連作障害を防ぐ5つの対策とは?
この記事のポイント
  • 同じ畑で単一の野菜を作ると,何かしらの問題が起きる.
  • 1961年に農業基本法を起点とし,連作障害が多く出現してきた.
  • 対策として,賢い輪作のやり方の紹介!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「連作障害」についてお話をしたいと思います.
連作とはなんなのか,そして,連作障害の歴史,対策などについても触れていきたいと思います.

連作とは!?

連作というのは,同じ圃場で,同じ作物を作り続けるというものですね.

連作障害というものは,原則として,畑で繰り返し同じ作物を作った場合,全ての作物で何かしらの病気や虫の発生が起こるというものですね.
例えば,アブラナ科の根こぶ病や,ナス科などによく見られる青枯病,フザリウム菌のつる割れ病萎凋病(いちょうびょう)などがありますね.他にも線中被害や,土の中の養分のバランスが崩れるなど,多くの問題が起きます.

かつての日本は輪作という方法で農作物を作っていました.
つまり,同じ土地に,別の種類の作物を,何年かに一回,作っていくということですね.
異なる作物を周期的に栽培することによって,土壌の栄養バランスが崩れず,病原体や害虫などによる問題を回避してきました.

しかし,1961年に農業基本法が,公布されて,農業生産の選択的拡大がなされました.
つまり,国内の,これまで麦とか雑穀とか,こういった作物生産は衰退し,野菜や果樹などの収益性が高い作物への専門的栽培が進みました.

主に野菜ですが,そこから従来の適切な場所や時期から外れた新しい栽培環境で,強度の連作が実施されることになり,以前では想定できなかった原因による連作障害が発生してきております.

かつての日本では,連作障害を忌地と呼んでいました.
つまり,同一作物を連作したときに,障害が起こる現象全てを忌地と呼んでいたのですね.
現在は,研究が進んでいることもあり,原因が分かっているものに対しては,連作障害と呼び,それでも原因の分からない障害のことを「忌地」と呼ぶ場合が多いようですね.

しかし,言葉の定義はものすごく曖昧で,障害の原因が既知か不明かは,研究の見方で変化する相対的なものであるという考え方もできるので,連作障害は連作障害として,取り扱うことにします.

連作障害の対策

連作障害の対策として代表的なものを5つ挙げておきたいと思います.

  • 輪作.
  • 連作障害の抵抗性のある品種.
  • 土壌消毒や土壌改良.
  • コンパニオンプランツ.
  • 有機物や資材の投入.

などですね.それぞれ,深掘りしていきます.

輪作.

連作障害というのは,単一の作物を同一の圃場で連続して栽培することで発生するので,まずはそれを辞める!というものですね.
そこで,輪作といって,いくつか異なる作物を圃場で作るというものを心がけます.
また,輪作年限といって,栽培間隔をあけるべき期間というのが大体わかっております.
例えば,えだ豆ナストマトなどは大体3~4年,キャベツキュウリジャガイモなどは,大体2~3年ですね.
なので,こう言った指標をもとに,栽培計画を立てます.

また,おすすめなやり方は,一つの圃場を4~5つ(A,B,C,D,E)に分けて,それぞれ一年ごとに作物をローテーションさせて作っていくというものですね.大体の作物は,輪作年限は多くても5年なので,5つくらいに分けておくと,良いですね.

例えば,今年はAにはアブラナ科,Bにナス科といった感じで野菜を割り振り,来年は,Bにアブラナ科などといったように,ずらして栽培する方法ですね.季節で栽培品種を分けてもいいです.場所と作物を固定せずに,毎年違うところで,違うものを作るというものですね.

この方法,つまり連作を辞めるというのが,連作障害を回避する最も効果的なものであると思います.

連作障害の抵抗性のある品種

家庭菜園で,畑や敷地が狭いとか,そういった事情のある方は,輪作のローテーションを組むのが難しい場合があります.
その時には,野菜を選ぶ際に,抵抗性のある品種を選ぶということをお勧めしておきます.

ホームセンターや種苗屋さんでは,連作障害に対して,複合抵抗性のある品種が販売されていたりします.
他にも,接木苗で,連作に強いものが販売されていたりします.
苗の値段は,結構高いです.3~4倍はすると思いますが,どうしても栽培をしたい!という人には,病害虫に強い品種がお勧めです.

家庭菜園で,畑が狭い場合は,他にも一時的に,プランターを活用するというやり方でも良いかもしれないですね.

土壌消毒や土壌改良.

これも色々あるのですが,土壌の天地返しや,客土新しい土壌を入れる方法などがされたりします.
他にも,土壌の消毒もなされます.
近年では,太陽熱消毒といって,土壌にプラスチックフィルムなどを貼り,物理的に地温を挙げて,病原体や害虫を駆除するといった方法もなされます.

コンパニオンプランツ

これも結構色々あるのですよね.
例えば,大根の線虫には,キク科のマリーゴールドが良いとか,トマトやキュウリには葉ネギが良いなど,多くの組み合わせがあります.
前回,お話しさせていただいたのですが,スイートコーンキャベツの輪作も効果があると言われています.

有機物や資材の投入.

最後に,有機物や資材の投入ですね.
これも作物別に対応が変わるのですが,例えば,牛糞などはフザリウム菌を抑制する効果があると言われております.
他にも,根こぶ病の防除消石灰を使用するなどといったことがなされますね.

ここら辺の資材の使い方に関しては,作物別に検討する必要があるので,よく調べてご活用いただいたらと思います.