- 摘果をするタイミングは自然落果の後!
- 果樹は,自然と果実を落とすタイミングがある!
- 葉果比と,葉っぱの着く位置も重要である.
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日は「摘果のタイミングと葉果比について」取り上げていきたいと思います.
果樹を栽培している方にとっては,摘果などはとても重要な作業になると思います.
摘果というのは,果実を間引く行為ですね.
たくさん果実を成らせすぎると,一つあたりの果実の質が上がりにくいです.
つまり,美味しく食べ応えのある果実を作るために,果実をある程度摘んで一つ一つの果実をしっかり作るために行う作業なのですね.
また,多くの果樹というのは,なり年と不成年があります.
この毎年の不安定な収量を,摘果という作業で成らせすぎない管理を行うことで,ある程度安定した収量に調整することもできます.
今回は,この摘果のタイミングと摘果を行うための目安である葉果比についてお話ししたいと思います.
果樹栽培をされている方のご参考になれば幸いです.
摘果のタイミング
まず,摘果のタイミングなのですが,結論から言うと,ある程度果実が大きくなってから本気で取り掛かると言うのが正しいです.
これは,木自体の生理的特性と,なぜ果実を作るのか?ということを理解すると,必然と手をかける部分が見えてくると思います.
果樹の生理的特性なのですが,どのような植物も彼らの目的は子孫を残す事(種子を作ること)なので,果樹は果実をつけることが最も重要なことです.
そのため,果樹は初めに,ある程度多めの花を咲かせ,多めの果実をつけます.
これは種子形成が完了するまでに,例えば,虫の被害にあってしまったり,台風などによる強い風で種子ができる前に傷がついてしまったり,その他にも天候などの状態で必要な養水分が一時的に遮断されたりと,健全な成長を阻害する要因がたくさんあるからなのですね.そのために,果樹というものは,そう言った不確かな未来に備えて,ある程度,多くの果実をつけるのですね.
そして,種子形成,果実の肥大化の際に,傷がついてしまったもの,成長がうまくいかなかったものは,自然落果という樹木自身が持っている機能によって,振り落とすという事をします.一つの木が管理できるエネルギーは限られておりますから,健全な種子を作るためにも,不健全なものは自ら養分の供給はやめて,落果させるのですね.
私たちは,自然落果が起こる!という事を前提に,結実した果実を見ないといけません.
自然落果が起こりにくくなるのは,果実にもよりますが,ある程度サイズが大きくなるまでは分からないのですね.
本当は,受精不良で,大きくならないことや,奇形になることもありますが,小さいうちには,判断がつきにくいものです.
そう言ったものは,木自身が,成長の過程で,自然に落としてくれることが多いです.
そのため,摘果のタイミングというのは,ある程度,果実が大きくなってから,自然落果が落ち着いてきた後にしか,判断ができない場合が多いのです.
摘果を何回にも分けて行う,という方もおられます.
まず,小さな幼果がブワッとできたタイミングでやる場合は,このあと自然落果があることや,もしかしたら奇形が残ってしまう,ある程度大きく成らないと分からない症状が出てしまう,そう言った事を見越しておく必要があります.
僕も初めて果樹を触った時は,ブワッと果実ができた時,慌てて,摘果をしないといけない,という思い込みに駆られてしまい,落としてしたものです.
しかし,焦らなくても良いのですね.
形がある程度,見えてきた時でも大丈夫なのです.
葉果比
果樹には,葉果比というものが存在します.
葉っぱと果実の比という漢字を書きます.
つまり,1つの果実の成長のために,必要な葉の枚数のことを指します.
葉っぱというのは,光合成を行う器官であり,その光合成によって,炭水化物(ブドウ糖などの単糖類)が作られるわけですね.
これは,果樹ごとに決まっております.
現在は,多くの研究が進んでおり,大体,この辺であろう,ということがわかってきております.
例えば,
アボカドとかは一つの果実に対して50枚程度の葉が必要と言われるので,50:1です.
他にも,
- りんご,50:1
- 梨,35:1
- 温州みかん,30:1
- もも,30:1
- 巨峰,20:1
- マンゴー,50:1
などなど,数値には幅がありますが,目安は大体このようなものです.
その他の果実が気になる方は,インターネットで調べてみると,すぐに出てきます.
例えば「デコポン 葉果比」とかで検索すると出てくると思います.
質の良い(糖度の高い)果実を作ろうとすると,その適正値よりも気持ち多く葉っぱを残してあげることが必要です.
また,近年では,果実の先の葉っぱを残すことが,より大きく影響するということが言われております.
葉っぱの枚数もそうですが,葉っぱがどの部位につくのか,ということも大事なのですね.
こう言ったことも考えながら,摘果作業をやってみると良いかなと思います.
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