- モノを中央集権型として見るのをやめてみる.
- 樹木にある枝は個別の幼い植物!?
- バイオインスピレーションへの転換.
植物という個体をどう捉えるのか!!?
こんにちは.けんゆー(@kenyu0501_)です.
植物と動物は全くもって違うものであると前回,前々回お話をしております.
この記事のポイント 生き残るために記憶し学習している. オジギソウが葉を閉じる行動は「疲労」と「記憶力」. し …
今回は,個の植物の見方を変えてみる!というお話をさせていただきます.
このお話を聞いたら,これまで見ていた植物が全く違うものに見えてくるかもしれません.
個体とみるか?集合体とみるのか?
ファーブル昆虫記を書いたジャン・アンリ・ファーブルという自然科学者をご存知でしょうか.
小学校の頃,図書館で必死になって読んでいた記憶があるね
彼はこう言います.
「動物の場合は「分割する」ということが概して殺すことを意味するの対して,植物の場合は,増やすことを意味する」
いやー,深いねー
果樹を始め植物の場合は種子で繁殖するだけではなく,挿し木や取り木,接ぎ木などといった,繁殖が可能ですよね.
私たち人間というのは,もちろん一つの個体ですよね.
脳や心臓という臓器があって,二つの部分に別れるというのは,基本的にはありえない構造になっております.
しかし,植物の身体を見てみると,どうやら脳や心臓といったある特定の機能を持った臓器が見当たらないのです.
彼らは,モジュール構造といって,同じユニットの繰り返しでできているのです.
私たち人間というのは,中央集権型の生き物です.
一度脳という臓器に,情報を集めて,その後,末端に信号を送る.
そのため全てのモノを中央集権的に見てしまう.故に中央集権的なモノを作ってしまう.
例えば,コンピュータも中央集権モデルです.
プロセッサーは脳の代わりです.情報を集めて演算,諸々のハードウェアを制御する.
私たちの社会システムもそうです.
中央集権型の社会,役所がある.組織があります.
一般的な会社もそうですよね.社長さんがいて社員がいる.
これはもちろん,いけないことではないのですが,人間というのは,中央集権型の生き物ですから,それしか見えなくなっちゃう.
もっと,視野を広げて,新しいもの,植物を新しい見方で観察しても良いのではないのか,そういうお話です.
かつてドイツにゲーテという学者がおりましたね.
本名をヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテと言います.
文豪であり,科学者であり,政治家でもあり,多面的な顔を持っているのですが,彼はこう言います.
「一つの植物の節から生えている枝は,母枝の体につながっている個別の幼い植物とみなせる」
チャールズ・ダーウィンのおじいちゃん,エラズマス・ダーウィンもこう言いますね.
「一本の樹木のどの芽も個別の植物である.つまり一本の樹木は個々の植物が集まった一世帯の家族である.」
アレクサンダーブラウンというドイツの植物学者,かなり権威のある方ですが,彼もこう言いますね.
「植物,とくに樹木を見るかぎり,動物や人間のような単一の個体であるとはどうしても思えない.むしろ,複数の個体からなる一つの集合体のように思える.」
驚きですね.
植物は未来を知っているという本書の中で,ステファノマンクーゾ氏は,こう言います.
「地上部だけではなく,根系についても当てはまる.根一本一本は自律的な指令センターが備わっている.」
これまで,樹木や植物を個体と見ていたのかもしれませんが,集合体と見直してみると,もしかしたら観察がもっと楽しくなるかもしれない.
家庭菜園をしているあなたも,大規模な圃場を持っているあなたも,植物を観察するのがもっと好きになるのかもしれない.
本日はそういったお話でございました.
バイオインスピレーション
植物というのは,一箇所に演算部分を設けない非中央集権的な構造(モジュール構造)なのですが,このような見方ができると,色々な分野に応用してものづくりができたりします.
バイオインスピレーションという,植物や動物の構造から着想を得て,問題解決をする,もしくはモノを作る!という考え方です.
近年では,ロボット作りの分野で,アニマロイドや,インセクトイド,プラントイド,というものが盛り上がっているのですね.
こう言った着想を得るのにも,やっぱりモノの見方は柔軟にしていきたいところなのですね.