- 虫がつくのは肥料のやり過ぎ,窒素過多なのかもしれない!
- 元気がない野菜,弱っている野菜ほど虫に食べられる.
- 虫や野菜は共に進化していく!
今日のお話はよくある誤解をお話するよ
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日お話させていただくテーマは「虫食い野菜は美味しいという誤解」について取り上げていきたいと思います.
僕自身も,農業を始める前は,虫食い野菜というものに対して,間違った認識を抱いておりました.
虫に食べられている野菜を見ると,虫が食べるほど美味しいとか,こういった誤解をしておりましたが,しかし,自身で野菜作りを始めてみて全く違うことがわかりました.
(もちろん,アブラナ科の虫が付きやすい野菜,小松菜などといった葉野菜は結構やられやすいので,)
実施に自分で栽培をしてみると,元気な野菜・健康的な野菜・顔色が良い野菜は虫が付きにくい!ということです.
今回はこの辺を深く掘り下げていきたいと思います.
元気な野菜とは!?
農薬を使用せず,有機農業をされている方では,この辺のお話は常識的なお話かもしれませんが,健康的な野菜は虫が付きにくいのですよね.
弱っていて,どこか問題のある野菜から虫にやられてしまう印象です.
今回は,2点,窒素のお話と,抵抗力のお話をしたいと思います.
窒素の話
土中へ窒素が過剰に投入された場合も,虫が付きやすいと言いますね.
窒素は,硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)という形で植物体に取り込まれますが,この栄養素が過多だと,生育不良を起こし虫にやられてしまうのですね.
この硝酸態窒素が過剰な野菜を人間が食べると,人の体内で亜硝酸やニトロソアミンに変換された場合,発ガン性や生殖機能の低下,メトヘモグロビン血症などといった健康被害を引き起こすと言われております.
なので,虫たちは有害に近いような野菜を排除してくれて,人間を守っているという考え方もできると思います.
味方を変えると,害虫も益虫になるのですよね.自然というのは,すごく良くできておりますね.
なので,,有機栽培とかされている方で,ボロボロの野菜を食べるよりはやっぱり立派なものを食べると良いかもしれないです.
まあ,元気な虫のつかない野菜は,食べても,瑞々しく,美味しいのですよね.
植物の抵抗力,毒
実は,植物というのは虫に対しての抵抗力を持っています.
健康的で元気な野菜というものは,きちんと害虫から自身で身を守ることができるのですね.
この抵抗力の正体は,基本的には「毒」です.
「毒」というのは,昆虫を撃退するための化学物質ですね.
毒とはかなり強い言葉なので,びっくりするかもしれないですが,人間にとっては無毒であったり,すごく弱い毒だったりします.
分かりやすい身近な植物だと,ハーブとかミントなどは刺激臭がありますが,これは虫を撃退するための物質です.
ほとんど全ての野菜は,こういった虫を撃退するための防御策というものを保持しております.
香りに関してもそうですが,味に関しても,例えば,エグミ,苦味,辛味などといったような形で現れるよ!
いろんな野菜の例を挙げていきますね.
ホウレン草は,シュウ酸という物質が入っておりますが,これは虫から身を守るために作られます.
また,タマネギの辛味成分も一種の化学兵器なのです.
何らかの食害を受けて細胞が壊れると,アリシンという物質が揮発します.
硫化アリルの一種ですね.
タマネギを切るときに,涙が出るのはこのアリシンのせいなのです.
他にも,ニンニクやネギやニラなどもそうですね.
また渋柿やお茶の葉に含まれるタンニンも昆虫の食欲を減退させる物質です.
このタンニンは,人間にとっては下痢止めなどの薬効があるのですが,逆に昆虫にとっては消化不良を起こさせる成分なのですね.
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以前,トマトのトマト自身の虫防除についての工夫についても記事を書きましたので,興味のある方はどうぞ!
共進化をする植物と虫
「蓼食う虫も好き好き」という言葉はありますね.
現代風の解釈でいうところの「人によって好みは違うよ」ということだと思うのですが,蓼という物凄く辛い植物もあるのですが,ちゃんとそれを食べる虫がいます.
実は虫というのはかなり偏食で,決まった植物しか食べないことが多いのですね.
というよりも決まった種類の植物しか食べられないといった方が良いですね.
例えばモンシロチョウのアオムシはキャベツを,アゲハチョウの幼虫はミカンなどの柑橘系を,そして,アゲハチョウの仲間のキアゲハは,セリ科の野菜,ニンジンとかパセリなどの植物しか食べないのですね.
植物と虫の関係は物凄く面白くて,全ての植物は虫に食べられないように毒を作り,虫はその毒に対応して進化していきます.
そうするとまた植物は新しい毒を作り,また虫たちはそれを攻略する.
ある特定の虫が,特定の植物しか食べないことは,すでに乗り出した船,実は「共進化」なのですね.
キャベツなんかは結構面白くて,イモムシの被害にあうと,ボラタイルという揮発物質を発生させて寄生バチを呼ぶんですね.
この寄生バチはイモムシの体の中に卵を産み,卵から孵った幼虫がイモムシをやっつけてくれるのですね.
それでも,虫たちは野菜や植物を食べないと,生きていけませんから,彼らも成長していきます.
なので,健康的な野菜でも虫に食べられることもあるのですが,一般的には弱っていて抵抗力がないものから優先的に駆逐されてきます.
ということで,本日のお話はここまで!以下の本,オススメなので,余裕があれば読んでみて下さいね!