ミニトマト・トマトの果実が割れる原因と対策について!
この記事のポイント
  • トマトの裂果の原因は主に「水分」と「湿度」!
  • 温度よりも積算日射量.
  • 対策などまとめてご紹介!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「トマト・ミニトマトの果実が割れる原因と対策について」お話ししていきます.
栽培されている方で,パカッと果実が裂果した経験のある方は多いのかと思います.

ミニトマトなどは,長期にわたって開花結実するので,継続して果実品質を保って,生産することが難しいのですね.
最近,沖縄県はずっと雨で,おかげさまで一番花のミニトマトがパカッと割れましたし,毎年,いくつかパカッと割れます.
今回は,そんな原因と対策,科学的な観点から,ミニトマトとトマト(ほとんど一緒だと感じる)論文を10本以上読みました!そして整理したので,ご紹介したいと思います.

ミニトマトが割れる原因は,学術レベルでは,ある程度明らかになっております.
主な原因として,

  • 土壌水分の急激な変化.降雨,夜露.
  • 高湿度.
  • 日射量.
  • 品種.

栽培方法が悪い,というよりも,環境の要因によって裂果する場合が多いということです.
その中でも,最も気おつけなければいけないのは,水分湿度です.
この2つです.
実は,温度は,あまり関与してないです.逆に,積算温度が低い方が,裂果が多い,という研究結果もあります.
それよりも,「積算日射量」が大事である,という印象を受けました.
こちらも詳しく解説していきたいのですが,先ずは「水分と湿度」について考えていきます.

水分と湿度

前者の「水分と湿度」に起因した裂果については,雨が続く季節などでよく発生しますよね.
トマトが水分を多量に吸ってしまい,果肉細胞が20%急激に肥大化したものが割れるとされています.
これはもちろん品種によりますが,柔らかい品種では10%以上の膨張でも割れるようですね.
つまり,風船の中に空気を入れすぎると,割れるみたいなことが,ミニトマトの水分にも起こるのですね.

これはすでに京都大学の太田勝己さん「ミニトマトにおける裂果発生の機構解明とその制御に関する研究」という20年程前の論文ですが,色んなミニトマトの論文に引用されてる論文です.
裂果のメカニズムが報告されている論文です.
チャンネル説明欄にリンクを貼っておくので,ご参照ください.

水分と,湿度の影響と言いましたが,実は,栽培環境の湿度って大事なのですよ.

根から吸収した水分を,葉っぱなどから排出することができれば,裂果はある程度抑制できることも知られております.

例えば,施設内の送風処理によって,葉面および果面の水分蒸散を促すことで裂果を抑制できると言います.
こういった方法は,ベンチレーション法と呼ばれていますね.
要は,換気を適度に行う栽培方法ですね.
洗濯物を乾かす時に,扇風機を当てたり,風通しが良いところに置くと思いますが,あれですね.

ベンチレーションというのは,ヘルメットの側面やおでこの部分に開いている穴,風が抜けるように設計された穴などをよく,ベンチレーションというのですが,風通しを考慮したものです.

問題点:気功の問題!?

しかし,換気にも,問題があります.
京都大学の論文で注意があったのですが,夜間の換気は意味ないのですね.
なぜかというと,夜間は,気功が空いていないのですね.気功というのは,植物が呼吸したり,水分を蒸散する部位です.

夜間は気功が閉じ,水分の蒸散がないため,対策として,夜間の光照射を人為的に行い,気功をあけ,植物体内の水分を外に逃がす!というものですね.
なので,雨が多量に降っている時期,の夜間の光照射というのも有効であると言われております.

実は,裂果の時間帯も明らかになっていて,これは,多くは早朝の5~7時の間なのですね.
昼は気功が空いているので,水分を吸収しても蒸散ができるのですが,夜間は,気功が閉ざされていて,根から吸収した余分な水分が果実に流れるんですよね.なので,早朝付近に裂果するのですね.

一般的にできる対策

一般的に実践できるレベルの破果対策は,

・ミニトマトは雨よけ栽培(ビニールハウス).
・露地なら高畝(たかうね).
・日頃乾燥しないようにマルチシング.急激な水分や乾燥状態の落差をなくすため.
・水がたまらないように排水設備を設ける.暗渠をきるとかですね.水はけの良い土作り,圃場設計.

(などを行なって,主に水分の吸収ですが,土壌が急激に外的な環境要因の影響をモロに受けないようにする,それと,溜まった雨を適切に処理するということが求められます.)

積算日射量

後者の「積算日射量」こちらはトマトです.これもトマトの裂果の原因になりうることが研究で分かっています.
例えばこちら→「遮光資材による夏秋トマト裂果発生抑制技術(引用・同研究者続報版)

本論文で紹介されているものだと,幼果期から緑熟期(りょくじゅくき)までの積算日射量が大体 180(MJ/m2) で果実の割れが起きるようです.
(仕立て方によって若干違います.)

トマトは光要求性が強い作物で,特に夏場の果実肥大が急激に進むような時期には,光合成能力の増大が認められるので,この記事は,過剰な日照を遮光する(11時〜昼2時まで)といったような具合です.

なので,生育中の適度な遮光が有効な手段であることを発表しております.
しかしながら,極端な遮光は収量低下を招くので,よく検討する必要があるようです.トマト栽培も科学なんですね.

雨が特に厳しい時,そして果実肥大が起こる際の強い日照に気をつけるということが求められるのですね.

けんゆー

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