植物が吸収する養分について.有機態?無機態?アミノ酸?
この記事の内容について
  • 植物が吸収する17種類の必須元素の復習.
  • 植物は,有機態窒素のアミノ酸でも吸収する.
  • アミノ酸にも多くの種類がある.

けんゆー

ハイサーイ!


けんゆー

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こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.

今回は,植物が吸収する養分についてシェアしたいと思います.
私たち人間も,ご飯を食べていかないと,日々成長したり活動したりするためのエネルギが作れ出せれないのと同様に,植物も一緒です.僕らは,口からご飯を入れて,消化器官の内臓で,栄養分を吸収しているのですが,ただ,植物は人間のようではないですね.彼らは主に,地下部の根っこで彼らが生きるための栄養分を吸収するのです.栄養を体内に取り込む方法が違うのですよね.植物のように,お腹にハンバーグとか乗っけておくと,それが表面で分解されて体内に吸収されていく,という機能を持った人間はいないですよね.もし,いたらコメント欄で教えてください.

植物が吸収する養分

今回の本題は,植物が吸収する養分についてなのですが,では一体,どのようなものを吸収するのでしょうか.
前回は,有機農業の発展ということで,有機栄養説と無機栄養説などについてお話しさせていただきました.


けんゆー

有機栄養説を提唱した人は,アルブレヒト・ダニエル・テーア,無機栄養説はユストゥス フォン リービッヒでしたね!


まだ元素などの化学的な知識が十分でなかった時代は,根っこが,有機物の腐植を直接取り込むと考えられていました.その後リービッヒという19世紀最大の化学者と言われる方が,有機物が分解されて元素の形で植物に取り込まれているという説を説きました.前回の内容をまだみていない方は,そちらからどうぞ!

また,以前,植物の生育に必要な必須元素というのも詳しく説明してます.


けんゆー

Youtubeの農家の朝ラジオだと,ナンバー117だね

17種類の必須元素がありますが,全て言えますでしょうか.
まず生育において,比較的多くの要素を要求する6つは,窒素(N)リン(P)カリウム(K)カルシウム(Ca)マグネシウム(Mg)硫黄(S),です.次に,比較的微量な量を要求するものは8つで,鉄(Fe)マンガン(Mn)亜鉛(Zn)銅(Cu)塩素(Cl)モリブデン(Mo)ホウ素(B)ニッケル(Ni)です.
残りの3つは,外部から肥料や有機物として特に与える必要がないですが,酸素(O)炭素(C)水素(H)ですね.
水素(H)と酸素(O)は,水(H2O)から,取り込めますし,炭素(C)は二酸化炭素から取り込むことができます.
他にも,ある植物には特に有用な元素として,ナトリウム(Na)ケイ素(Si)などもあります.

今回は,植物が養分として吸収されるのはどういうもの?というものですが,リービッヒの無機栄養説以降,こういった元素が最も吸収されると考えられていますが,ただし,最近の研究では,有機物の形態でも植物は吸収するということが知られております.いくつかの研究論文が出ており,支持されております.

けんゆー

ただし,今回の内容は,ある特定のアミノ酸肥料などを支持するものではなく,その効果のほどは分かりません.単に吸収するという事実を研究論文から紹介します.

植物は,アミノ酸やタンパク質でも吸う!

有機物の微生物分解物には,色々な過程を経て,色々な状態があります.
例えば窒素化合物を例に挙げると,有機態のアミノ酸から無機態のアンモニア態になり,さらに硝酸態窒素になりますね.
最終的にこのアンモニアか硝酸の形で吸収されるというのが,前回の無機栄養の理論だったのですが,ただし,最近の研究では,途中のアミノ酸やタンパク質の形で吸収されることが認められております.

今回も書籍「基礎講座 有機農業の技術」に乗っていた論文「有機態窒素に対する陸稲(おかぼ)の窒素吸収特性とその機構」という文献があるのですが,こちらではとても興味深い報告が発表されております.

この研究では,トウモロコシイネに注目して調査した結果,アミノ酸やタンパク質などの有機物を吸収することが理解され,同時に,イネの方がそれら有機態窒素を吸収しているとの報告があります.
つまり,アミノ酸などの有機態は,植物でも生育に活用してるが,これは作物によって有機態をよく吸収するものと,しないもの,言い換えると,無機態窒素をよく吸収するものとそうでないものがあるということです.
もちろん,無機態窒素でも,アンモニア態窒素と硝酸態窒素で,どれをよく吸収するかは作物によって違います.
硝酸態窒素の方が,分子レベルで見ると細かいので,硝酸態窒素が吸収されるのですが,例えば,イネなどは,アンモニア態を好みます.これは,水田で還元状態,アンモニアが酸化されないので,アンモニア態を吸収するということがあります.

さらに,アミノ酸についてもですが,実はアミノ酸って一括りに行っても実は多くの種類があります.
アラニンアルギニンアスパラギングルタミンリジンヒスチジンフェニルアラニンロイシン,とかの種類があり,アミノ酸というものは400種以上あると言われます.ただ,植物が構成するアミノ酸は20種類あると言われます.これがそれぞれ,植物の栄養に関して,作用が異なり,促進するものもあれば,変わらないもの,もしくは阻害してしまうものもあるということが言われております.
肥料として,この特殊なアミノ酸を活用する際は,経済的に合わないのではないか?とか色々と言われますが,ただ逆に植物を作る上で大きな可能性を秘めているとも言われます.

植物は何をしてるのか?

植物というのは,生きる活動の上で有機物を作るものなんですよね.
どうやって作るかというと,釈迦に説法だとも思いますが,根からの吸収した無機態の窒素と,地上部の葉っぱで光合成で作った炭水化物を合成して,有機態窒素のアミノ酸を作るんですよね.それをするためには,そのため,光合成のために光が必要だったりするのです.ただし,根から直接アミノ酸などの有機態窒素を入れることによって,太陽光が十分ではない時にも,きちんと有機物を作り出すことができるのではないか?ということが現在言われております.

これまでの無機栄養説での野菜や果樹の作り方では,到達しなかった考え方ですよね.
ということで,今回のお話はここまで.
最後まで読んでいただいてありがとうございました.
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