F1品種は怖くない!F1品種(first filial generation)は単なる遺伝のお話し!メンデルの法則まで解説!
この記事のポイント
  • F1品種は単なる優性遺伝.遺伝子組み換えではない.
  • エンドウ豆を取り上げて,優性・劣性遺伝を解説!優れていることではない!
  • F2では野菜や果物の形状が揃わなくなる理由も解説!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回はF1品種というテーマについてお話しをしようと思います.
実は,最近,農家さんではなくて,家庭菜園をしているという方とたまたまお話しする機会がありまして,その方と数十分くらいお話をしていました.ひょんなところから,F1品種の話になって,その方がアレルギーが発症したかのごとく,F1品種についてボロクソに言うのですよね.最終的にF1品種は国を滅ぼすとか,おっしゃっておりました.

結局,F1品種のことをその方はよく知らなくて,F1品種が何か遺伝子組み替え的なものだと思われてて,どう言う思考回路かはわかりませんが,国の存続の危機だとおっしゃっておりました.

やっぱり知るって大事なことですよね.
F1って単なる優性遺伝のお話しなので,国力とか経済とか遺伝子保護とかっていう話とごっちゃにしちゃっているのですよね.例えば,インターネットのどこかの掲示板に爆破予告がされた時に,爆破予告班が悪い!と言うものではなく,インターネットにアクセスのできるパソコンやスマートフォンが悪い!と言っているようなものです.F1というのは単なる遺伝の話なので,そこと日本国滅亡の因果関係はないのですね.

とにかく,この記事では,F1品種ってなんなのか!?というものを取り上げていきたいと思います.

F1とは!?

F1品種というものは,雑種の1世代目のことです.
first filial generationですね.

1865年にメンデルの法則といって世に出てきました.
実は,現在は中学生の時に習うのです.
ドイツのグレゴール・ヨハン・メンデルさんという植物学・遺伝学の研究をされていた方ですね.

雑種1世代目のF1品種は優性遺伝をします.優性遺伝というと,これは優れているという風に聞こえますが,実はそうではなくて,優先的にその性質が現れることを言います.

例えば,人間の血液型でお話をすると分かりやすいのですが,A型とO型の間に生まれたお子さん,これは優先的にA型が生まれやすくなります.O型はO-Oで,A型はA-OかA-Aの二つのパターンしかありませんが,A-AのA型とO型の子供は絶対にA型になります.A-OのA型ですね.AとOの遺伝子をもらうと,A型が出るよ!ということがメンデルの法則なのです.

トップ画面の画像には,エンドウ豆の遺伝的情報による優性遺伝および劣性遺伝を示しています.
これはメンデルの法則で習ったことがある人は,一度は見たことがあるかもしれません.

今,ラージA-Aという丸い豆と,スモールa-aというシワの豆があります.
この二つを両親に交配させたものが,F1品種で,遺伝情報はそれぞれの親からラージAと,スモールaをもらいますね.
すなわち,ラージA-スモールaの個体ができるのですが,優先的に丸い豆ができます.
これが優性遺伝です.お互いの遺伝子は引き継ぐのでありますが,体に出てくるものは,丸い豆の形状なのです.
しかし,このF1同士を交配させて,F2を作る時,すなわち,孫の代には,3:1でシワの豆が出てきます.
これは,それぞれのF1の遺伝子情報が交差してスモールa同士をもつ個体が出現するからです.

これは分離の法則と言われますが,これがすなわちメンデルの法則なのです.

孫がおじいちゃんやおばあちゃんに似てるというカラクリがこれです.
人間の場合は,染色体が46本,両親からそれぞれ23本ずつ貰いますから,かなり複雑な優性・劣性遺伝が起きますが,基本的には,優れているではく,優先的に出現するというものなのです.

この優先的に出現する性質を応用して種苗屋さんや農家さんはお仕事をしているわけです.
例えば,スーパーに売られている野菜はほぼ全てF1品種なのです.
種取りをすると,3;1でシワの豆ができてしまうので,農家さんにしてみたら大変ですね.
例えば,野菜の収穫で,100万円の予定収量分のうち,25万円が変な形のものが出てくると,そりゃ毎年タネを買うということをするのです.

固定種を使え!とか,人工的な作物を排除しよう!とか,種の多様性が減るし化学メーカ会社の種寡占が進む!とか,F1品種が色々と目の敵にされていますが,これは遺伝の法則の話で,政策や国のルールとはまた別のお話でした!