トロピカルフルーツについて

けんゆー

はいさーい!こんにちは!!


沖縄で熱帯果樹(トロピカルフルーツ)を栽培しているけんゆー(@kenyu0501_)です.

いきなりですが,マンゴーはお好きでしょうか.
マンゴーを嫌いな人は滅多にいないと思いますが,マンゴーは熱帯果樹の一つですよね.

マンゴー以外にも,おいらが育てている熱帯果樹だと例えば,アボカドスターフルーツアテモヤレンブ島バナナグアバインドナツメカーブチージャボチカバなどなど,多くの熱帯果樹を植えています.

沖縄でもスターフルーツやアテモヤ,インドナツメなんかはスーパーに並ぶことはまず無く,かなりレアで,一度も食べたことがない!という方が多いと思うのですが,本当に本当に美味しいフルーツなのです!!

さらに,世界の三大美果に名を連ねるのは,全部熱帯果樹なのです.

「果物の魔王」はドリアン「王」はマンゴー「女王」はマンゴスチン,と言われています.
世界中の,いつの時代も愛されるフルーツなのです.

けんゆー

実際に,ドリアンとマンゴスチンはマレーシアで食べたけど,本当に美味かったよ!!!びっくりした!魔王と女王だった!ちなみに王であるマンゴーは育ててるよ!!

本日は,そんな熱帯果樹に関する基本的な特徴や特性などを皆さんに知っていただきたく,こちらにまとめていきたいと思います!

原産はどこ!?

熱帯果樹と言われるくらいですので,もちろんトロピカルフルーツの原産は,熱帯地域ですね.
インドやタイなどの東南アジア,メキシコ南部やブラジル,アマゾン周辺などの南米,アフリカ産のフルーツもありますね.

けんゆー

熱い地域には,熱帯果樹が育つという利点があるんだね!沖縄に住んでいてよかった!

しかし現在では,品種改良やテクノロジの進化によって,かなりいろんな地域で熱帯果樹の栽培を行うことが可能なようです.
日本だと,沖縄県での栽培は結構盛んですが,宮崎県や鹿児島でマンゴーを始め,アボカドなどの栽培がされているようですね.
ちょっとお金はかかるかもしれませんが,ハウス栽培で室内温度や照明の管理を行えば,北海道でもどこの地域でも可能ではあります.例えば,熱帯果樹が耐えられる最低気温を把握して,上手に管理することで達成できたりするようですね!

膨大な「種」の熱帯果樹!

熱帯果樹と言われる果物が日本にいくつあるかご存知でしょうか.実は,かなり膨大な数のフルーツが存在します.

米本仁巳(よねもとよしみ)さんの著書「熱帯果樹の栽培 完熟果をつくる・楽しむ28」に記載されている情報によると,134種の果物が日本に導入されているようです.

けんゆー

米本さんの本は,熱帯果樹をやっている人,これからやりたいと思っている全ての人に一度は読んだ方が良いと思う本だよ!基本的なことから育て方までとても丁寧!

しかし,米本さんがご紹介される『世界の食物史大辞典』には約250種もの熱帯果樹があったそうなので驚きです.米本さんは,熱帯地域のアマゾンなどには,まだまだ私たちの知らない果物がたくさんあると言ってます!ワクワクしますね!

熱帯果樹と温帯果樹(落葉果樹)との違い

熱帯果樹の特徴を詳しく知るためには,温帯果樹(リンゴとかモモ,カキなど)の特徴と一緒に比較しながら覚えていくと非常にわかりやすいです.
そのため,温帯果樹の特徴と比較したときに際立つ,熱帯果樹ならではの特徴をとり上げていきたいと思います.

<熱帯果樹の特徴>

  • 1年中葉が付いている.
  • 冬の間もかん水を必要とする.
  • 乾燥ストレスで花芽が形成される.
  • 発芽が不揃いであり,開花期間が長い.
  • 追熟(ついじゅく)させて美味しくなるものが多い.

一番の特徴は冬の間の葉っぱにあり!!!

温帯果樹というのは,リンゴやモモ,カキなどのように,冬の気温が低くなった時期に,葉っぱが落ちて,樹自身の老廃物をリセットする機能を持ちます.
また,この落葉によって,病害虫も落とされ,翌春には,新鮮な葉っぱでフルーツを作るタイプになります.なので,温帯果樹は,落葉果樹とも呼ばれます!

この葉っぱが落ちる期間のことを「自発休眠」と言います.
カキやモモなどの温帯果樹には,自発休眠といって,寒い間,エネルギーを使わない期間があるのですね.クマの冬眠と同じですね.また一定の期間,低温に遭って休眠をしていないと,発芽しないという特徴を持っています.寒い時期というのは,温帯果物にとっては大事なのですね.

