野菜(植物)の必須元素と生育,どのような効果があるのかを知る.
この記事のポイント
  • 17種類の必須元素について解説!
  • 主要な3大要素について詳しく解説!
  • 窒素・リン酸・カリウムについて!(残りの詳しくは次回)

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「野菜に必要な必須元素」についてお話ししたいと思います.
よく野菜を育てる上で,窒素・リン・カリの三大栄養素は大事だよ!と言われるのですが,実は17種類の元素が必須であると言われます.今回は,この17種類の必須元素を取り上げて,それぞれがどのような役割を持つのか,をまとめたいと思います.
窒素・リン・カリウムは必要と言われてるけど,ではそれら要素が野菜もしくは植物体にどのように作用しているのか,そういったことを知りたかったり,その他の要素についても詳しく知りたいよ!という方は,お聞きいただける良いのかなと思います.

17種類の必須元素

ではまず先に,17種類の必須元素から確認していきます.

窒素(N)リン(P)カリウム(K)カルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)硫黄(S),この6つは,生育において,比較的多くの要素を要求します.

他には,鉄(Fe)マンガン(Mn)亜鉛(Zn)銅(Cu)塩素(Cl)モリブデン(Mo)ホウ素(B)ニッケル(Ni),これら8つは,比較的微量な要素を必要とします.

他には,酸素(O)炭素(C)水素(H)ですね.この3つは,これらは特に外部から直接与える必要はないのですが,構成要素として必要なものです.しかも,野菜の構成要素としては,ほとんどが酸素,炭素,水素でできております.水素と酸素は,水(H2O)から,取り込めますし,炭素は二酸化炭素から取り込むことができます.特に与える必要はないのですが,例えば,生育を促進させたい,光合成を増大させて収量を増やしたい,とかある目的の元では,栽培環境の二酸化炭素濃度をあげる,という栽培方法もあります.

さらに,必須ではないが,有用な元素として,ナトリウム(Na)ケイ素(Si)があります.
成長を助ける元素ですが,特にケイ素などは,イネの成長にはほぼ必須なものと言っても良いくらい重要な要素になっております.

それぞれ,必須元素の役割を解説していきます.

3大栄養素について!

窒素(N)

窒素は,タンパク質(アミノ酸)の主成分です.
身体を大きくするための細胞分裂・増殖に必要です.葉緑素や酵素,核酸などこういったものを生成します.
つまり,人間が見える部分でお伝えすると,例えば,茎や葉っぱ,そして根っこの成長に大きく寄与します.
他にも,同化作用などにも影響しているのですが,主に身体を大きく成長させることですね.
僕はいつも,入れすぎは良くないよ,というのですが,過剰に窒素を入れると,植物が徒長します.
細胞が増えたら良いのですが,多くの場合は,植物細胞の数は増えずに,一つ一つの細胞の肥大化が起きます.余分な硝酸態窒素が溜まって,そうなると細胞壁が薄くなり,虫にやられやすくなるのですね.

けんゆー

虫食い野菜は美味しいというのは,あれは根拠のない理論なのですね.美味しい野菜は,健康な野菜であり,健康な野菜は虫がつきにくいのですよね.


この辺の話は,以下の記事「肥料を入れすぎると虫がくる理由」が詳しいです.

リン酸(P)

リン酸は,野菜の生長もそうですが,特に開花結実に深く関わります.
また果実の収量を高めたり,品質をよくします.

リン酸は,DNA(デオキシリボ核酸:遺伝子の本体)や,ATP(アデノシン三リン酸:エネルギーを溜めたり放出したりするもの)や,細胞膜の主成分になります.
やはり,遺伝的な要素が強い花とか果実などを作る際には,やはりリン酸が重要な役割を担ってるのですね.
リン酸の肥料として扱う場合には,水溶性とか,可溶性,く溶性リン酸など,いろんな形態のリン酸がありますが,化学の分野では,そう言ったリン酸塩類を相性して,リン酸(もしくはリン(P))としてます.

ちょっと軽く説明を加えると,水溶性リン酸は,水に溶けるので,野菜の吸収は早いです.
しかし,土の中で不溶化しやすいです.

けんゆー

不溶化というのは,いろんな金属・重金属とくっついて,溶けなくなるということですね.


く溶性リン酸というのものは,2%のクエン酸に溶けるリン酸ですね.
野菜の根っこから出る根酸に溶けるというものです,効果は遅いが不溶化しにくいという特徴があります.

可溶性リン酸は,水溶性とく溶性の中間といったところですね.
クエン酸アンモニウムに溶けるものになります.

カリウム(K)

カリウムも,いろいろな野菜の生育にとても必要なものです.
生育の調整機能を維持するための要素です.
根の成長とかにも関わるのですが,例えば,水分の蒸散作用を調整したり(気孔の調整),病害虫に対する抵抗性を高めたり,他には寒さや暑さに対する耐性なども,カリウムが必要です.
開花・結実も促進したり,成長速度の調整なども行なっております.
植物は根っこから水分を吸収するときに,浸透圧で養水分を吸うのですが,この浸透圧調整にも深く関わってます.

他にも,ATPの合成・転流,澱粉やタンパク質の生成,移動,蓄積などなど,多くの貢献をしてます.

カリウムというのは,金属なので,実は土の鉱物の中にそこそこ大量にあるのですが,野菜がカリウムを吸収するには,水溶性の状態になったときにしか吸収できません.
そのため,鉱物中のカリウムが,カリウムイオンとして土壌コロイドに溶け出してくっつき,そうして初めて植物が吸収できるようになります.

残りの必須元素は,他の記事に追記していきます.