人類がこの地を去ると国土は100%森林化するこの国での農薬の考え方.
この記事のポイント
  • 日本は世界でもトップクラスの農薬大国であるが,その理由は様々!
  • 温暖湿潤で災害が多い国なので生態系が豊か!虫の防除が難しい!
  • 農薬を過度に使わず,適宜適量を守り,自然を守りつつ作物を作ろう.

けんゆー

日本という国をしっかり理解しようね!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
この記事は,毎週僕がメルマガで投稿しているオンラインサロンの記事の抜粋です!
(初月無料なのでのぞいてみて下さい!)

色々と農薬のお話が続いていますが,本日はなぜ農薬がたくさん使われているのかを考えてみたいと思います.
前回の記事では,日本はかなり農薬大国で世界でもトップクラスの農薬使用量を誇ることを書きました.


結構びっくりされる方も多いと思いますが,事実としてあるんですよね.

EUなどでは日本旅行のパンフレットに日本の葉野菜は食べないようにと,注意書きで書かれていると,木村秋則さん(奇跡のりんごを作った方)がおっしゃっていました.
ほんとなのか!?と思い,海外のサイトを英語で検索すると確かに日本産野菜の危険性を論じるページがわんさか出てきて驚きました.
(海外にはビーガンを含め,オーガニック食を支持する方達が多いので,ある程度の過度な注意喚起はあると思いますが...)
(僕の調査では,日本産のりんご,桃,ぶどう,ピーマン,白菜,ブロッコリー,ほうれん草などは避けよう!という表記が目立ちましたが,あまり表では大きい声で言えません.)

しかしながら,ネガティブな部分のみにスポットライトを当てちゃうと,生きにくくなっちゃうので,やっぱり農薬が支えているもの,そして日本という国の特徴などについても議論していきたいな,と思います.

なぜ,農薬がたくさん使用されているのか!?

世界の中でも日本が群を抜いて農薬を使用していますが,なぜ農薬が使用されているのか,という理由をきちんと要素分解していかないといけないと思います.

・気候が温暖湿潤で,虫が住みやすい環境であるため(防除).
・病害虫がつきやすい果樹などの作物が多いため(防除).
・市場では形や色合いの良いものが求められるため(防除+品質向上).
・国土の狭い農地で収量を増やすため(市場安定).
・JAさんなどが農薬と野菜をセットで販売するため(利権).

多くの理由が考えられますね.
一概に,農薬を沢山使用している国だよ!といっても,国によっても事情があるので,今回は日本という地域・気候という側面から,農薬の必要性を考えていきたいと思います.
(上に記した理由の初めの方ですね!)

全てが森林に還る国

現在,日本の国土の66%が森林であり,この国から全く人間がいなくなると,100%森林になると言われています.

けんゆー

100%森林に還る国は珍しいよ!熱帯国では人間がいなくなって放っておくと全て砂漠化するという国もあるのだよ

日本が100%森林に還る理由は,災害に恵まれているからです.
10日に一回雨が降り,多くの台風,地震,火山活性などがあり,大地がかなり活動的であるためです.

近年では温暖化の影響により,気候変動が騒がれていますが,そもそも日本という国は幾度となく大きな災害に遭遇してきました.

例えば,地震なんてものはその最たる例で,4枚の海底プレートの上にある国なんて日本くらいです.

(画像:「気象庁」南海トラフ地震について)

ヨーロッパの国々は直下にプレートがなく,過去10年でM6以上の地震に遭遇した国はほぼありません.

けんゆー

スイスなんて,過去800年にたったの5回しかM6以上の地震を経験していないよね


こういった地の動きは人類が生活する上では非常に悩ましいものでありますが,自然においてはものすごく健全なことで,言い換えれば土が豊かになるのです.

日本の土は,黒ぼく土といって,茶色を呈していることが多いです.
甲子園の球児たちがヘッドスライディングをすると,ユニフォームが黒くなるのは,日本くらいです.
(メジャーリーグなどは,赤や白や茶や肌色っぽい色の土をしてます.)

土の色は,土の肥沃土を表しており,日本のような黒やこげ茶は,非常に栄養分に富んだ土なのです.
この土を支えるものは,生き物の死骸やミミズの糞,落ち葉などの有機物なのです.

小さい虫から大きな動物までもが植物連鎖の中で活動し,死骸や排泄物なども長期的に見ると,土を豊かにしていくのです.
そういった意味でも,日本というは,台風,地震,津波,火山の噴火など,騒がしい国ではありますが,生態系が循環するためのイベントが沢山あるのですね.
(災害があるとその分,人類の死も身近になりますが....)

このような土地柄の国では,やはり多様な生物が存在し,人間が作物を育てる時に問題となる害虫も多いのです.そのため,集中的にある作物をドバッと植えてしまうと,その分,害虫もドバッと増えてしまうリスクが考えられるのです.

また,生態系が豊かな日本だからこそ,この自然を破壊しない方法を模索していかないといけないとも思います.
一概に農薬といっても虫の防除や殺菌,除草を目的とするものまで幅が広いです.
そのため,小さいところからでも代替できるところはそうして,上手く野菜作りと環境を考えながら農業をやっていけたら良いですね.

イスラエルも農薬大国であるが日本と事情が異なる

イスラエルもまた,農薬が高い国として有名です.

有機農業ニュースクリップから画像引用)

上の表を見ると,台湾,中国,韓国,日本などのアジアの国は,森林がある程度豊かで,農薬の必要性の想像がつくのですが,イスラエルは若干異色です.

実は,イスラエルという国は土が豊かではありません.砂漠地帯です.

森林は国土の5%です.
雨が非常に少なく,日本は人間がいなくなると,100%森林に還る国ですが,イスラエルはその唯一の5%も砂漠に還るのではないかと懸念されている国です.

しかしながら,イスラエルは次世代農業(ICT農業)が盛んで,肥料や農薬を野菜の生育に対して積極的に活用している国なのです.
日本を救う未来の農業ーイスラエルから学ぶICT農法ー」という本によると,イスラエルの土は有機物が入っておらず,砂のような土であり,黒ではなく白い土だと記述がありました.
本書では,イスラエルという砂漠地域(熱帯地域)は土作りができないといいます.

堆肥を入れたとしても暑すぎて,すぐに分解され,栄養分を保持できず,雨とともにあっという間に流れてしまうようです.
そのため,野菜を作ろうと思うと徹底した化学そして制御,これに尽きるようです.

冒頭でも少し書かせていただきましたが,国という地域やその気候によっても農薬の使用用途は異なるのですね.

日本は生態系に恵まれている故の農薬だったりするのですね.

もちろん,この国は問題の無いとされる量の農薬を使用していますが,それでも出来る限り少なくしていった方が未来のためであります.
国の事情・食の安全,正しい知識を勉強しつつ,今日も美味しく夜ご飯をいただきたいです.

それでは本日のお話はここまで!
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