けんゆー

最近では,全国的な温暖化のため,この休眠がうまく取れず,発芽が揃わない問題が発生しているようですね!


一方で,熱帯果樹は,冬の寒い時期に葉っぱが落ちません.驚きですよね.
一年中葉っぱが付いており,常に水分を蒸発・光合成を行うため,冬の間でもかん水が必要になります.病害虫も常に見張っておかなければいけません.

熱帯果樹はその分手間がかかるのですが,葉っぱの色や虫のつき方を観察することで,次に何をして良いのかという対策が練られるので,とても面白いのです.

花芽が形成される乾燥ストレスとは!?

乾燥ストレスというのは,雨季から乾季に変わる時の過程のことです.
この過程を乾燥ストレスと言いますが,この時に,熱帯果樹は花芽が形成されます.
このような一時的な環境の変化に,大きく反応する果樹なのですね.
もともと,熱帯果樹は雨季・乾季という2種類の季節がある熱帯地域特有のフルーツなのです.
日本のような春夏秋冬という4種類の季節がある国より,東南アジアや沖縄(四季というより,雨季や乾季の二つの季節がある地域)などでよく栽培されるのは,この気候の理由があります.

そして,乾季に変わったとき,開花し,その後果物を収穫します.
果物の収穫は,乾季の終わり〜雨季の開始辺りまでと,比較的長い期間採れます.

トロピカルフルーツは,自発休眠がなく発芽のコントロールが難しいです.充実した枝から順番に発芽していくので,長期間にわたって開花する特徴を持ちます.これは,害虫や鳥などの動物たちに食べられてしまうリスクを回避するためだと言われています.

追熟させて美味しくなるクライマクテリック型果実!

温帯果実は,基本的に完熟した果実を収穫し,そのまま食べると思います.
しかし,熱帯果樹は,完熟前に収穫し,その後数日,追熟という期間を設けることで美味しくなります
追熟というのは,収穫したあとに食べないで果物を室温で置いておくことです.
アボカドとかも収穫後,数日置いて,柔らかくなったら食べますよね.

このような追熟型果実は,クライマクテリック型と言われますが,樹上で追熟させた場合はより一層甘みが増して美味しくなる印象です.ただし,鳥や虫などによる食害が発生してしまう可能性があります.

島バナナは鳥害にあう可能性が高いので,青い状態(緑の状態)で収穫し,追熟させるのは一般的ですが,樹の上で完熟になったものは最高です!
島バナナ独特の酸味がより一層効いて,一度食べたらその美味しさに取り憑かれます.
島バナナに限らず,スターフルーツもアテモヤもマンゴーも樹の上で完熟したものは究極の味ですね.

たまにYoutuberが未完熟の緑がかった黄色のスターフルーツを食べて,あまり美味しくないと言っているのにものすごく悲しい気持ちになったりします.樹の上でオレンジ色に近いくらいまで熟したスターフルーツは極上の味です.

追熟は室温(20~30度)で!!

収穫後,さらに食べるまでの期間を設け,熟れさせる(軟化させる)期間を追熟と言いましたね!.
科学的には,エチレンという植物ホルモンが成熟を促します.これによって,硬かった果実が柔らかくなり,この過程でトロピカルな独特な香りが出てきます.もちろん,この追熟過程でデンプンが糖へと変わるので,甘みも増します!

気をつけたいのは,追熟における室温です.10℃以下の温度で長く置かれると,上手く追熟しない場合があります.低温だと軟化を促進する酵素の活性が弱まるのです.20~30℃を心がけてください!

高温過ぎても発酵してしまい,変な匂いがするので気をつけてくださいね!

熱帯果樹の栽培に挑戦したい方へ!

沖縄だけではなく,現在では温暖化の影響もあり,日本各地で熱帯果樹の栽培が試みられています.それも大規模な圃場は必要なく,家庭菜園でしかもポットでできるものも多いのです.正しいやり方さえ守れば,庭でトロピカルフルーツが食べられるかもしれません.やはり樹の上で完熟したフルーツが一番美味しいですからね!

このサイトでは,生産者のおいらが熱帯果樹の栽培の方法などを随時配信していきます.
もちろん販売も行いますが,やはり,最大の贅沢というものは,熱帯果樹を作るということにあると思うのです.一緒に作っていきましょう!

けんゆー

読んでくれてありがとうございます!Youtube「けんゆーの農業生活」もやっているのでぜひぜひチェックしてみてくださいー!