キュウリ(胡瓜)の性質,原産,特徴!気をつける点!知っておきたい基本的なこと!栽培に活かすために!
この記事のポイント
  • インド北部,ヒマラヤ山脈の麓原産.水を好む!
  • 夏野菜であるが,冷涼な気候を好む.
  • 華北系と華南系の栽培品種を理解する.

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

本日はキュウリの栽培について取り上げていきたいと思います.
キュウリの原産地を知り,キュウリの持つ性質や特徴,構造的なところを押さえ,栽培に活かせていけたらなと思います.

キュウリの原産,性質

<キュウリの特徴と栽培法について>
名称キュウリ
ウリ科
栽培難易度普通.
原産国インド北部,ヒマラヤ山麓地帯.
土壌pH6前後,弱酸性
生育適温20~25℃
暑さ強い.40℃以上はダメ.
寒さ弱い.7℃以下はダメ.霜は大敵.
サイクル一年草.
雌雄同株
乾燥注意.
根の形態主根浅根型(100cm程度).
株間1m程度.
病害虫比較的強い.ウドンコ病!
けんゆー

ざっくりとした特性は上のような感じ!

キュウリは栽培自体は,ある程度放任ができ,簡単ですが,販売するものを作ろうとすると途端に手がかかる,という印象です.
なぜかというと,曲がったものや,大きくなったものなどが売りにくいため,選別する必要がありますし,そのようなものをなるべく作らないような肥培管理が求められるからです.

けんゆー

僕たちは自分らで作って自家消費をするので,関係なく作ります

ヒマラヤ山脈は多様な生態系

ヒマラヤ山脈は,世界一高い山脈として知られております.
インド,中国(チベット),ネパール,ブータン,パキスタンにまたがる山脈で,そのヒマラヤ山脈のうち,ネパールと中国の境界にあたるエベレスト(中国ではチョモランマ)は8848mと怪物級です.

ヒマラヤ山脈の気候は,ものすごく多様です.
山脈の麓は,熱帯に属しますが,山の頂上に行くに従い,気温が下がります.
標高の低い低地は,森林が広がります.
標高が高い高山帯は,氷床と雪に覆われた地帯です.

けんゆー

サンスクリット語(古代インド)でヒマは雪,ラヤは「すみか」という意味だよ!最上部の雪は溶けないので,そうなったんだね!

年間降水量は西より東の地域の方が多い傾向があります.
西の方は乾燥してますが,東の方は,雨量が豊富なため,植生が全く異なります.

そのため,生態系もものすごく豊かなのです.

けんゆー

キュウリの野生種は,インド北部の低ヒマラヤで見つかっており,卵型ほどのサイズだったよ!とても苦味が強くて食べられないものだったんだ!

華南系 VS 華北系

けんゆー

新鮮なキュウリは美味しいよね!


僕らの国でのきゅうり栽培品種は,華南華北に分けられます.
けんゆー

元々は,中国の南部で栽培されていたものと,北部で栽培されていたものだね!


1000年前に華南系が,江戸時代後半に華北系が入ってきます.
前者は主に春,黒イボ型のものです.後者は夏,白イボ型のキュウリが一般的です.
けんゆー

両方の性質を持っているものもあるよ!


近年では,夏のキュウリの白イボ型(華北)系統のものが,皮が薄く歯切れも良くて人気なのかなとも思います.

華北系と華南系のキュウリもまた花のつき方成長の仕方に特徴があります.
華北系キュウリは,雌花が節に飛び飛びにつき,親づるよりも子づるや孫づるに花を多く咲かせる性質があります.
また,高温期にて,花をよく咲かせ,低温期は生長が悪いので,夏の栽培種になっております.

一方で,華南系キュウリは,親づるの葉の付け根の節ごとに,雌花がつく性質があります.
日長時間が長く,高温下環境になると雌花がつかないという性質があり,その時は雄花ばかりになる傾向があります.
そのため,華南系は春の栽培種に向いてますが,現在は,九州や四国などの一部の地域で栽培がされてます.
全体の1割程度です.この品種は地這い栽培がやりやすいです.

