっつきにくく,地下へ流れ出ることがあります.
そして,酸素が少ない嫌気性の菌のうち「脱窒菌」というものが,硝酸から酸素を取り出し,それにより窒素ガスを生成します.
これが,脱窒というものですね.
このように窒素というのは,いろんな場面で形態を変化させ循環しているのですね.
空気中の窒素を固定する微生物もいる!
空気中の窒素を捕まえて,植物に返してくれる微生物,根粒菌などもおります.
マメ科の植物,ダイズやエンドウ,クローバーなんかの根っこに共生する菌で,窒素固定をしてくれます.
詳しくは以下をご覧ください.
この記事のポイント マメ科の利点は根粒菌の窒素固定だけではない! 菌根菌のリン酸や天敵昆虫を呼ぶ効果,他にも雑 …
概要欄に貼り付けております!
他にも窒素固定菌でフランキアと呼ばれる放線菌などもおります.これも植物との共生型で窒素を固定してくれております.
さらには,植物と共生こそしていませんが,窒素を固定する菌もおります.
酸素を好む好気性菌のアゾトバクターと呼ばれるものや,嫌気性の光合成細菌など,多くの菌がおります.
こういった菌を非共生的窒素固定菌とよびます.
雷によって窒素ガスが変化することも!
他にも空気中の窒素ガスが,雷の作用により科学変化を起こし,窒素酸化物(一酸化窒素や硝酸など)になることもあります.
その後,雨に混ざって土壌に落ちることもあります.
ということで,本日は「植物の成長に必要な窒素分」についてのお話でした.
これまで窒素という成分,名前は知っていたけど,深くは知らなかったという方のご参考になれば幸いです.