- 無農薬栽培において最も重要なことについて解説!
- 手もかからないし,畑の状態も良くなる!
- 生体多様性を担保しつつ,最終的には外部から入れる肥料も少なくなる.
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日は「無農薬で野菜を作るさいには〇〇が必要である」ということをお話しさせていただきたいと思います.
この〇〇,普段の栽培では敵対視されることが多いものなのですが,何かお分かりでしょうか.
結論から言うと,これは雑草です.
えっと思われる方,非常に多いと思います.
雑草があれば,作物の生育を邪魔して,肥料分を奪い,虫も病気も発生しやすくなると思われている方も多いと思いますが,実はほとんどの場合で逆なんですよ.
無農薬栽培をしたい場合は,極力,雑草を敵視せず,彼らの良いところを理解して,積極的に活用していったほうが良いのですね.
今回は,そんな雑草のメリットを5つお知らせします.
雑草のメリット
雑草を活用するメリットは以下5つです.
- 雑草にはたくさんの天敵昆虫(虫を食べる虫)がいる.
- 物理的に土を保護し,長期的には土の肥沃度をあげる.
- 連作障害が出にくい畑になる.
- 肥料分として作物に還る.
- 除草作業からの解放.
それぞれ深掘りしていきたいと思います.
1.雑草の中にいるたくさんの天敵昆虫
実は雑草というのは,多くの生き物の住処になり,そこで食物連鎖の生態系が作られます.
クモやてんとう虫などは有名ですが,他にもヒメハナカメムシやアブやハチ,キジラミを食べるダニなど,多くの虫を食べる虫が生息しているわけです.
さらに,多くの害虫は,野菜も食べますが,雑草もしっかりと食べるんですよね.
その雑草の中で,害虫と呼ばれたり益虫と呼ばれたりする虫たちの生態系が守られているのですね.
こういった生態系が守られているところでは,ある種類の害虫が爆発的に増えにくいのですね.
そのため,雑草を積極的に排除してしまうと,もちろん,害虫は野菜を食べるしかなくなります.
さらにいうと,虫はものすごく偏食なので,その野菜しかないと,その野菜を好む虫が爆発的に増え,生物多様性が崩れるのですね.
2.物理的に土を保護し,長期的には土の肥沃度をあげる.
物理的に土を保護するというのは,単純にマルチとして土を守るのですね.
草が生えていると,地表部に直射日光や雨が当たらないのです.
直射日光が当たらないため,地温の急激な上昇や低下というものを防げます.
地温の寒暖差が小さくなりなるのですね.
また,雨などの影響で,土が削られて流れることがなくなります.
さらに,朝露も雑草たちが受け止め,それを土に返していくので,乾燥にも強いのですよね.
環境の変化に強いところは,生き物も住みやすいし,多くの生き物が活動している結果,土が肥えてくるのですよね.
3.連作障害が出にくくなる
先ほどは,生態系が守られて害虫の被害が出にくくなると言いましたが,雑草があると病気にも強くなります.
例えば,連作障害ですが,これは単一の作物を育てると土壌中の菌や栄養素のバランスが崩れて,何かしらの病気が発生するというものでした.
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連作障害を防ぐ方法としては,輪作や混作などのように色んな作物を交互に作ったり組み合わせて作ったりしますが,実は雑草と共生して野菜を育てることにより,土壌中の菌や栄養素のバランスが崩れにくいのですね.
4.肥料分として作物に還る.
雑草が生えていると,作物の成長には多めの肥料が必要なのかと思う方も多いのですが,実はそうではないのですね.
有機肥料や化成肥料もそうですが,実は作物に吸収されるのはほんの一部なんですよね.
残りは雨で流れてしまったり,他には気化してしまったりします.
なので,その流出してしまう部分を雑草たちに溜め込んでおいてもらって,その雑草残渣を後から土に返すということをすると,肥料分として活きますし,外部から入れる肥料の必要量が徐々に小さくなっていくのですね.こういった雑草を利用したサイクルを作ることが大事です.
5.除草作業からの解放
イネ科雑草で作物の背丈よりも大きくなった場合は,刈り込んでマルチとして活用したら良いのですが,他の例えば他のタイプの雑草で,背丈が小さいとき,通路にある雑草なども少し生えたら積極的に草刈りをする!という方は多いと思いますが,そういった日常的な作業から解放されます.
除草作業も,例えば仮払い機を使用すると,燃料代やチップソー代なども浮きますし,他にも時間が余るので,他のことができます.
余力で他の作付けができたり,本を読んだりすることができるので,お得です.
雑草を活用しながら栽培するさいにおいて,除草作業面での大事なこと.
- 作物より背丈が高くなると刈り取ってマルチにする.
- 作物の株元の雑草だけは,抑えること.
- 作物の生育初期は,雑草に負けてしまうので周囲を刈り取る.
雑草で畑の様子が見れる.
雑草も,その環境に一番適したものが,優先的に芽を出すので,雑草を観察すると畑の状態が間接的に把握できるのですよね.
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こういったことを理解しておくと,どの野菜が育ちやすいのか,ということがある程度把握できます.
他にも前回,マメ科の草を利用すると,例えば生態系の拡大や,窒素固定など多くの利点があることもお話ししました.
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雑草には大きな意味があったりするので敵視せず,上手に活用されてください.
土を使う以上は,雑草とは付き合って行かなかればならないのですから,どうせなら,いいお付き合いをしたいですよね.
ということで,今回は,無農薬で野菜を作るさいには雑草が必要である!?というテーマで,その理由をお話しさせていただきました!