過去10年で最も人間を病院送りにしている植物は実は○○だった!
この記事のポイント
  • 植物にはなぜ毒があるのかを紐解く!
  • 適切な栽培をしなければ,食中毒になる場合がある!
  • 世の中には,野草でも人を殺せるくらいの毒を保有しているものもある!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日は「過去10年で最も人間を病院送りにしている植物は!?」という内容でお話しさせていただきたいと思います.
気になりますよね!
実は,僕たちにとって最も短な野菜なので驚きです.
こちらの内容は京都大学で博士号を取った田中修(たなかおさむ)さんの本「植物はなぜ毒があるのか」という書籍を参考にお話しさせていただきます.
2020年3月に出版されたかなり新しい本です.

さて,冒頭の問いの結論から申し上げますと,実は「ジャガイモ」なんですよね.
厚生労働省が公式に発表している数字の上でみると,過去10年(H21年〜H30)でなんと,346人が病院に運ばれています.
死亡者は0人なので,ちょっぴり安全ですが,驚きです.
今回は,この数字の内側についてお話ししたいと思います.さらに,ワースト7くらいまでをご紹介したいと思います!
また,過去10年の間に最も人間を殺している植物についてもご紹介しておきます.
謝って食べることが多い草があるので,こういった知識も知っておくといいのかもしれません!

ジャガイモが一番人間を病院送りにしている!

けんゆー

過去10年で最も病院送りにしている植物はジャガイモなんだね!


346人,毎年30~40人ほど,食中毒になって病院送りになっている計算です.
先に言っておきますが,この病院送りになっている人の大半が,小学生だと言われてます.

ジャガイモには毒がある!?

ジャガイモというのは,毒があるんですよね.
毒の名前は2つ「ソラニン」と「チャコニン」です.神経毒なのですが,植物の多くが持っているアルカロイドの一種ですね.
唐辛子のカプサイシンや,玉ねぎのアリシン,コーヒーのカフェインなどもそうですね.植物由来の有機化合物で,取りすぎるとよくないです.コカインやモルヒネなどもうまく使えば効果的な鎮痛剤,間違った使用は,劇毒ということになります.


けんゆー

他にも,チョコレートやアボカド,こういったものは,犬とか猫とかには毒だよね!


ジャガイモの芽には毒がある」というのは有名な話ですよね.
また,ジャガイモの表皮が緑色に変色してきたら,「ソラニン」と「チャコニン」が出てきているので,食べないでください.
これらの2つの毒は,アセチルコリンという神経系の興奮を伝達する物質の分解を阻害する,という効果があります.
このアセチルコリンが,体内で適切に代謝されないことが理由で,腹痛や吐き気,心不全などが起きます.
ジャガイモのこの2つの毒は,基本的には,加熱処理をしても無くならないので,ジャガイモの芽や緑色の部分は,切り取るべきです.
ソラニン」と「チャコニン」に関しては,人間は解毒ができないので,絶対に取ってください.

基本的にジャガイモは,太陽光を嫌います.また,家庭の電気,電灯の光も嫌います.
なので,収穫後は,光の当たらない場所に保存するというのが,一般的なのです.
そうすることで,毒が表に出てこない構造になっております.

じゃがいもの毒は生育上で必要なもの!?

ネガティブなことばかり言うと,もしかしたら,ジャガイモを買わない方がおられるかもしれないので,付け加えておきますが,スーパーなどに売られているジャガイモはほぼ大丈夫です.そして,ほど全ての植物は多かれ少なかれ,毒を持っています.カフェインも見方によっては毒ですし,人間が解毒できると言うだけで,トマトのトマチンなんかも,虫に取っては毒なのですね.

そして,ジャガイモのは生育の上で必要不可欠なものなのです.
例えば,土寄せができておらず,ジャガイモが土の中から顔を出したとしましょう.
ジャガイモには良質なデンプンが沢山入っておりますから,そうすると,動物や虫に食べられるのですね.
そのため,光に当たると毒を生成して,自身の身を守ると言うことをしているのです.

実は,このジャガイモの毒を作る性質は,遺伝子レベルで解明されております.
2019年に,遺伝子操作で,ジャガイモの毒を作る遺伝子を取り除き,毒のないジャガイモを作りました.
すると,驚くべきことに,成長しなかったらしいのですね.
なので,この毒の有無が,成長を促進する鍵になっている,芽を出すために不可欠なものになっていることが明らかになったのですよね.

話を戻しますが,なぜ小学生が病院送りにされているのかというと,実は,学校菜園によって作られたジャガイモによる被害が多いということが言われてます.
本書では,プロの農家さんが作るジャガイモと,小学校がカリキュラムとして作るジャガイモの出来はかなり違うと言います.

やっぱり学校で作るジャガイモは,かなり小粒になると言います.
土地が痩せてたり,適切な芽かきなどの栽培管理ができていなかったり,土がうまく被さっておらず毒素を作っていたり,まあ,芋が小さいのですね.
そうすることで,皮の表面積が増える,そこに毒素を作りますからね.
このようなジャガイモが危ないということが,結果として出てしまっています.
なので,小さいジャガイモを無理やり食べる,子供が学校で作ってきたジャガイモをありがたく食べさせるということは,あまり宜しくないよ!というお話ですね.

けんゆー

みんなも気をつけてね!

食中毒植物Worst5

さて,じゃがいもの話で時間がいっぱいですが,10年間の食中毒植物ワースト5だけ発表しておきます.

  • 1位:じゃがいもで346人
  • 2位:スイセンで180人(死亡者が1人出ております.)ニラと間違えやすいです.
  • 3位:チョウセンアサガオで39人,
  • 4位:バイケイソウで33人.
  • 5位:クワズイモで26人,
  • 6位:観賞用ヒョウタンで20人.
  • 7位:イヌサフランで19人なんですが,なんと死者が8人出ております.

このイヌサフランがここ10年で最も人間を殺している植物です.
(ギョウジャニンニクやタマネギとよく間違えて食べる方がおられるようです!)

植物というのはもれなくを作ります.
これは,自身の防衛ですね,病原体や虫,そして動物から身を守るために,作っております.
それを人間は,調理したり,適切な量を取ったり,もしくは,身体の内側で解毒を行なって,摂取しております.
やっぱり人間も植物を食べていかないと,生きていけないわけですから,やっぱり命に関わるような情報だけでも知っておくことが大事なのかなと思います.
全部覚えろというわけではないです.食とは誰かとの関わりである場面が往々にしてあるので,ここら辺だけでもしっかりと理解していきたいですね.