【米ぬかボカシ】米ぬかがなぜボカシ材や堆肥づくりに使用されるのか!?好気性発酵と嫌気性発酵!
この記事のポイント
  • 米ぬかにはデンプンば多く含まれるので微生物発酵を促進する.
  • 好気性発酵と嫌気性発酵,どちらも得意!
  • 病害虫の防除にも役にたつ!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回お話させていただく内容は「米ぬかがなぜボカシ材や堆肥づくりに使用されるのか」ということについてお話をしたいと思います.


前回米ぬかとは何か!?ということについてお話をさせていただきました.前回の記事をまだ読まれていない方は,そちらを先に読まれてください.

米ぬかは玄米を精米して出てきたカス,具体的には,糊粉層(こふんそう)種皮果皮胚芽(はいが)なのですが,栄養分がかなり飛んでいましたね.
有機肥料としても十分活用できて,肥料成分は重量%でいうところの2-4-1または2-4-2などと言われおります.
窒素が2%,リン酸が4%,そしてカリウムが1~2%ですね.
リン酸が多く含まれているのは,とても重宝するものなので,生の米ぬかを活用される方も多くおられると思います.
また,米ぬかの大部分はデンプンなんで,微生物発酵を受けやすいため,色んなもの混ぜて有機物を分解させて堆肥として活用する方もおられますね.
ぼかし剤を作ったり,堆肥づくりをされている方も多くおられると思います.
ぼかし剤というのは,鶏糞とか魚粕(ぎょかす)などは肥効が強いので,一度,その環境の土などと混ぜ合わせて発酵させて,肥効を多少,和らげるものですね.
この和らげることをボカすなどと言われますが,強い肥料効果によって万が一の生育障害を受けないための工夫なのですね.

僕は今,畑で刈り取った雑草,例えばイネ科のチガヤは多く見られますが,キク科のコヨメナや,センダン草などと米ぬか,そして畑の土で雑草堆肥を作っております.

米ぬかがボカシ材や堆肥づくりに使用されるわけ

米ぬかには,微生物のエサとなる養分が沢山含まれておりますが,それだけではなく,好気性発酵嫌気性発酵のどちらでも活用できるのが売りです.
ボカシ材を作るときには,開放的な空間で作る場合と,何かしらの入れ物に入れた密閉空間で作る場合の二つに別れます.

前者の開放的な空間で作る場合は,もちろん空気との接触がありますから,好気性発酵をします.
この好気性発酵で増える菌は,こうじ菌や納豆菌です.彼ら菌は,有機物をアミノ酸に分解するのが得意です.
アミノ酸が多く含まれると,作物も肥料分としてすぐに吸収ができる形になります.

一方で,密閉空間で作る場合,嫌気性発酵をしますから,酸素が苦手な酵母乳酸菌が活躍してくれます.
いわゆる漬物ですね.
ぬか漬けも,酸素が嫌いな乳酸菌や酵母が活躍してできますよね.
こちらは,有機物を分解するというよりも,他の微生物が分解しやすいような状態に仕上げてくれております.
なので,畑に入れると,例えば,こうじ菌や納豆菌がすぐに分解してくれて,(例えばアミノ酸など)植物に吸収してくれる形になります.

好気性発酵と嫌気性発酵のそれぞれの長所

どちらも長所があり,ご自身の栽培の環境に合わせて,ボカシや堆肥を作る際に参考にしていただければ良いと思います.
好気性発酵の場合は,嫌気性発酵よりも,発酵する速度が早いです.
酸素を使う分,微生物の活動が早まるのですね.
また,使用する有機物材料に窒素分が多いと,微生物活性が高くなるので,分解がどんどん進み,窒素がガス化します.アンモニア臭がしますね.
そして,そこそこ高温になります.窒素が抜けると,肥料として活用する効果が薄まりますから,切り返しをする必要があります.
混ぜてあげるということですね.
切り返すことによって,全体に酸素も行き渡り,ムラのないボカシ材が作れると思います.
そのためには,落ち葉など形が大きいものを入れておくと,空気の層ができるので,より仕上がりが良いと言われておりますね.

そして嫌気性発酵ですが,これは,材料を混ぜて密閉空間に入れると,切り返しの手間がかからないですね.
窒素がガス化することがないので,養分ロスが少ないのですが,まあ時間はかかります.

米ぬかボカシなどを例えば油粕や魚粕で作る人などは,二段階発酵といって,はじめは好気性発酵をさせて,ある程度3週間ほど発酵促進をさせて,その後ビニールシートなどをかけて嫌気性発酵をさせる方もおりますよね.窒素が抜けない工夫です.

この米ぬかを使用するボカシ・堆肥作りはかなり簡単なのと,材料費が高くないので,誰でも作ることができます.
ただ,好気性発酵と嫌気性発酵のどちらを選択するのかということで,仕上がりも変わってくるので,そこが面白いところですよね.
またこの分解速度は,温度にもよるので,夏と冬の仕上がりの時間も変わってきます.
当然,冬は時間がかかりますが,その辺の季節に応じた,菌との共生もまた趣がありますね.

病害虫の防除

他にも米ぬかには,病害虫の防除やウドンコ病やべと病などの病気にも効くと言われてます.
野菜や果樹栽培でもよく現れるスリップスの被害が抑えられたということをよく耳にしますね.
また多くの蛾の幼虫にも効くようで,米ぬかがどうやら害虫たちに下痢をさせて撃退できるということなのですね.
実施には,米ぬかをエサに増えたいろんな菌たちの働きによるものであると言われております.
乳酸菌や酵母菌,納豆菌は,トリコデルマ菌(糸状菌)などですね.

肥料効果があり,堆肥も作れて,防除にもなるという米ぬか,身近にあるもので,実は結構奥が深い資材だったのですね.
これまで米ぬかを使用されている方の参考になりましたら,良いですし,また,米ぬかを使用していない農家さんもぜひご検討していただけたら良いのではないでしょうか.また,こういうことが気になる!とか,ここら辺がためになった!ということがあればコメント欄にてご紹介ください.
ということで,本日のお話は以上です.