キュウリの原種

キュウリの原産は,インドのシッキム地方だと言われております.
wikipediaによると,そこは,ヒマラヤ山脈に囲まれ,高度も280m以上と高いようです.
土地の大部分は岩石の多い斜面で農耕にはそこまで適した場所ではないですが,一部段々畑ができます.
そして,面積の1/3は森林で,100以上の川が流れます.気候は亜熱帯から寒帯にわたります.
北部では1年のうち4か月が雪で覆われるようです.
また,多くは28℃を超えない温暖な地域なのです.
耐低温性がウリ類の中で比較的強く,生育期間が短いく,夏野菜ですが,高温を望みません.

けんゆー

そういった意味では,日本中,どこでも栽培ができるよ!

キュウリはそういった水が豊富な地域で生まれました.
キュウリの原種はもっとずんぐりむっくりしていて,標高は1000mくらいの場所だったようです.

岩が多い地域だったこともあり,根っこを浅くはり,本来,地を這って他の草の上に乗っかって成長していくものでした.
これが華南系のキュウリです.日長時間が長いと,花がつきにくいタイプです.
元々,霧が多く,日長時間もそんなに長くはないです.

しかし,ある時突然変異が起きて,現在の華北系統のキュウリができます.このキュウリは,日長時間が長くても,良くなるタイプで,そこから空中にあげて栽培できるようになりました.
現在は,華南系や華北系の交配などもあり,さらなる品種の改良が進み,美味しいキュウリができたのですが,従来の地這えの華南系よりも,若干草に負けやすくなりました.定植後,もしくは発芽後,苗が小さいうちは,しっかりと周囲の草を刈り,狩った草をマルチにしておきましょう.

けんゆー

美味しいキュウリがあるんだね!

胡瓜の漢字の意味

キュウリ(胡瓜)の「」という漢字が何を表しているかご存知でしょうか.
実は,これ,古代中国の北・西方民族に対する漢字です.

キュウリというのは,原産はインドなのですが,インドからシルクロードを経由して中国へ渡り,その後日本へも伝来したということもあり,「胡」という字が使われております.
胡麻(ゴマ)(原産:アフリカ)も.胡とよばれた国から渡来した麻ということで,胡麻と言います.
胡椒(こしょう)(原産:インド)もそうです.
胡桃(くるみ)(原産:ヨーロッパ南西部からアジア西部)もそうです.

白い粉のようなブルームの効果!

キュウリは,果実に,ブルームと呼ばれる白い粉のようなものが表面に付いていることがあります.
これは,多くの作物でそうです.水分の蒸散を防いだり,果実の皮を病原菌などから守る役割があります.

しかし,一般消費者は,白い粉が農薬かなんかと勘違いする方が多く,近年は,ブルームレスキュウリと言って,この白いブルームが出ない品種があります.
果皮の光沢が綺麗で,見栄えが良いですが,その分,ちょっと皮が硬いかな?という印象を受けます.
やはり,ブルームレスにした影響で,皮を厚くして自身を守っているのでしょうね.
現在は,品種改良がなされており,どちらも美味しいのですが,見た目をとるのか,食感を選ぶのか,選ぶ際のご参考にしてください.

栽培

キュウリの栽培をされたい方で,おすすめなのは,華北系の情報をより多く引き継いだ品種が栽培しやすいです.
子づるや孫づるに花がつくタイプですね.
栽培管理は「これならできる自然菜園」を参考にしてます.

  • 1~5節目までは,子づるの芽かきをする.
  • 6~10節目は,わき芽,一つの果実を残して摘心.
  • 11節以降は,放任.

です.
風通しをよくし,なり疲れを阻止し,キッチリ根が張るような管理をしてあげると上手くいきます.
また,果実が曲がってしまったり,お尻が太ったり,逆に果実の先が萎んでしまったりする場合も,水不足や肥料不足,栽培温度が高すぎるなどの問題があります.
そう言った障害が現れた際には,早めに摘んであげて,栽培を見直してみましょう.

けんゆー

僕らは,このくらい曲がってても気にせず食べます笑

けんゆー

なり疲れとか,乾燥してると,このような尻細りした果実になるよ!

コンパニオンプランツ

以下の野菜と相性が良いです.

  • ネギ類(ウリハムシ防除,土壌殺菌).
  • マメ類(窒素供給).
  • バジル(虫除け).
  • シソ(虫除け).
  • パセリ(乾燥防止).
  • ミツバ(乾燥防止).

などが相性が良いです.

逆に,ナス科やニンジン,ゴボウなどは,ネコブセンチュウを誘発してしまうので,注意が必要です.

いかがだったでしょうか.
キュウリの原産や性質,特徴などを深く理解して,栽培にも応用されてください.

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