【#108】イネの歴史,農耕の歴史.人類は凄すぎる.
この記事のポイント
  • 元々稲は脱落性という性質があり,弾け飛んだ.
  • 非脱落性の稲は突然変異体で自然淘汰される稲だった.
  • しかし人類がそれを栽培し,現在の文化を作った.

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日のお話は「イネやムギの驚くべき歴史・人間との関わり」ということについてお話ししたいと思います.
稲と麦は人間の食の発明のうちで,最大のものでしょうね.
みなさん,お米がない日常が想像できますか?

お米の美味しさを知ってしまったら,もう無理です.
僕は,結構,海外経験が多く,20回くらい旅行して,マレーシアでは3ヶ月くらい働いて,ニュージーランドには短期ですが留学をしてて,アメリカには,1週間くらいの滞在を4回くらいしてて,その他,多くの国をふらふらっと行っていたのですが,やっぱり日本に帰ってくるときには,お米が食べたくなるんですよね.

けんゆー

今は,コロナでどこもいけないですけれども,,,


お茶碗に入れた炊き立ての白米を,何もつけずに,胃袋に放り込みたくなるのですよね.
やはり,人間がこれまで作ってきた栽培種のなかで,お米は最大の発明だと思うのですよね.

また,食文化が違う国では,麦がそういった役割を担っているのかと思います.
小麦粉が作れますから,たとえば,パンとか麺とか,ですね.
アメリカに行くと,大体,パン食でしたね.
日本でも小麦粉の食文化は今となってはかなり根強いので,パンや麺,お好み焼き,たこ焼き,そういったものが今後食べられなくなる未来は,ちょっと厳しい感じがしますね.Dr.stoneという漫画があるのですが,その漫画では一から文明を作り上げていくのですが,そん漫画で出てきた「猫じゃらしラーメン」はかなり絶賛されてました.
やっぱり人間の食として,稲というものは,ものすごく美味しく,脳への快楽が多いのでしょうね.

というところで,今回の内容は,「イネやムギの驚くべき歴史・人間との関わり」ということについてお話ししていきたいと思います.
今回は岩波新書さんから出ている「栽培植物と農耕の起源」という書籍から参考にさせていただいております.
こちらの本,めちゃくちゃ面白いです.
100回読んで,100回発見がある本です.

ということで,本日もよろしくお願いします.

イネやムギの野生種.

先に,イネやムギの野生種のお話をしたいと思います.

実は,イネやムギなどの現在の主要穀物などは,野生種と比べると,現在の栽培種は全くの別物だと言います.
ちなみに,穀物というのは,澱粉質を主体とする種子を食用とする食材の総称のことを指します.

例えば,現在のお米などは,たわわに膨れ上がった稲の穂がイメージとして浮かび上がるのですが,実は,野生種のイネは,そんなおしとやかではありません.

野生種の稲は,「脱落性」といって,穂を掴み取ろうとすると,勢いよく弾けます.
現在の,例えば,秋田こまちとか,コシヒカリとか,ミルキークイーンなど,様々な品種がありますが,全て,果実は,穂から飛び散らないと思います.

しかし,当時の稲はちょっとした衝撃で弾け飛ぶのですね.
これは,種子を自然散布するためで,次世代に種(シュ)をつなげていかないといけないからです.
地面に種を落とさないと,いけないので,当時は熟したら,穂から脱落するという性質がありました.
また,野生種は,一般に細く痩せていて,スマートな姿でもありました.

現在の稲のように太く,大柄ではなかったのですね.

しかし,数千年前の人類は,狩猟採取のスタイルから,農耕スタイルに変わる時があります.
これまで,探索して食料を探していたのですが,知恵を使って,田畑を耕し,作りだすということを覚えるのですね.

そして,稲には豊富なデンプンが含まれており,炭水化物やタンパク源になりましたから,どうしてもこれを栽培したいと考えるわけです.
そして,数千年をかけて,稲の「脱落性」をどうにか改良して,弾け飛ばない「非脱落性」に改良するわけです.

稲のうち,多くの粒は刺激により弾け飛ぶのですが,その中でも突然変異体で,一部穂に残る粒がありました.
これは,稲の種でいうと,欠陥品で,人間がいなければ,自然淘汰され,自然から排除されます.
穂の上に果実が残るため,鳥などに食べられたり,地面に落ちないので,発芽しないので,次に遺伝子を残せないのですね.

しかし,人類にとっては,この非脱落性は都合が良かったのですね.
その都度,果実が脱落していたら,収集に時間がかかりますし,収量は減ります.
なので,人類は,弾け飛ばない稲を求めたのですね.

そこで,穂についた突然変異体の弾けない種子を採取し,それを植え始めました.
その種子から育った稲は,弾けない果実をつける割合がちょっと多かったのです.
ここから,何世代にもわたり種取りをして,現在の稲が誕生するわけです.

とても面白いですよね.
今私たちが食べているお米は,自然状態では,決して生存ができなかった,不良品の稲なんですよね.
人類と稲の関わりは根強いです.もちろん,そういった理由で,ムギもそうです.

インドには野生種がある.

実は,南インドには現在,野生種の脱落性の稲がある地域があります.
そこでの稲の収穫は,竹の籠を持って,バットを振るかの如く,水平方向からすくい上げるのですね.
そうすると,稲が弾けて,籠の中に入ります.
もちろん,地面に落ちるものもありますが,それは来期の稲になります.

何千年たった今でも,野生種に近い状態の稲を食べている文化の方達もいるのですね.
コロナが収まったときには,行ってみたいなぁと思うのです.

文化の話.

最後に「文化」という言葉についてお話しします.
文化というと,大体の方は,芸術とか,美術とか,文学など,そういったことが頭によぎるかと思います.

しかし,文化という言葉のルーツは,実は「耕す」ということなんですよね.
人類が,農耕民族になって,稲を栽培したということが,文化なんですよね.

文化というのは,英語でいうと「カルチャー」ですよね.
一方で,耕すというを英語でいると「Cultivate」なんですよね.
つまり,耕すことによって,文化が生まれてくるのですよね.
文化の出発点は,農耕ということになるのです.

現在の人類は,多くの国で様々な特色の文化があります.
それは,元々,かつての私達の祖先が,何かを耕し,何かを作り上げてきたところから始まってきたのかもしれないですね.
ということで,今回は,「イネやムギの驚くべき歴史・人間との関わり」ということでお話しさせていただきました.