- 商品の価値を上げる見た目の研究!
- 綺麗な赤色を獲得するため,逆さにして吊るし上げる!
- 果実底面の果頂部の赤色が増加し,この方法の有効性が示唆された!
常識を覆せ!!
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
前回はマンゴー栽培の王道である方法をシェアしました.
この記事のポイント 強樹勢︎,深根性を理解した管理を行う! 花芽分化や果実肥大に重要な温度,日照などを理解する …
マンゴーの木の性質や剪定時期,水平誘引の大切さなどを共有したと思います.
今回紹介するのは,マンゴーを逆さに吊るして果実の肥大化を行なった実験結果を紹介したいと思います.
面白いですよね.
マンゴー逆さに吊るして栽培をした方が何人いたでしょうか.
この方法が正解か不正解かというものではなく,科学というのは,今の常識を疑うところに価値があります.
今回はそんなお話ですね.
逆さに吊るしても果実は立派にできる.
今回参考にした論文はこちらです.
「果実の吊り上げ栽培がマンゴー’アーウィン’の着色および品質に及ぼす影響」
目的は,商品価値の高い完全着色︎のマンゴーを生産するための栽培方法を模索することです.
綺麗な鮮紅色を出すための研究なんだね!
マンゴーというのは,これまでも吊るし上げにより太陽光を当てる研究がなされてました.
しかし,そんな玉吊りを実施しても,果実の底側(果頂部)の色ノリがよろしくないということで色々な施策が打たれてきました.
マンゴーの着色には照度が関係しており,弱光下では着色不良になるんだね
- 地面に日照を反射させる反射シートを貼る.
- タイベックによるマルチをする.
など,地中に吸収されるはずの太陽光を反射させて,果実の色合いを高くしようとしていました.
本実験では,ネットを白い袋でかけ,それぞれ,普通に吊るすものと,逆さに吊るすものを検討しておりました.
まず,気になる結果ですが,
- マンゴー果実の明るさ(L*)は白色の袋をかぶせた方が微妙に明るくなる.
- 逆さにした方が,果頂部の赤色の色素(a*)が強くなる.
- 黄色の色素(b*)はほとんど変わらないが,有効な効果は見られない.
- ネットによる逆さ吊りの方が,糖度は高くなったが,果実重量は小さい.
これらの結果には,サンプル数が少なく有意差は無いのですが,研究としては非常に面白いのです.
従来,常識的に行われていた玉吊りについても疑った方が良いのでは,という知見が得られましたね.
もしかしたら,もっとより良い方法があるのかもしれない!そんな大きな期待が持てる研究結果でした.
遮光率の高い白色袋で包むことにより,果実の明度を高める.
従来,袋をかぶせると,マンゴー果実の明度は低下するということが常識でしたが,本研究ではそれとは反対の結果を示すことになりました.
遮光率の高い白色の袋を使うことによって,袋内で光が乱反射・拡散され,全体的に果実の着色が良かったものだと推察しています.
今回もかなり面白い研究内容だったね!!
ぜひ一度,原本などを読んでみることを強くオススメしておきます.
そいうことで,本日はここまで!
これからもマンゴー栽培に関して面白いトピックなどがありましたら共有していきます.
このブログは,メールアドレスを登録しておくと,お手元にすぐに記事が届くようになりますので,そちらも合わせてご利用ください.
また,マンゴー栽培にオススメの本はこちらです.
本日もご覧いただきありがとうございました.