沖縄の街路樹によくある「マニラヤシ」について!クリスマスヤシとも!
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けんゆー

こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.


けんゆー

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沖縄県をドライブしていると,街路樹に綺麗な赤い果実をつけたヤシをよく見かける.
沖縄県にも多くのヤシが植えられているが,その中でもポピュラーな「マニラヤシ」を取り上げたい.
ビロウなどもよく街路樹に使用されるが,マニラヤシも同様によく見かけるヤシのひとつだ.
沖縄県の街路樹でよく見かける「ビロウ」とはどんなヤシ?

動画でも紹介してるので,ぜひ気になる方は見てください.

マニラヤシとは!?

<マニラヤシの基本的特性>
名前マニラヤシ(Manila palm),クリスマスパーム
学名Veitchia merrillii (アメリカの植物学者Elmar D. Nerrillより)
学名ヤシ科フィジーノヤシ属
染色体数2n = 32
原産地フィリピン(パラワン島・ダンジューガン島)原産
日本への導入不明
生育適温22~32℃,年間降雨量2000~2500mm
耐寒性弱い,10℃程度
耐塩性強い,風にも強い
排水性良いところに植え付ける
pH6.0 ~ 6.8
雌雄同株,薄黄色の花がつく.
受粉虫媒
開花習性4~6月
利用観賞用,街路,公園,庭など
増やし方実生
備考樹高もそんなに高くない
おまけ18種類あると言われてる,
けんゆー

マニラヤシを知らない方は,ぜひこの機会に!

沖縄で街路樹や公園などによく使われる「マニラヤシ」.
真っ赤な果実も綺麗であるが,葉のカーブもそれなりに綺麗だ.
羽状複葉の葉と,果実の赤さがうまくコラボレーションされてクリスマスの飾り模様に似ているため,別名クリスマスパームと呼ばれている.

沖縄県には,室内の観葉植物として導入されたが,露地での栽培もよくタイワンカブトムシの被害にあいにくいことから緑化用としても導入されている.ただし,果実が地面に落ちて汚れてしまうという欠点もある.枯れた葉っぱや,果軸の部分も枯れたら落下する.

形態など

僕は,マニラヤシのアーチになっている葉が左右を引きで見ると,英語のアルファベットのMの字に見えるため,Manila Palmの頭文字と合わせて覚えている.
常緑の小高木のヤシであり,高くても7mほどとそれほど高くない.
単幹性で,枝分かれせずに一本上に伸びる.
幹もそこまで太くない.
葉っぱの長さは,1.5mから2m程度と,こちらもとても大きなものではない.
幹の周囲には葉の痕がついている.

原産・世界的な価値

マニラヤシは,フィリピン(パラワン島とダンジュガン島)が原産とされている.
ただ,世界的には最も人気のある観賞用ヤシのひとつである.主に熱帯地域だけではなく,亜熱帯や温帯地域の屋内でも広く導入されている.ハワイやフロリダ半島などでも人気だ.ショッピングモールなどにもよく利用されている.
僕もマレーシアに行った時に,よく見かけたが,東南アジアにはとにかく普通にある.
以下はマレーシアでの一枚だが,僕の後ろにあるのがマニラヤシだ.

侵略的側面もある

ただ,現在は,カリブ海全域に帰化している.キューバ(西インド諸島)やバハマ(西インド諸島),アンギラ(西インド諸島の小アンティル諸島とリーワード諸島で構成される島)などでは侵略的としてリストされている.現在,栽培はされておらず,在来の植物種と競合しているとのことだ.

分類など

マニラヤシは,かつては,Adonidia merrillii のアドニディア属として知られていたが,ほぼ一世紀の間,この属はこの一種で構成される種であった.しかし,1957年にヤシ分類学者のH.E.ムーア氏が,Veitchia属と十分に区別されてないとし,再分類がなされた.

ただ,2012年にAdonidia maturbongsii が記述され,再び2属が区別されたが,分子的解析の末,A.maturbongsii がManjekia属にあたられることになる.現在マニラヤシは,シノニムとしてAdonidiaやVeitchia などが当てられている.