- 自然農法・自然農・自然栽培・天然農法・循環農法・炭素循環農法の共有した目的とは!?
- 肥料ではなく自然の天然の養分で作る!
- 窒素を固定してくれる多くの菌や微生物・生き物が存在する.
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日お話させていただく内容は「肥料を使わず野菜を作る自然的な栽培の考え方」ということでお話していきます.
また,この思想を持つ創始者や牽引する方々も紹介しながら,お話をしたいと思います.
1940年代から60年代にかけて,緑の革命と言われる農業革命が起きました.
具体的には,高い収量を獲得できる品種や化成肥料の発展,農機具などの進展なども含まれるでしょうね.
これは,科学の力です.そこからさらに発展を遂げに遂げまして,現在の日本の農業は,面積に対する割合ですが99%以上のが慣行農業,1%以下の有機農業で成り立っております.
そして,その他残りの数%は,農薬を使わず,肥料をも使わない,自然的に野菜を作る!というやり方や思想があったりします.本日は,彼らのやり方や思想を取り上げていきたいと思います.
知っていて損はないお話だと思うよ!
この話は,農業関係者であれば,おそらく一度は耳にしたことがあるお話だと思いますが,ぜひお付き合いください.
そして,慣行農業をされている方も,こう言うやり方があるんだな,と思っていただくだけでも結構ですので,ぜひお付き合いいただけると幸いです.
肥料を使わないのに野菜ができる理由
現在の栽培種と言われている野菜は,野生種とは異なり,生育において,肥料と農薬を使うと言うことを前提にしている部分がありますが,結論から言うと,肥料を使わなくとも野菜はできます.ただその分やはり,時間がかかったり,形が小さかったりする部分がありますね.しかしながら,きちんと立派にできるのですね.
理由は,自然が持っている天然の養分,多くの微生物,生物と共存した循環というものをものすごく大事にします.
つまり,自然の本来の力を活用するための環境を作るというものですね.
初めに自然農法を提唱した方,ご存知でしょうか.
そのかたは,福岡正信さん,ではないのですね.
実は,岡田茂吉(もきち)さんと言われる方です.
興味ある方は調べてみてください.
初めて聞いたよ!という方も多いかもしれないね!
1882年〜1955年に生きた方ですね.
彼は「作物に肥料を使うのは,人の健康に対する医薬や栄養の考え方と共通した誤りがある」と言いました.
彼の死後,10年後に,「沈黙の春」が出ましたね.著者はレイチェルカーソンです.
かつて使用されていたDDT(ジクロロ・ジフェニル・トリクロロエタン)という有機塩素系の殺虫剤ですね.
1971年に国内から農薬登録が抹消されました.生態系への影響が大きく,鳥が鳴かなくなったと言われておりますね.
そして,さらに,沈黙の春から10年後,岡田茂吉さんがお亡くなりになって20年後のことです.
有吉佐和子さんの小説「複合汚染」が出て,社会的に大きな反響を呼んだと言われております.
農薬や化学肥料が生態系に与える悪影響,複数の汚染物質が合わさることによって,相乗的に被害の量が増えちゃうというお話です.
岡田茂吉さんは,こうしたサイレンが鳴らされるずっと前から,自然農法に取り組んでいたわけですね.
彼の提唱する自然農法は,もちろん「無農薬・無肥料」が原則なのですが,土を尊び,土を愛し,土の養分を育むという思想があります.
自然の中の太陽から降り注ぐ「火素エネルギー」,そして月からは「水素のエネルギー」,さらに地球の奥からは「土素エネルギー」が出ていて,このエネルギーを尊重するという考えがあります.肥料を入れると,土の中に,肥毒層といって,肥料が溜まって盤になると,そのため,地球の奥から出てくる「土素エネルギー」が遮断されてしまうと伝えておりました.
インターネットもない時代,インフラも十分ではない当時の状態で,ここまで深く考えられて実践されているなんて,想像ができないですよね.彼が何を考えていたのか,ということを考えるだけでも大きな価値があると思います.
