【植物理解7】自然美:植物から学ぶ着想,バイオインスピレーションとは!
この記事のポイント
  • 植物から着想を得る考え方を学ぶ.
  • 葉序は植物に光が当たる最適なポジション.
  • マジックテープやヨーグルトの蓋も植物から着想を得た!

けんゆー

ハイサーイ!


こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

植物は未来を知っている,著者ステファノマンクーゾさんという植物学者の方の本を毎日30ページほど,読んでいるのですけれども,やっぱり植物の姿形には驚かされるものがあります.
このブログでも植物理解に関して色々と取り上げてきましたが,こんな植物のすごさを毎日10分でも取り上げてたら,10年以上かかってしまうのではないかと思うほど,面白く,深甚なる分野ですね.

今回お話しさせていただくテーマは「植物から着想を得る」です.
バイオインスピレーションなるものについて考えていきいと思います.

葉序のすごさ

葉序って気にしたことのなる方おられますか.
枝についている葉っぱの並び,これがよくよく観察してみると,すごく神秘的な配列をしているのですよね.
一つの節から2枚の葉っぱが出ていたら対生(たいせい)といいますし,3枚以上であると輪生(りんせい)といいますね.

一つの節に一枚ずつ,違った方向を向いてつける葉っぱを互生(ごせい)と言いますね.
この互生をして生えているものは,大体の場合,上から覗くと螺旋状に配置されているのが目を奪います.
対生も輪生も,よくよく観察すると,螺旋状のように見えます.

実はこの葉序,光が植物に効率良く当たるように配置されているのです.
葉っぱの下の影に入り込まないように,全体の葉っぱの位置が最適化されているのですね.
なので,福岡正信さんが剪定を嫌うのは,こういった理由があるからなんですよね.
剪定は人類を忙しくする行為だといっておりますよね.

この植物の姿・形というものは,何億年もの進化の賜物であり,応用するだけの大きな価値がありますね.
実際に,植物は未来を知っているという本では,葉序タワーという建築物が紹介されていました.
僕らが住んでいるアパートやマンションは,基本的に四角いブロックを積み上げたような構造になっていますが,葉序タワーは違うのですよね.
高層ビルなのですが,全てのフロワーの全ての部屋の天井はなんと空になっているのですよ.
非常にコストがかかる建物だと思いますが,やっぱり着想は植物から得たバイオインスピレーションなんですよね.

他にもたくさんのバイオインスピレーションがある

私たちの社会は実はバイオインスピレーションにあふれています.
実際に,植物や動物など模倣してモノづくりとか技術開発をすることをバイオミミクリーと呼ぶ場合もあります.
ミミクリーは「真似る」という意味で,1997年に出てきた造語です.
確か,自然と生体に学ぶバイオミミクリーという本が発端ですね.

例えば,マジックテープ,あれもゴボウから着想を得たものです.
ゴボウの茎には,栗のイガのようなトゲのある総苞(そうほう)があり,その上にちょこんとアザミのような花が咲きますね.白とかピンクとか赤紫系の可愛い花ですね.
この茎のイガから着想を得て,再利用可能な接着剤ができたのです.

また,ヨーグルトの蓋をあけると,蓋の内側にはヨーグルトがついてないですよね.
これは,ハスの葉を模倣したものです.
ハスの葉は水をよく弾くので,そこから着想を得て,撥水性の布地を作ったりしてますね.
ハスの葉の表面は非常に細かな凹凸で構成されていて,この凹凸が水を水銀のように丸くして弾くのですね.
薬剤加工無しで,傘を作ったり,壁を作ったりしているところがあります.

植物だけではなく,動物にまで幅を広げると,世の中はバイオミミクリーだらけです.
新幹線はカワセミとフクロウだし,痛くない注射針は蚊だし,汚れのつかないタイルはカタツムリですし,ありと溢れるバイオインスピレーション・バイオミミクリーがありますね.動物まで話を広げると,話が明後日までかかります.

ということで,本日は「植物から着想を得る」というお話でした.