- 鹿沼土を知らない方や園芸初心者の方におすすめ!
- 鹿沼土の特徴や性質について理解する.
- 実際に鹿沼土を使った抜群の培養土の作り方を公開!
ハイサーイ!
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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
今回は「鹿沼土」についてお話ししていきたいと思います.
通気性・排水性・保水性が良いとして,とても人気が高い土になっております.
果樹屋の僕が土の中で最もよく使う土であり,最もおすすめできる土でもあります.
僕の動画の中でも,アボカドや多くの果樹の植え方でかなり頻繁に出てくるものだと思いますが,果樹・園芸初心者の方にこそ,おすすめしたい土になっております.
正直,上の動画をみると,果樹に使う土は完璧だよ!
ホームセンターや園芸店には,果樹でもそのまま使える培養土が売っているため,あえて鹿沼土を購入するという人は少ないと思いますが,この鹿沼土を使えるようになると,かなり果樹レベルが上がります.また,鹿沼土の性能を理解すると,むしろ鹿沼土しか使いたくないというくらいに惚れることができます.果樹栽培も,園芸もガーデニングもそうですが,素材を楽しめるようになると,カスタマイズもできるようになります.ぜひ,ご参考にしてください.
鹿沼土とは!?
今回は,学術論文をもとに鹿沼土の特徴を解説していきます.
今回参考にする文献は「園芸用土の物理性に関する研究」という文献で,1992年,千葉大学から出ている文献です.
鹿沼土は,栃木県の鹿沼市付近を中心として分布する火山噴出物の浮石です.
数万年前に,赤城山から噴出したものです.
厳密の軽石の質感を持った火山砂礫(されき)が風化したものです.無理やりわかりやすく理解しようとすると,軽石と土の間,みたいな感じです.
自然状態での粒径は,親指大から小豆大だと言われております.
土色は,乾いている時は白色に近い淡い黄色で,水分を含むと一気に変色し,褐色がかかった感じになります.なので,乾いているかどうかがすぐに分かります.
土は地層と言って層になっているのですが,鹿沼土は,火山灰土壌の2~3m下層にあります.
大体上の方は黒土や赤玉土が堆積していて,そのさらに下に鹿沼土が1m程度あると言われてます.
ホームセンターなどで販売されている培養土というのは,そのまま自然から採取されることはありません.人間がいろんな性質の土をブレンドして,果樹や野菜が生育しやすいように作っている万能な土になります.ただ,色々なメーカが培養土を出していて,培養土も多くの性質があり,現在は,若干選ぶのも大変です.
鹿沼土の特徴
鹿沼土の特徴は大きく3つあります.
冒頭でも軽く申し上げましたが,以下の特徴があります.
- 通気性・排水性・保水性が良い.
- 肥料を持たない.
- pHが酸性である.
それぞれ深掘りしていきます.
通気性・排水性・保水性が良いこと
通気性・排水性・保水性が良いことというのは,植物や果樹を植える上で,よく一番良い環境だと言われます.もちろん,排水が悪いところでよく育つ特殊な果樹や植物もありますが,例外は一旦置いといて,大体の植物は,通気性・排水性・保水性が良いが望まれます.
市販で販売されている培養土は,多くの性質の土(赤玉土,鹿沼土,パーライトやバーミキュライトなどその他色々)を使って,通気性・排水性・保水性が良い状態をしますが,実は,鹿沼土は,単体で,通気性・排水性・保水性が良い土です.
鹿沼土は,粒という状態で売られており,さらにこの粒の中にも細かい穴が開いてます.
このような構造を多孔質と言います.
実際に手に取ってみるとわかりますが,そこそこ軽く構造的にとても優れた素材です.
粒の持っている無数の穴と,粒と粒にできる隙間によって,水も空気も抜けやすくなります.
つまり,排水性と保水性がかなり良いのですね.
しかも,粒の中にある無数の細かい穴には,表面張力で水を含み,全体で見たら保水力もそこそこある状態です.さらに,この鹿沼土,構造的に優れているだけではなく,実はかなり崩れにくいです.
今回特徴の方で紹介した文献「園芸用土の物理性に関する研究」によると,鹿沼土は粒径が大事で,実は,2mm以下の細かい粒などの単一のサイズで使用するよりも大粒の大粒径を一緒に活用した方が,保水性や通気性が良いことが知られております.なので,できれば,ミックスを活用した方が良いです.
これはやはり,粒と粒の隙間もそうですが,粒自体の持つ多孔質な構造が,水持ちも担保するため,粒径が大きいものも混同されると良いのでしょうね.
僕もこの論文を読んで,今後は,粒の大きいものも積極的に活用していこうと思いました.
赤玉土や,沖縄だと島尻赤土というのが売ってますが,アレらはすぐに崩れて,長期で使っていくと排水性・通気性がかなり劣ってしまい,目詰まりを起こしてしまいます.
肥料を持たないこと.
もちろん鹿沼土自体には,肥料は入っていません.
さらに,鹿沼土自体は,通気性・排水性・保水性が良いので,空気や水が抜けてしまいます.そのため,肥料分も抜け落ちやすいです.
専門的にいうと保肥力が弱いです.
肥料分をあまり保持しにくいという特徴があります.そのため,必要な場合はバーク堆肥や牛糞堆肥,もしくは腐葉土などを入れたりしますが,逆に植物や果樹界には,肥料をそこまで多く必要としないものもあります.
本文献では,鹿沼土は「さつき」の栽培に適している土だと書かれていますが,やはり肥料切れには注意が必要のようですね.
元々,肥料分が少ない環境で育ってきた植物は,そこまで必要のないものがあるよね!むしろ肥料をあげない方が,葉の健康状態もよく生き生きするものがあるよね!
実は,肥料をあげすぎて枯らしてしまうということもあったりするよね!
逆に,肥料をあまり必要としないものとして,サボテンや多肉植物などは良いです.
僕も,ドラゴンフルーツなどの植え替えには,使ってましたし,ホームセンターで売っているおしゃれなサボテンもほぼ鹿沼土が使われています.また,友人は多肉植物を鹿沼土で育てておりました.この辺は,さらに水持ちが良い土を極端に嫌うものでもあるので,鹿沼土が良いですね.
さらにこの辺は,肥料が多すぎると,調子が悪くなったりします.
ぜひ活用してください.
酸性であること.
土の種類の中には,酸度(pH)と言って,酸性・中性・アルカリ性を持ちます.
鹿沼土はpHが4~5程度とかなり酸性の土だと言われていますが,現場的に大体測ってみると,5.5くらいになっているような気がします.メーカによって多少ばらつきがあるのか,
酸性を好む,ブルーベリーやパイナップルなどは,この鹿沼土を沢山使っても問題ないですが,ただし,アルカリ性を好むとか,中性を好むと言われている果樹には注意が必要です.そういった場合は,園芸用の培養土と混ぜてミックスさせて使ってあげたり,石灰を活用したり,くん炭を混ぜたりして酸度を整えてあげるとよいです.
ただ,大体の植物や果樹は,pHが6程度の弱酸性というところを好みます.
そのため,培養土と一緒にミックスして鹿沼土を活用するなどといった使い方はかなり良いかと思います.
水はけや水もちなどの物理性も改善されて,植物が育ちやすい環境になるかと思います.
最後までありがとうございました.
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