- 畑に有機物を直接入れるのはNG!
- 窒素飢餓や苗の立ち枯れなどが発生する危険がある.
- 他にも,雑草などの有害生物などが入ってくることも.
ハイサーイ!
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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日は「なぜ堆肥化するのか?」というお話の続きをしていこうと思います.
畑に有機物資材などを入れて活用したいとき,ものによっては植物の生育を害してしまう可能性があるということで,一度堆肥にして,使っているかと思います.例えば,牛糞なども,そのまま「出来立て」を使わず,一度微生物の分解によって施用しても作物の害にならない堆肥というものを入れると思います.稀に,そのまま生の牛糞を使っているところも見ますけど,結構驚いてます.本来であれば,時間をかけ堆肥にした方が良いですよね.
今回は,「なぜ堆肥化するのか?」ということですが,5つの理由を挙げさせていただきました.
- 窒素飢餓を回避するため.
- 下等なカビなどの発生を防ぐため.
- 微生物の生成する有害物質を減らすため.
- 雑草の種などの有害生物を死滅させるため.
- 衛生上問題になる病害虫の伝染を防ぐため.
です,前回「窒素飢餓を回避するため」の説明をさせていただきました.
まだ,そちらをご覧になっていない方は,ぜひ前回の記事を読んでください.
この記事のポイント 有機物を畑に入れる時は堆肥化する必要がある. 堆肥化しないと,窒素飢餓が発生することがある…
今回は,それ以外の4つを時間の限り深掘りしていきます.
また,今回参考にさせていただいてる文献も「基礎講座 有機農業の技術」を参考にしてます.
下等なカビなどの発生を防ぐため.
堆肥化した方がよい理由はかなりありますが,本書では,下等なカビなどの発生を防ぐためにも堆肥化が有効であるとしております.例えば,緑肥やわら,新鮮な牧草などを畑に鋤き込む方も多いと思いますが,稀に「苗立ち枯れ」のリスクがつきます.なので,まだ青いものや未熟な有機物を入れた直後は,作付けは控えようとか,畑の中である程度分解するまで待ってね!と言われると思います.本書では,これを下等なカビの発生が原因である場合があると言います.
上等の反対だね!
例えば,「ピシウム」などのカビが挙げられます.
こういったカビも畑の中にはいることはいるのですが,大体は土壌の中で休眠状態の胞子の形で眠っています.
ただ,有機物を入れた直後,有機物に含まれる糖分で,その胞子が一斉に発芽するということが起きます.
そして,作物が芽を出したとき,地際部分などに感染して,その部分が力が無くなり細くなります.
その結果「苗立ち枯れ」が起こるというものですね.
なので,堆肥化にして安定な状態にすることをお勧めしている方です.
微生物の生成する有害物質を減らすため.
次に,「微生物の生成する有害物質を減らすため」についてお話しいたします.
時に,微生物自体も作物にとって有害な物質を生成することが知られております.
たまに,有機物の中に植物の根っこが突っ込むと,根の先端が黒くなって,細い根っこも生えない,みたいな状態になっていることがありますが,これは,有機物を分解する微生物による害であることがあります.
ちょっと複雑な話をすると,例えば,食べやすい炭素化合物があり微生物が急に増大すると,この微生物がベンゼン環という6個の炭素原子からなる正六角形の構造をしたC6H6を持った有害物質を細胞の外側に分泌しております.
それが原因で根っこが痛むことがあります.
雑草の種などの有害生物を死滅させるため.
次は,自然栽培や有機栽培をしてる方や,草マルチなどを使っている多くの方も経験してるかもしれないですが,有機物の中に「雑草の種などの有害生物」が紛れ込んでいることがあります.
堆肥化をすると,分解の過程で熱が60℃以上に上がることもあり,こういった有害生物を殺すこともできます.
本書では,雑草の種の死滅は,57.1℃以上になるとよいと紹介がありました.
すごい勉強になる!!
厄介なのは,帰化雑草といって,元々は海外にいたんだけど,日本に雑草として住み着いてしまって,これの対処が難しいというものがたくさんあります.一度畑に入れたら大変というものが多くあるのですが,せっかくそういった帰化雑草の除草を頑張ったのに,有機物を入れてしまったがために入ってしまうということもあります.例えば,枯れ草をマルチとして,他から持ってきた,などが典型だと思いますし,他にも堆肥化されてない牛糞の中に混ざっているというケースもあります.
気をつけてください.
衛生上問題になる病害虫の伝染を防ぐため.
最後に,堆肥にした方がよい理由として「衛生上,問題になる病害虫の伝染を防ぐ」という目的があります.
人体に感染する衛生病害虫も堆肥化の熱で死滅するのですね.
先ほどの雑草の種などの他に,寄生虫の死滅などもありますね.
コンポストなどで,ヒトの糞尿を活用するのも増えていると思います.
この時にも,堆肥化をしっかりおこなっていないと,寄生虫などのリスクがありますね.
僕も初めて知ったのですが,本書によると,時々「クリプトストリジウム」という原虫が問題になるようです.
これは実際に,埼玉県の保育園であった話ですが,子供たちがすごい下痢と発熱の食中毒症状を起こした時があったようです.
こちらは,糞の始末などが悪いと,水道水などから大量に感染する可能性があると言われます.
本書によると,水道水の消毒に使う塩素濃度で死なないらしいですね.
最後まで読んでいただきありがとうございます.
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