- 肥料を入れすぎると,虫にやられやすい!
- 余分な窒素が細胞に溜まってパンパンになる!
- 細胞壁が薄くなり,脆くなる!
ハイサーイ!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
本日お話しする内容は「肥料を入れすぎると虫がよってくるはなぜ」というテーマでお話ししたいと思います.
今回のお話は,くれぐれも肥料を否定してるわけではないです.
適量を守るということがいかに大事なのかということを深く認識いただき,肥料の過剰投入をしないようにするためのお話だと思っていただいても良いです.
家庭菜園をしている方,農業をされている方のご参考になれば幸いです.
虫に食べられる野菜は!?
今回も結論からお話しします.
肥料を入れすぎるとなぜ虫に食べられるのかというと,その原因は,植物の細胞が急にドバッと太って,細胞壁などが薄くなったりし,もろい状態になるからです.
野菜の成長は,細胞分裂によって徐々に大きくなりますが,過剰な肥料投入をすると,健全に分裂がなされず,不自然に肥大化して脆くなるのですね.
細胞の中には,細胞核や液胞という水分を取り込む器官などが入っておりますが,この液胞がパンパンに膨れ,細胞壁が薄くなったりして,虫に食べられやすくなったり,病原菌が容易く侵入したりします.つまり,健康な状態ではないということですね.
そうなってしまうと,収穫後も,日持ちしなかったり,ドロドロになるような変な腐り方をしたり,割れやすくなったりします.
野菜はどう育つのか?
野菜がどのように育つのか?ということを一度考えてみると面白いです.
野菜の生育に必要不可欠なのは4つあります.
1つ目,肥料分(主に窒素分)ですね.
2つ目は,水です.
3つ目は,光です.
4つ目は,空気(主に二酸化酸素)です.
植物というのは,光合成によって炭水化物を合成しますね.
すなわち,光と空気中のCO2,そして水分などによって,必要な有機物合成をするわけです.
果実も,葉っぱがなければ糖分が全くのりません.
光合成によって,二酸化炭素と光を取り込み,酸素を吐き出し,代謝し,そして様々な変換を兼ねて,きちんと糖を生成するということをやっています.
炭水化物というのは,単糖(単数の糖類,これ以上分解できないもの)というブドウ糖や果糖などを総称して炭水化物と言います.
これが,光合成を基に作られます.
さらに,タンパク質はというと,これは元をたどせばアミノ酸です.
アミノ酸が連なったものがタンパク質なのです.
このアミノ酸が先ほどの炭水化物と窒素によって作られるのです.
ようやく窒素が出てきました.
つまり窒素は,身体を作る重要な要素の一つなのですね.
厳密には,窒素は直接吸収されず,硝酸態やアンモニア態に変換されるのですが,ここら辺の詳しい話は以下の記事をご覧ください.
この記事のポイント 窒素は空気中の約8割を占めるほどのガス! 植物や動物の細胞に欠かせないもの! いろんな形態 …
窒素は適切に!
窒素は身体を構成する要素の一つなのですが,光合成により合成される炭水化物と,根っこなどから吸収される窒素分のバランスが取れていれば,きちんと植物の体が作られます.
しかし,炭水化物の量に対して,過剰な窒素分を与えてしまうと,もちろん,タンパク質合成に使われなかった窒素が体内に残ります.
野菜の体内に余剰な窒素がある場合は,硝酸態窒素という形態で,細胞内の液胞などに蓄積していき,パンパンになります.
細胞内を内側から脆くしてしまうのですね.そうなると,虫に狙われやすいということですね.
基本的に現代の農業は,農薬とセットであるという考え方が主流であるので,なかなかこの窒素過多の状態に気が付きにくいのですが,やはり僕たちが無農薬で野菜を作るとそれが顕著に分かりますね.
これを逆に利用して,虫が教えてくれるという見方もできますね.
僕たちのキャベツは,青虫の被害こそ出ますが,ヨトウムシの被害はほとんど出ません.
青虫は,外側の葉をちょろっと食べますが,ヨトウガは週十個の卵をドバッと産み,これがキャベツの内側まで食い込むのですよね.
やはり害虫は,そのような窒素過多になった野菜が理解できるのでしょうね.
キャベツの青虫の被害なんて可愛いもので,外側の葉は少々犠牲になりますが,美味しく食べられます.
また,僕たちの畑で取れた野菜などは,牛糞で作りますが,特に窒素分の多い肥料をほとんど入れていないこともあって,自然に近い状態で作られます.
自然農という形態で育てているところもあります.
そういうところで育てる野菜って,畑に置いておける日数も長いですし,収穫後の日持ちも良いのですね.
味はスーパーのと一緒というか,あまり人間レベルでは判別が難しいところがあるのですが,賞味期限が長いような感覚があります.
虫に食べられる野菜は美味しい!?
以前,「虫に食べられた野菜は美味しいという誤解」という内容を配信させていただきました.
ついつい私たちは,虫食い野菜は,虫も食べるくらい美味しいんだ!と誤解をしてしまいますが,実はそれは逆だったりするのですよね.
ということで,気になる方は,ぜひそちらもお聞きください.
「肥料を入れすぎると虫がよってくるはなぜ」というテーマでお話しさせていただきました!
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