そんなこんなで,
提唱者によって,その呼び方が違ったりしますね.
自然的な栽培の提唱者たち
・福岡正信さんの「自然農法」,愛媛の方です.
何もしないが究極の農法,播種と収穫以外は本当に何もしないというやり方です.
・川口由一さんの「自然農」,奈良の方です.
持ち込まず持ち出さない,草も虫も敵視しない農です.
・木村秋則さんの「自然栽培」,青森県ですね.
無農薬・無肥料でリンゴを作った方.
・藤井平司(ひらし)さんの「天然農法」,大阪の方ですね.
川口由一さんの自然農に大きな影響を与える.伝統的栽培,野菜の育て方の原理を追求.
・赤峰勝人(かつと)さんの「循環農法」,大分の方ですね.
畑の草・虫・菌はすべて役割を持つと考え,すべてを上手く利用する農法.
・林幸美(ゆきみ)さんの「炭素循環農法」,現在ブラジル在住ですね.
炭素の高い有機物を浅くすき込み,糸状菌に分解させ,土地の養分を高めて野菜を作る.
他にも色々な方が,自然的に野菜を育てる,ということを実践されておりますが,代表的な方々を紹介させていただきました.
彼らは,農薬・化学肥料を一切使わず,そして耕さないことも多いです.
肥料をやめたらどうなるのか?という問いに対して,彼らの主張は一貫しております.
それは,「5~6年かけて土の養分が高まって収量も徐々に安定してくる」というものなのですね.
特に,現在はブラジルに居られる炭素循環農法の林幸美さんはこう言います.
「虫に食われるような作物は虫の餌で人間の食べ物ではない.虫のつかない作物になってこそ健康な作物である.それは無肥料に限る.」
確かに,虫に食べられる野菜は美味しいというのは神話なのです.
弱っていたり,どこかしら問題がある野菜が虫に食べられるのです.
(そういった野菜は窒素過多の場合があり,人間が過剰に食べると,健康上よくないなどの問題も指摘されております.)
自然界の山や森などでは,人間が施肥をせずとも,植物たちは生き生きと生育しているのは,養分が豊富だからだと言います.落ち葉や草などが,微生物に分解されて天然の養分になる.そこで育つ植物に必要な量の養分が生成されるという理論なのですね.
また,野菜や果樹の生育には,窒素が必要なのですが,自然的な栽培では窒素の収支が合わないと思っておりました.
しかし,調べると,自然の中には窒素を固定化してくれる菌や微生物,生き物が多くいるのですね.また,まだ明らかになっていない菌なども多くいると言われております.微生物で明らかになっているものなんて,全体の0.1%くらいだと,MOA自然農法文化事業団の木嶋利男先生は言いますね.
いくつか彼の本を読んだ方も居られるのではないでしょうか.
マメ科の根っこに強制する根粒菌も窒素固定の役割がありますが,実はそれだけではなく,サツマイモの中に存在するアゾスピリアムという菌,サトウキビの中に存在するハーバースピルアムという菌も窒素固定の役割があります.彼らは「組織内共生菌」といって,植物の中に住み着いて空気中の窒素を固定してくれる菌ですね.
他にも,ハンノキやグミノキの根っこにフランキュアという窒素固定菌(放射菌)がおりますし,シロアリやカブトムシ,クワガタムシも窒素を固定します.シロアリなんかは木材を餌にするのですが,彼らの糞には強烈に窒素が含まれているようです.
驚きです.
このように自然的な栽培でも植物や生き物,多くの微生物たちが畑に共生して,土をどんどん豊かにしてくれるというのが,自然的栽培の目的なのです.なかなか奥が深いですよね.
というわけで,僕もちょこちょこ,自然的に育てるということをしているのですね.
収穫できたらまたご報告します.
毎朝ラジオでもお話ししているよー!ドライブの合間などにどうぞ!